喜多院法興寺

住職のひとりごと

消費税増税一直線、改造内閣

2012-01-14 06:26:57 | Weblog
1月14日付 編集手帳 読売新聞
 {いつぞや、歯医者通いの長い知人が手もと不如意を嘆いた。「ヘミングウェーでね」。何のことかと尋ねたのが間違いで、つまらない 駄洒落 ( だじゃれ ) を聞かされた。「歯が 為 ( ため ) に金は要る」( 誰 ( た ) が為に鐘は鳴る)
◆くだらないなりに味わいもある。グラグラして頼りない歯を抜き、丈夫そうな差し歯をしたのだな…と、きのうの内閣改造を見て昔の駄洒落を思い出した。
◆国政の難題を 噛 ( か ) み砕く“歯”となり、暮らしの隅々に栄養を行き渡らせるのが政治の役目だろう。先立つものは財源であり、「歯が為に金は要る」。消費税に照準を定めたらしい野田首相が、この難題中の難題をどう噛み砕いて国民に訴えるのか、一新した歯の働きを見せてもらおう。
◆文豪ゲーテに、歯にまつわる詩があった。〈世界は 粥 ( かゆ ) で造られてはゐない/ 君等 ( きみら ) は 懶 ( なま ) けてぐづぐづするな/堅いものは噛まねばならない/喉がつまるか消化するか、二つに一つだ…〉(岩波文庫『ゲーテ詩集』より)
◆噛むのに苦労する 強飯 ( こわめし ) を避けて、安易な粥に逃げるなかれ。無駄のカットで社会保障費が賄えるかのような、幻想の 飴玉 ( あめだま ) を弄するなかれ。治療した歯が泣く。}

 民主党のバラ色の選挙公約にだまされ国民は期待し、民主党政権が誕生した。フタを開けみたら選挙前の約束はほごにされ「こう薬は剥がれるものと」平然としている。今度は第二期の野田改造内閣が発足し、消費税値上げにまっしぐら、岡田、野田二人三脚、増税邁進内閣ができあがった。昔の池田首相が「貧乏人は麦を食え」といったが、今回の野田首相は「貧乏人でも物を買え」そうすれば社会保障費が賄えるかのような、うそにはもう誰も騙されない。