喜多院法興寺

住職のひとりごと

冬至だそうで寒さが身に染みる

2011-12-22 06:41:47 | Weblog
12月22日付 編集手帳 読売新聞
 {子供の頃、冬の銭湯で耳になじんだ言葉がある。「ひえものだよ、ごめんよ」。辞書に親しむ年齢になって、江戸の昔から伝わる古い言い回しと知った。
◆日本国語大辞典には【ひえもの 御免 ( ごめん ) 】【ひえものでござい】(=江戸時代の銭湯で、湯ぶねにはいる時周囲の人にいう挨拶のことば)とある。おれの体は冷えてるよ、湯がぬるくなるかも知れないが、勘弁してくれよ、というマナーであったらしい。
◆きょうは冬至、昼の時間がもっとも短い頃である。一年でいちばん寒くてもよさそうだが、実際の気象はそうなっていない。
◆寒さが身にしみるのは年が明けて、寒の入りから節分までの「寒の内」である。日が長くなりはじめたはずなのに、寒気は逆に厳しさを増していく。好転の兆しは見えても、勝負どころはこれから――ということでは、首相が「事故収束」を宣言した原発対応に似ていなくもない。
◆ 柚子 ( ゆず ) 湯につかり、一陽来復を願う人もいるだろう。〈生涯の傷をいたはる柚子湯かな〉(村山古郷)。水くさい「ごめんよ」は要るまい。人が皆、心の「ひえもの」を世間の湯ぶねに寄せ合って生きている今は。}


 きょうは冬至だそうで、朝の6時に鐘を毎日ついているが、外はまだ暗く寒さが身に染みる今日この頃。今年も余すところ9日になった。正月の準備や節分の護摩札作りに入ろうかなと言うところである。チョット暇を見つけると、近くのスパ「太陽の里」に出かけては、疲れを癒しながら、湯船につかっている。「ひえものだよ、ごめんよ」は今回初めて知った言葉だ。シニアに取ってお風呂は最高のレジャーである。