京都府亀岡市東別院町湯谷
初詣は殆どの人にとって何か一つのイベントのようになっているけれど、普段から割と普通に神社を訪れている私としては、ただ単にその年の最初に行った神社というだけで、特に気合を入れるわけでもなければ、いつもと違ったことをするわけでもない。
今回、訪れたこの玉依神社も、いつも通りに山里の良さそうな神社を訪ねただけである。
正月三日の参拝ではあるものの、二時間以上の滞在で誰一人出会わなかった。
小さな集落の地元の人達は、当然、一日に済ましているだろうし、それが終わればあとは余所から人が来ることは滅多にないだろうから、きっと二日だろうと三日だろうと元日以外はいつもと一緒なのだろう。
ただ、正月飾りはあったから、普段とは違う装いではあるようだ。
玉依神社のある湯谷集落は標高400mほどの高地にあって、亀岡でも最も山深い場所の一つ。
大阪府境のすぐ近くだが、大阪方面はもちろん、亀岡市街に出るのも不便なところだ。
当然、凍結が心配なので、注意しながら運転。
集落内は狭く駐車スペースも無さそうなので、集落に入る手前の道路が広くなっているところに駐車。
風が冷たく寒い。気温はマイナス1度ほど。
集落に入ると冬の田畑の風景が広がる。
棚田と言われればそうなのだが、整備されて棚田の情緒は無くなっている。
空は快晴で月も見えている。
神社のある位置と向きを考えると、この陽射しではコントラストが強くて写真にならないかも知れない。
神社までは10分ほど歩かねばならないが、歩いたおかげでこういった道端での出逢いがある。
青空は綺麗だけど、これは杜に入れば光と影の斑模様に違いない・・・。
案の定、どうやってもまともな写真が撮れない。
この日、朝は快晴だったが午後からは天気予報通りに曇りだった。
というわけで、この日は午後にもう一度ここを訪ね、朝に撮れなかったところを撮り直した。
この鳥居もそうで、以後、朝と昼の写真が入り混じってます。
氷が張るほど寒くても、苔の緑は鮮やかだ。
深くていい参道ではあるが、竹林がかなり荒れているのが残念。
雑然とした印象になってしまう。
振り返れば───って、光線状態が違いすぎて違和感が拭えないし説明もし辛いけど、逆光の場合はまだ何とか写真になる。
カーブした参道を上って行くと石灯籠が見えてくる。
この石段の先には空間が広がっている気配があって、何か期待させられるところだ。
石段を上り切れば、広場とその先の高みに本殿の覆屋が見える。
ここの広がりと、高みへと続く石段、杉の大木、それらが作り上げる気配には、歩みを止めて浸ってしまうものがある。
右下隅に服の袖が写り込んでしまった・・・。
苔も豊かなので、梅雨明け頃にもう一度来てみたい。
とにかく居心地の良い空間。
さて、本殿に向かうが、石段の手前に何かある。
よく判らないけれど、反対側にまわってみると、光の加減か妙に印象的な構造物に見える。
いい。
なんか凄くいい。
えらく気に入ってしまった。
何だか神秘的なオブジェに見えてきた。
この神社を紹介しているサイトはあるし、他にも神社の写真を撮りに来た人はいるだろうけれど、こんな必死にここにレンズを向けたのは僕だけだろうなぁ、なんて考えると可笑しくなってきた。
石段の途中から見下ろせば、広場で光と緑が戯れているようだ。
日が翳っていれば、また違った何かの息遣いのようなものが湛えられている。
石段もまた様々な表情を見せてくれて楽しい。
拝殿は無く、石段の先にはいきなり本殿覆屋がある。
ここまで来て「ん?」と思う。
正面に「学業成就」の文字が見えるではないか。
今日はちょうどそっち方面のお願いもするつもりだったので、何だか迎えてもらえたような気分になる。
では、ご利益がありますよう。
本殿はなかなか立派なもので、きっちり手入れ修繕がなされているようだ。
本殿背後には磐座と思われる大きな岩がある。
最後に本殿前から振り返って。
撮影日時 130103 9時10分~10時40分 13時~13時50分
駐車場 本文に書いた場所が無難。
地形図
道路地図
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こちらの気持ちまで
クリアになるような空気感!
hiro1jzさんの
「いい」
の一言がまさに
現場に自分が立って呟いているような
そんな気持ちにさせられます
素晴らしい風景
ありがとうございます!
