喜多院法興寺

住職のひとりごと

家族に頼れる時代の終わり 「孤族の国」

2010-12-26 10:48:05 | Weblog

朝日新聞
{あの出来事は、日本に住む1億2700万人のごく一部の人々に起きたことだった。だが、足元の地面が崩れ落ちていくような感覚を味わった人も多かったはずだ。

 住民票や戸籍という紙の上だけで生きる「所在不明高齢者」が全国で見つかった。大阪で実の母親が2人の子を餓死させた。各地の高齢者が次々と熱中症で世を去った。

 いま、この国で、何かが起きている。

 ■未来予想図

 今年、国勢調査が行われた。結果が発表されるのは来年だが、研究者たちが注目しているのは単身世帯率と未婚率の増加だ。今回の調査で、1人世帯が「夫婦と子どもからなる世帯」を上回るのは確実視されている。

 単身化は今後、さらに勢いを増す。みずほ情報総研の藤森克彦主席研究員は著書「単身急増社会の衝撃」で20年後の日本の姿を描いた。50~60代の男性の4人に1人が一人暮らしになり、50歳男性で3人に1人は未婚者……。単身化自体は個人の自由な選択の結果であり、否定すべきことではない。その半面、高齢の単身者は社会的に孤立し、様々なリスクに無防備になるケースが多いのも事実だ。

 単身化に加え、雇用が崩壊し、地域共同体の輪郭が薄れ、家族の中ですら一人ひとりが孤立している。}

 朝日新聞は今年から「孤族の国」として、これからの日本社会の高齢の単身者は社会的に孤立が進み、無縁社会がやってくると、警鐘を鳴らす。今までの家族を中心に、考えてきた事が、家族にも相談できずに縁を切って、孤独死している現実を見るにつけ、日本は最低の福祉国家であることを知る。日本は一度職を失うと、立ち直るのに非常に苦労する。その間の救済措置もなく、住む家さえのない。この不景気で職もない、孤独死の原因を作っているのが、現実である。