喜多院法興寺

住職のひとりごと

大林検事総長が辞任 へ証拠改ざん事件で引責

2010-12-17 07:09:35 | Weblog
12月17日付 編集手帳 読売新聞
 {独断専行で暴走しがちな同僚を諭して、麻薬捜査官が言う。「われわれはチームだぞ。チーム(TEAM)にI(私)の字はない」。同僚は内心つぶやく。「勝利(WIN)には私(I)が入っているよ」
◆ドン・ウィンズロウの小説『犬の力』(角川文庫)のひとこまにある。どういう組織であれ、I(私)の功名心を抜きにして活力は生まれない。Iの暴走は、しかし、ときにチームを崩壊の危機に追いやることもある。
◆大阪地検特捜部による証拠 改竄 ( かいざん ) ・犯人隠避事件の責任を取り、大林宏検事総長が辞任する意向を固めたという。
◆被疑者の口を割らせる“割り屋”として令名の 轟 ( とどろ ) いた特捜検事を証拠改竄に走らせたのは、 歪 ( ゆが ) んだ功名心と、俺たちは万能だという 傲 ( おご ) りであったろう。検察の信頼が地に 堕 ( お ) ちて喜ぶのが犯罪者であることを思えば、トップの辞任に同情の余地はない。
◆泣く子も黙る最強チームで、ボスの首が飛ぶ。その衝撃を所属する一人ひとりがどう受け止めるか。傲り(HAUGHTINESS)から 不 ( ふ ) 埒 ( らち ) なI(私)を取り除き、その単語を検察庁の辞書から放逐しない限り、何も変わらない。}

 大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽事件などの責任を取り、検察トップの大林宏検事総長(63)が、辞任する意向を固めた。検事総長が任期半ばで引責辞任するのは極めて異例だという。以前にはこの様な不正が有ったとは、思いたくないが、正義である検察が自分の都合で、証拠を改竄することは絶対あってはならない。検察トップの辞任は当然であり、検察は神ではないので、間違いは素直に訂正する勇気が必要だ。