喜多院法興寺

住職のひとりごと

ゴルフ界のドン杉原輝雄氏死去

2011-12-29 06:19:26 | Weblog
12月29日付 編集手帳 読売新聞
 {〈ラフあれば苦あり〉はゴルフを愛した映画評論家、双葉十三郎さんの作といわれる。アマチュアの愛好家はもちろんのこと、プロもうなずくだろう。
◆きのう74歳で死去した杉原輝雄さんは 稀有 ( けう ) の人であったらしい。ラフどころかバンカーも苦にしなかった。49年前に日本オープンで初優勝したときは、「バンカーは得意なので、17番ではわざと入れた」と語っている。
◆身長162センチ。口癖は「プロゴルファーの中で僕が一番飛ばない」。正確無比なショットと、“マムシ”と呼ばれた勝負への執念で、体格の不利をはねのけた。
◆「生涯現役」を体現した人でもある。60歳で前立腺がんを患い、投薬治療を続けながらツアーに出場した。国内最年長の予選通過記録を達成したのは闘病生活に入ったのち、68歳のときである。「(プロに転向した16歳の石川遼選手を)僕は一方的にライバルだと思っている」と語ったのは、70歳のときだった。
◆前を向く、ただそれだけのことがむずかしいご時世である。病気という人生の草深い“ラフ”にうつむくことなく、前を向いてクラブを一心に振りつづけた人に、頭が下がる。}

 1957年にプロ転向。62年の日本オープンで初優勝した。160センチと小柄ながら豊富な練習と体力強化、テクニックなどで補い、日本ゴルフ界の第一線で長く活躍、「プロゴルフ界のドン」と呼ばれた。 プロ通算63勝。うちシニアで6勝、ゴールドシニア2勝、海外は1勝。98年には前立腺がんになっていることを公表。60歳を過ぎていたため、体力の回復に時間がかかるとして手術を受けず、レギュラーツアーにこだわりながら生涯現役を貫いた。病気と闘いプロゴルフを続けた、プロ中のプロであった。ご冥福を祈りたい。