健康楽園。

健康に関する情報・提案を主にする。

資本主義ごっこ。

2006-04-03 | P&E
先月、日本製薬工業協会主催のセミナーを聴きに行ってきました。パネルディスカッション方式で、テーマは「グローバル時代にふさわしい医療のあり方を探る」という広く・大きなテーマでした。
パネリストは5人で、外務副大臣の塩崎恭久さん・WHO(世界保健機構)西太平洋地域事務局長、尾身茂さん・独立行政法人国立病院機構理事長、矢崎義男さん・厚生労働省大臣官房長、阿曽沼慎司さん・アステラス製薬代表取締役社長、竹中登一さんです。
新薬の開発にしろ、医療にしろ、最近は国際化の進展が進み、医療を支えるサイエンスやテクノロジーは世界共通になってきています。
国内完結型の日本医療の問題点を、各パネリストが交互に述べるという形式でしたので本日は、塩崎さんの発言を中心にまとめてみようと思います。
「戦後60年経ちましたが、日本の医療はその間、大局的には間違っていなかったのだと思います。自由開業制度・出来高制度・現物給付制度などが、世界一の平均寿命を生み出したのだと思います。先輩たちが、このフレームを作ってきましたけれど、しかし、これから先を展望すると、今のままでいいということは決してないと思います。平均入院日数についても日本は30日を超えていますが、アメリカでは6,7日と短いですね。
医療というのは政策リスクが大きいです。政策で医療の中身が変ってきてしまいます。急に、急性医療は包括医療(DPC)にしなさいとか、出来高制度をやめるとか、外来・紹介率を上げれば点数が上るとかです。
日本は、グローバルな視点で日本の特殊性を生かした、新たなパラダイムシフトが必要だと思います。
私は最近、スーダンとエチオピアに行ってきました。スーダン南部は井戸が少ないから水事情が悪いんです。ここでは、1000人の新生児の内、250人は死んでしまいます。日本ではほとんど亡くなることはありませんね。10万人の妊産娠にしても3000人が死んでしまいます。日本では2人という確率です。平均寿命が42歳という国です。そこに国連のPKOが派遣されて救護活動をしているんです。1500人います。日本人は3人しかいません。国連負担金は19,3%とアメリカに次いで世界2位なのにです。外務省の医師が行っているんですが、こういうところでグローバルなネットワークが出来上がってくるんですね。
パキスタンの大地震の時、日赤のドクターが救援に行ったんですが2週間で帰ってきてしまうんです。他国はズーっと滞在するんですね。だから、日本はお金だけ出して自国のことしか考えていないってとられるんです。
国際的に働ける人材がいないんです。だから医療も制度と、パフォーマンスは世界一だけど、国内だけの完結型でしょう。シンガポール、中国、韓国などアジア各国の医療は急速に進歩していますが、、これら諸国の目はわが国を通り越してアメリカを向いています。
新薬の治験方式、許認可制度でもシンガポールの方が出来ています。
日本は、戦略性に欠けていて、大風呂敷を広げられないですね。
確かに日本の医療は財源論があって医業の経営が先に来たっていう点はあるけれど、もっと戦略的に医療も組み直さないといけないですね。中国の追い上げはすごいですよ。中国は、社会主義を標榜しているんだけど、実は典型的な資本主義の国です。国を治めるのに社旗主義の方が都合がいいから社会主義のフリをしているって言われていますよ。日本はといえば、実際は社会主義の国なのに資本主義ゴッコをしているって言われていますよ。」

写真は、表参道ヒルズ、TORAYA CAFE・4月20日まで期間限定のDOLCE、豆乳とか餡が使われていて大人気、混んでいて食べれなかった。20日までに食べたい!!!
コメント (2)
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