志方町をゆく(171) 法道仙人(3) 投げ松の伝承
志方町の「投松」と書いては「ねじまつ」と読み、東志方町大沢の「投松」は「なげまつ」と読みます。ややこしいですね。
投松(なげまつ)
大沢の投松の大師堂に枯れた大きな松(写真)が保存してあります。
この松は、昔、高さが八丈、地上五尺で測ったら周囲が一丈五尺の大樹でした。
そして、樹齢は1200年あまりといいます。(一丈:3.03メートル)
大師堂には、「わがまちかこがわ60選」として、この松の説明があります。一部を読んでみます。
「県内の多くの寺院に開基伝説を持つ法道仙人が一乗寺(加西市)から投げた松といわれる“投げ松”は神木として祭られています。・・・」
つまり、法華山の開山の時、法道仙人が小松を引き抜き、山越しに投げたのがこの地に落ち、その松が根づき、すくすく伸びたのがこの大師堂の大きな松(写真)であるというのです。
投松の地名もこの松にちなんでいるといいます。圧倒的な迫力を持っています。
近くのおばさんは「この松は昇り竜の形をしています・・・」と教えてくださいました。
なるほど、松の先がぐっと伸びて竜に見えます。
この松が元気な時は、さぞ見事だったと想像されますが、おしいことに大正初期に枯れてしまったそうです。
<補足>
以下を補足としておきます。
上記の「投松」の話は面白いのですが、地名研究家は、「投松」を次のように考えておられます。
石見完次氏の『古い地名新釈・加古川おもしろ誌』より引用させていただきます。
・・・投松は『加古川市史』に載せた古地図にあるように、抛町(なげまち)と記載されているのが本名であろう。「なげまち」とは『薙ぎ町』で、柴草などを薙払って焼跡に種をまく畑農法をやっていたことを物語る。・・・
法道仙人の投げた松などという伝説は地名を勿体づけた後世の話であろう・・・
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