大阪府三島郡島本町山崎
大枝稲荷神社の次の目的地は、近隣の神社ではないので電車で移動する。
往きに下車したJRの桂川駅まで戻らず、600mほど手前の阪急洛西口駅から乗車する。
行き先は、サントリーの蒸留所で有名な山崎にある神社だから、JRで山崎駅まで行ってもいいのだが、阪急の大山崎駅で下車しても200mほど歩く距離が長くなるだけなので、差し引き400mほど短くて済む。
大阪府の神社に行くのは5年ぶりくらいだ。
そもそも、大阪府の神社に行くこと自体が珍しい。
車を手放したので市街地から遠く離れた場所は尚更行きにくくなったし、ますます大阪の神社は疎遠になるかと思ったが、歩行者の視点で地図を眺めてみれば、それはそれで良さそうな神社が見つかるものだ。
大山崎駅で降りて、サントリーの蒸留所方面に向かう。
最近は海外にもその名を広く知られるようになったからだろう、見学者らしき外国人のグループを二組ほど見かける。
それはともかく、恥ずかしながら私は、「山崎」という地名は京都府大山崎町にあるのだと思っていた。
JRの山崎駅も京都府側にある。
ところがサントリーの山崎蒸留所は府境を越えて大阪府側にある。
改めて地図を見てみると、蒸留所は大阪府島本町山崎にあり、JR山崎駅は京都府大山崎町大山崎にあるという、少しややこしいことになっていた。
JRの線路を踏切で渡ると、すぐにサントリーの蒸留所。
道路の両側にサントリーの建物が並び、まるでサントリーの敷地内に入っていく道路のように見える。
関係者や見学者でもない限り入るのをちょっと躊躇いそうになるが、地図を見れば道路の先に保育園や老人ホームがあるし、目指す神社もこの先にあるので、行き交う見学者や作業員を尻目に先へと進む。
道路が直角に右へ折れるところ、進んできた真正面に神社入り口。
一眼で撮っておけばよかった…。
こちらは二の鳥居。
JR山崎駅からは800m、阪急大山崎駅からは1キロ。
もともと天王山が近くまで迫ってきている地域でもあるし、車窓の眺めも緑が多く、京阪間としては長閑なところであるが、それでも駅から僅かな距離で、この雰囲気に接せられるのは嬉しい。
日が翳ると、緑がいっそう深くなる。
ここはヤマブキで知られているらしく、参道両側には沢山のヤマブキが植わっている。
花期の風景も見てみたいものだ。
石段も石垣も、少し苔生して味わい深い。
近くの保育園からか、子供の声が随分と賑やかに聞こえてくるが、都会の喧騒といったものは無い。
拝殿。
ミンミンゼミの声も賑やかだ。
私の住んでいるところではクマゼミばかりなので、ミンミンゼミの声を聞くと懐かしいような気分になる。
子供の頃に住んでいたところではミンミンゼミやアブラゼミが多かったからか、クマゼミでは夏の風情がいまひとつ感じられない。
境内左手には谷川が流れており、せせらぎも聞こえてくるが、護岸されて砂防ダムもあり、風景としては詰まらない。
本殿は覆屋の中で、どんな様子かはあまり見えない。
本殿前から拝殿越しに鳥居方向を見る。
拝殿右側には稲荷神社の鳥居が並ぶ。
手前の艶やかな鳥居もいいが、奥の色褪せて苔の生え出したような鳥居もいい。
境内右側のやや高いところには何やら派手な社殿があって、まるで稲荷神社のように見えるが、弁天堂とのこと。
背後の木々は、なかなか豊かだ。
ここからは、歩いてもう一社訪ねる予定だったが、どうも雲行きが怪しい。
雨雲レーダーを見ると、遠くない場所に雷雲も発生している。
それなりの距離を歩くつもりだから、途中で雨に降られても困るので、今回はここで切り上げることにする。
この日はたった二社しか参拝出来なかったが、どちらも都市近郊にあるとは思えない趣があって、とても満たされた気分になれた。
撮影日時 150904 11時半~12時半
地図
蒸留所に見学に行った時、鳥居を見たのですが時間が遅くて(岩清水八幡宮に行った後でした)神社には寄りませんでした。
車でも滅多に行かない所だったので、残念でした。
想像以上に緑が豊かな神社ですね。
稲荷神社は美しいですね。
次に蒸留所の辺りに行くことがあれば是非訪問してみたいです。
蒸留所は甘い香りが漂っていませんでしたか?
私はウィスキーは麦から作るので、あんな香りがするとは知りませんでした。
正直なところ、ウィスキーは学生時代のコンパで少し飲んで以来ご無沙汰していて、蒸留所見学の時も試飲は遠慮しました。(有料ですし)
でもウィスキーの壜を並べた琥珀色の回廊はとても美しかったです。
そう言えば、神様ってお酒が好きなんですよね?
