健康楽園。

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違いがわかる。

2006-04-17 | 聴けた!imaging.
宮本亜門さんの講演を聴きました。
「こんな全員ネクタイしている方の前でお話しするの始めてです。48歳一人だけ若づくりです。宮本亜門のお芝居見たことある方、正直に手を揚げてください。お芝居やテレビ、映画のこと話しても解らないでしょうから今日は、演出というものを何故やったか?亜門の人生をしゃべりたいです。

コシファトッテやフィガロの結婚の演出もしましたが、台詞や、歌、小道具・大道具・舞台装置含めて視覚化することすべての舵とり役が演出と思っていただいたらいいです。
人生も舞台のようなもんだと、役者さんたちと毎日話します。だけど、現実が一番オモロイです。
宮本家は代々ずーーーっと慶応大学に行っています。だけど、私は慶応幼稚舎の試験に落ちてしまいました。
祖父は上海で鉄鋼会社を経営していて、日本に引き揚げても銀座で鉄鋼会社をやっていました。
父はというと、年上の女性に甘えるのが上手く、甘えるのを特技としているボンボンで、その子供が6人いまして、私は6番目の末っ子・初めての男の子でした。
母は、大阪道頓堀・商家の娘で、家系はガンで早死に。全く家庭環境が逆、機転が利く母と、甘えるのが上手い父とがどうして出会ったか??銀座のショットバーで祖父が飲んでいるところに母が来た。息子に、いい女がいるぞと、紹介したんです。オヤジは機転が効くチャキチャキ娘に一目ぼれ・母も、お金持ちのオボッチャンに一目ぼれ。
出合って、一目惚れ!一週間会社にいかんかった。父は怒って、とうとう勘当させられてしまいます。そこで2人で住み始めて、新橋演舞場の向かいに喫茶店を開きました。
母が、SKDにもいたことがあったから、お芝居大好き!私が小さい時は毎日のように劇場に連れて行かれました。女だてらに、掛け声かけるのが子供心に恥ずかしかったです。母は感情の起伏が激しい。何事にも感動する。小さな花にも・太陽にも。生きるってすごいもんだよって大げさに感銘するタイプでした。
父はというと、サンドイッチひとつ作れない・ありがとうございますって言えない・人にサービスっていうことが出来ません。親父は落ち込んでいて暗いから、夫婦喧嘩が絶えませんでした。父の浮気に、母は悩んでもいました。
私はというと、三歳のときから三味線と謡いを習っていました。小学校のときは日本舞踊を習っていて、将来の夢は裏千家の家元になろうでした。
ですから、学校で友達と共通の話が無くなります。中学のときの趣味が仏像鑑賞ですから。週末になると奈良・京都に出掛けて、仏像をじっと見ていました。服装はアフロでした。学校の友達に、月光菩薩は凄いと話したら会話はストップしますね。
登校拒否のはしりをしました。自由が丘に部屋を借りて、食事を差し入れてもらう生活が1年間続きました。もう学校に行きたくない。行っても面白くない。
教師は出てきなさいと扉の前で叫ぶ。さすがにお袋の声には、ドアを開けました。ところがジャックニコルソン・シャイニングのような顔をして父親も泥酔して立っているので、また驚いてドアを閉めました。すると、家宝の日本刀を取り出して、ドアの隙間から差し込んで、出て来い!と叫びます。そのうち、日本刀が折れちゃった!すると、ホースで水攻めです。水が止まったので出て行くと、父はいびきをかいて寝ていました。
その時母が、何で学校行きたくないの?もう学校行かなくてもいいわ!って言われて、パーンと気分が楽になりました。でもひとつ約束して欲しいと・・・。病院へ行って。
オヤジが行けなかった慶応病院の精神科に行きました。その先生が素晴らしかった。治療ってしないです。何で?学生服なんか着るの!もっとこういふ服でもいいんじゃないって言うと、面白いねーーーって返ってくる。もう、こちらから、しゃべって・しゃべって、オモロイから明日も行く。結局10日間も続けて行ってしまいました。インターンの先生も10人以上取り囲むようになる。登校拒否が無い頃でしたから、研究材料になったんですね。
いままでは、自分はダメだ、ダメだと思い込んでいました。これで、自分でも生きていていいのかなーーって思えるようになりました。誰だって人生はリセットできる。
だってこれ以上落ちようがないじゃん。学校に戻っても、みんなアレって言う感じで受け入れてくれたし!舞台のこと言ったりしていたら、面白いって言われるようになってきました。
芸術大学入学したんだけど、丁度、銀座にミュージカル劇場できるってんで、オーディションがありました。受けたら受かってしまった。両親は大反対で、学校に相談に言ったら、先生が、そんなら中退しなさいだって!!
これで道が開けました。その先生は常々・一流のところに行きなさい!そこはアメリカのブロードウェイだよって言ってくれていました。」
明るい口調で、早口です。周囲との適合に悩んで乗り越えてきたキラリと光る宮本亜門さん、長い講演なので二分割にします。
コメント (2)
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