喜多院法興寺

住職のひとりごと

100歳以上の所在不明者が続々とでた

2010-08-04 06:28:07 | Weblog
8月4日付 編集手帳 読売新聞
 {ビルの屋上から投身自殺した女性の遺体が、数か月後に植え込みから見つかる…。以前、東京で実際にあった出来事を、評論家の松山巖さんが『手の孤独、手の力』(中央公論新社)に書き留めている.

◆つづきがある。飛び降りたことを知る者はいなかったが、あとで調べてみると、ビルの管理用コンピューターは女性が自殺したであろう日、屋上に出て戻らなかった人間がいたことを記録していた。その数、「1」と。

◆松山さんはコンピューターの画面に現れた「1」を〈現代の幽霊〉と呼ぶ。たしかに、命のはかない“影”である。

◆111歳で健在のはずの男性がじつは30年前に死亡していたことが判明したのにつづき、同じ東京都内で今度は113歳の女性の所在が分からないという。「111」「113」という数字の“影”だけがあり、“形”は誰も知らない。これも〈現代の幽霊〉だろう。
◆どちらの高齢者にも肉親がいた。―いかにいます父母…と唱歌『 故郷 ( ふるさと ) 』を歌い継ぎ、常に肉親の身を気遣ってきた日本人の暮らしと、「所在不明」の荒涼たる4文字とが、頭のなかでうまくつながってくれない。人の砂漠に心が渇く。}


 100歳以上の所在不明者が方々から出てきた。自治体によっては、管内の最高齢者の所在を本人との面会や介護保険の利用状況など、確認していないらし。子供や身内も無関心で、親が居なくなっても、捜索願すら出していない。兄弟中も悪く付き合いもなく、親をたらい回しにすることで、所在不明者がぞろぞろと現れら。信じられない話だ。平均寿命も信じられない事になる。