どこでも酒樽が奉納されていますし・・・
おお、蒸留所には行かれたことがあるのですね。
神社はネットでもそれなりの数の記事がヒットしますが、
滞在一時間の間に来られた方はお一人でした。
蒸留所の辺りが常時、見学者が行き交っているだけに、
緑の豊かさに包まれてホッと寛げます。
確かにこの辺りの地域に車で行くことは、あまり無さそうですよね。
機会があればぜひ。
蒸留所からの香りには気付きませんでした。
ウィスキーの香りは好きですが、それとはまた違った香りなんでしょうかね。
私も普段ウィスキーを飲むことはありませんが、
基本的に味は好きなので、「山崎」とか飲んでみたいなぁとは思います。
でも高くて(笑
あれ、試飲は有料なんですね。
確かキリンビールの工場とかだとタダで飲ませてくれたような…。
この神社には、サントリーからウィスキー樽が奉納されてるみたいです。
蒸留所建造当時からサントリーと関わりがあるみたいですから、
参拝者が少なくても、この神社は安泰でしょうね。
ちなみに、見学は複数のコースがあって、無料は1コースのみ、他は有料です。
一応事前予約が必要とあったのですが、私が行った時は団体が少なかったせいか、飛び込みも受付してくれました。
ただ、有料コースは既に締め切り時間が過ぎていたので、「無料コースでよろしければ」でした。
有料コースは試飲が料金に含まれているみたいで、無料コースはミニバーでお金を払って試飲です。(少しおつまみが出るみたいです。)
どこの醸造所でも同じですが、運転する人には飲ませないことになっていて、私たちも「お帰りの際の車の運転をされる方」と受付で聞かれ、家人が「私は運転手です」と書かれたパスを渡され、首から提げて見学でした(笑
神社へ至る道路が工場の建物の間にあるので、見学者はパスを付けて道路を横断です。
そのまま神社へ行く人はいないと思いますが、気が付いて興味を抱く人はいるでしょうね。
日本酒の醸造所でも甘い香りがしますが、やはりお米の香りだなぁと思います。麹の香りですね。
ウィスキーは酵母で、日本酒よりもっと甘い匂いで、お菓子かな?と思ったほどです。
換気の時間に遭遇すると香りを楽しめるのだと思いますよ。
神社の話ですが、絵馬堂ですか、十二支の絵が飾ってありますね。
綺麗なので比較的新しい絵馬ではないでしょうか。
古い絵馬もあるようですが、それちらはよく見えませんね。カメラの焦点がそこにないせいもありますが、やはり古いので幾分煤けているのでしょうね。
へえ、なるほど、色々あるんですねぇ。
私が受付の前を通ったときも、飛び込みっぽい人もいましたし、
私もちょっと見てみたいな、と思ったのですが、
友人と一緒ならともかく、一人では飛び込む勇気は出なかったです(笑
あの道の両側にサントリーの建物があって、
時々車は通るんですが、歩行者はサントリーの作業員か見学者ばかり。
素通りするのは私だけで、受付の人も警備の人も「ん?」てな感じで見てました。
日本酒の甘い匂いは想像できますね。
ブランデーとかだとかなり甘い匂いがしそうに思いますが、
ウィスキーがそんなに甘い香りがするとは。
換気や風向きによっては、神社にいても香りを楽しめそうですね。
写真を明るくして確認しますと、
平成十二年の辰年から始まって、平成二十三年の卯年で終わってます。
ですからどれも新しいもので、特に辰は逆光の加減か、影になってしまってます。
といっても、平成十二年が15年前かと思うと、ゾッとしますが(笑
きっと同一人物でしょうね。
お正月とかにその年の干支の絵馬を奉納して新しい年が良き年でありますようにと祈願していたのでしょう。
平和な絵馬で良いですね。
播磨地方の神社の絵馬を追っかけしているネッ友がいるのですが、彼が興味を持っているのは「戦争絵馬」と言うものです。
古いものは源平合戦を描いたものから、新しいのは日清・日露戦争まで。 きっと戦勝祈願や出征兵士の無事を祈ったものでしょう。
具体的な部隊名や兵士の名前を書いたものもあるそうです。
干支の絵馬の様な平和なものばかりでありますように。
そうです、奉納者のお名前は全て同じになってます。
最初から数年は会社名も入ってましたが、途中から無くなってます。
こういうものを見ると、奉納者が複数いて置くスペースが足りなかったり、
過去に奉納されたもので一杯だった場合、
どうするのかなぁ、なんて無粋なことを考えてしまいます(笑
絵馬を追い始めると面白いでしょうね。
消えかかっているものも沢山ありますし、
記録するという意味でも価値があると思います。
時代や地域を反映したものも多いですから、
色々なことが読み取れてきますね。
戦争絵馬もそういったものの一つで、
本当はまあ、神様には、健康とか、平穏とか、繁栄とか、
そういったものだけを願っていられる世の中であればいいのですけどね。
コメントありがとうございます。
私はあまり詳しくないのですが、京阪間にありながら素敵な環境のところですね。
またいずれ島本や山崎辺りに行こうと思っています。