喜多院法興寺

住職のひとりごと

死刑執行する「刑場」、報道機関に初公開 

2010-08-29 06:54:51 | Weblog
8月29日付 編集手帳 読売新聞
 {最高裁判事を務めたこともある刑法学者の団藤重光さんは、死刑廃止論者としても知られる。仙台拘置支所で無人の刑場を視察した際、「普通の人の神経には到底耐えられないものだ」と思ったそうだ。
◆憲法は残虐な刑罰を禁じているが、最高裁は死刑を直ちに違憲とは言えないと判断している。「しかし、そこから直ちに絞首刑が合憲だという結論は出ない」。団藤さんは執行方法や死刑囚が直面する恐怖、処遇などが「残虐性を与える」と説く。
◆ある検察幹部から「職務とはいえ、絞首刑立ち会いは本当につらい」と聞いたことがある。別の方法や制度の改善余地を探るべしとは立場上、言えぬ時代だったと推察するが、今なら新しい議論が始まるかもしれない。
◆千葉法相の意向で、初めて東京拘置所の刑場が報道陣に公開された。自分が裁判員に選ばれて死刑判決に関与する立場になったらと、思いを巡らした人も多かったことだろう。
◆密室の情報公開が進むことに異論はない。他方、国民の8割超が死刑を容認する現実があり、犯人に極刑を望む被害者遺族の 慟哭 ( どうこく ) が続く限り、廃止論に火はつくまいと思う。}

 今まで死刑に対し、秘密裏に死刑が執行されていた。今回初めて東京拘置所内に設けられている「刑場」を報道機関に公開した。今の凶悪犯に対し死刑を廃止する国民的同意は得られない。諸外国においては死刑廃止を実行している国は多いと言うが、被害者遺族にとっては極刑を希望している。実際に絞首刑立ち会う関係者は非常につらいと思う。