喜多院法興寺

住職のひとりごと

「落語界盛り上げたい」=文枝襲名へ

2012-07-16 06:35:38 | Weblog
7月16日 編集手帳 読売新聞

 {〈しっかり、うっかり、ちゃっかり〉。上方落語の五代目桂文枝は生前、弟子の三枝さん、きん枝さん、文珍さんを順に、こう形容していた。なるほど、3人の芸風や人となりが伝わってくる◆〈しっかり〉の三枝さんがきょう、大名跡である六代文枝を襲名する。上方落語で「桂」を名乗る 噺 ( はなし ) 家 ( か ) のルーツとなる名だけに、「古典落語を」との期待もかかる。だが、三枝さんは創作落語への思いが深い◆自著『桂三枝という生き方』(ぴあ刊)では、松尾芭蕉の言葉を引き心情を明かした。〈古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ〉。形ではなく、志を求めることが大事だ、と◆どんな古典であっても初演は新作だったはずである。優れた演目が磨き上げられ、いまに伝わったのだろう。上方落語を代表する演目『三十石』も初代文枝が前座噺から大ネタへと仕立てたものだ。「平成の古典を作りたい」。三枝さんの心意気はうなずける◆襲名日は、69歳の誕生日に当たる。本人は「安らぎの70代」を望んでいたというが、枯れる時期ではあるまい。しっかり枝を張り、新たな文枝像を育て上げてほしい。}

 三枝は69歳の誕生日である7月16日に、上方落語界きっての大名跡だある「桂文枝」の名を継ぐことになった。三枝は、「別れるのは名残惜しい」と桂三枝という名前に愛着を見せながらも、「師匠の名跡を継ぐことで、落語家の使命を果たしていかなければと思い、襲名させていただきます。文枝の名もたくさんの人に知ってもらい、落語界に恩返ししたい」と決意を語った。69歳で新たな挑戦に、同年代の私は勇気を頂いた。今後の活躍を期待した。

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