喜多院法興寺

住職のひとりごと

10会議=震災対応で議事録未作成

2012-01-28 06:42:27 | Weblog
1月28日付 編集手帳 読売新聞
 {まど・みちおさんに『ああでもない こうでもないの うた』という詩がある。〈ああでもないとこうでもないが/かいぎを はじめりゃ 日がくれる…〉
◆お偉方か、 咳払 ( せきばら ) いも聞こえる。〈えっへん おっほん わいわいわい/ああでもないない こうでもない〉。どうやらあまり実りある会議ではないらしい◆あれほどの国難に対処する政府の会議である。まさか、「ああでもない、こうでもない」式の不毛な議論が交わされていたとは思わない。思わないが、議事録がない以上はそれを検証しようがないのも事実である。
◆首相を本部長に全閣僚が出席する原子力災害対策本部は議事録を作成していなかった。どんなふうに議論を深めたのだろう。エッヘンと威張って官僚を押さえつけ、多くの会議から記録役の官僚さえ排除してきた“政治主導”の正体見たり、である。
◆オーストリアの作家シュニッツラーは述べている。〈記憶がお粗末だと、回想記を 綴 ( つづ ) るのに苦労しない〉と。記憶の裏付けとなる議事録がそもそも、ない。事故対応を指揮した首相は、さてどなただったか、さぞかし回想記が書きやすかろう。}

 信じられない話であるが、政府は27日午前、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故への対応に当たった15会議体を調査した結果、原子力災害対策本部(本部長・首相)など10の会議が議事録を作成していなかったことを公表した。後世に残すような大切な会議の議事録がないとはあきれた話だ。