芥川賞に鹿島田真希さん＝直木賞に辻村深月さん

　芥川、直木賞候補作決まる。第１４７回芥川賞・直木賞（日本文学振興会主催）の候補作【芥川賞】戌井昭人「ひっ」）▽鹿島田真希「冥土めぐり」▽鈴木善徳「河童日誌」▽舞城王太郎「短篇五芒星」▽山下澄人「ギッちょん」
　【直木賞】朝井リョウ「もういちど生まれる」▽辻村深月「鍵のない夢を見る」▽貫井徳郎「新月譚」▽原田マハ「楽園のカンヴァス」▽宮内悠介「盤上の夜」

　第１４７回芥川・直木賞（日本文学振興会）の選考会が１７日夕、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は鹿島田真希さん（３５）の「冥土めぐり」（「文芸」春号）に、直木賞は辻村深月さん（３２）の「鍵のない夢を見る」（文芸春秋）に決まった。

　鹿島田さんは４度目の候補で受賞。選考委員で作家の奥泉光さんは元高級ホテルを舞台にした受賞作について「現代日本の経済状況の縮図としてとらえ、個人史を描きながら、社会を映し出す広がりを持っているとの意見があった」と講評した。
　
　辻村さんは３回目の候補での受賞となった。選考委員で作家の桐野夏生さんは「短編の切れが良く、粒ぞろい。地方在住の報われない苦しみを感じているような女の人の現在が書かれている」と評した。 受賞者には正賞の時計と副賞１００万円が贈られる。