共感していただけましたか!
いや、ほんとに行って「良かった!」という感想です。
新年早々にいい思いができました。
ここはずーっと前から気になってまして、
とはいえ、物凄く気になるかというとそうでもなく、
少し気になるという程度でして、
だからこそずっと放置してしまったんですが、
近場にこんな場所が残っていたのかと驚きました。
実は過去に一度、ここの集落まで行って、
今回と同じような光線状態だったので、
これは駄目だと神社に寄らずに帰ったことがありました。
やっぱり実際に見てみないと判らないものですね。
今度は初夏にでも行きたいですし、
たぶんそっちの風景のほうが私は気に入るとは思いますが、
クリアと言っていただけた空気感は、冬ならばこそかも知れません。
しかしまあ、私の「いい」が伝わって嬉しいです。
こちらこそありがとうございます!
想像して楽しめます。
ただの地面を撮影しても、どうしてhiro1jz様のは絵になるのでしょう?
私は何処の地面を撮しても、つまらなくなります。
まだ初詣に行っていないのです。
いつもはお寺さんに行くのですが、今年は行くつもりにもならないし。
明日はどこかの神様に招待していただけるでしょうか(笑
私が玉依神社を訪ねたのは2011年のやはり寒い時期
でしたが、その時のことを思い出すことができました。
湯谷地区は亀岡でも最も空に近い集落の1つで、空気
が美味しく、本殿下の空間は本当に気持ちの良い場所
でした。
その時はアノ構造物を見て、以前はここで湯立神事が
営まれていたのかと思いましたが、実際のところは
よく判りません。
また末社の水神社が自然石の上に無造作に置かれた
だけなのに、妙に安定感があったなあ、とか、学業
成就は2011年の時と同じだなあ、とか思い出して、
楽しく見させていただきました。
今年初詣に行ったお稲荷さんにも本殿の裏にお穴様がありましたし・・・でも、こういう発見を楽しむのも神社の醍醐味ですね(*^^*)
ところで、学業成就のところを拝読して、前回のコメントのお返事で、合格祈願をしてくださるとおっしゃっていたのを思い出したのですが、私のことでしょうか?
だとしたら、なんとお礼をしたらいいのか・・・感謝の気持ちでいっぱいです。
意地で合格しなければなりませんね!
地学と国語がお得意とは!
私はどちらも苦手科目なので、尊敬します。
頼りにさせていただきます(笑)
では、まだまだ寒いので風邪には気を付けて下さいね。
次回も楽しみにしています。
ご安心ください。私にはあの石が何なのか、さっぱり判りません(笑
朝夕や冬のように、光が斜めから当たるときは、
やっぱり地面に描かれる影を意識しますね。
その模様が美しく思えるところを撮っているわけですが、
どの程度、影を強調すべきか、或いは光を強調すべきか、
いつも迷うところではあります。
三が日のうちに初詣というのは、私にとっては異例の早さです(笑
今年はたまたま早く招待してもらえたようです。
でも、急がなくてもそういうタイミングってありますよね。
おはようございます。
ここに行くにあたっては、アタさんのブログも参考にさせてもらいました。
というか、去年、その記事を見た直後に行きたくなって、
集落までは行ったものの、光の状態が悪くて引き返したんです。
確かに空気が綺麗で、青空がさわやかでした。
湯立神事って普通は釜でするものだと思いますが、
こういった石を使うこともあるんですかね?
壊れてもそのままというのが、不思議なような、相応しいような・・・。
確かに自然石が積まれてましたね。
参道横にもたくさん使われていて、
あの磐座からして、この辺りは岩が多いんだなぁと思いました。
いま改めてアタさんのところを拝見すると、
確かに学業成就が写ってました(笑
ここ以外にも、亀岡周辺のことを調べるときは
いつもお世話になってます。
ありがとうございます。
福岡の神社といえば大宰府天満宮しか思い浮かばない貧弱な知識ですが、
お穴様って主に関東にだと思ってましたが九州にもあるんですね。
狐の棲み処でしたっけ?
いや、ついでのことですし、感謝もプレッシャーも感じる必要は無いですよ。
ただ、合格祈願はちょっと気が早いなと思ったので、
勉強がはかどりますように、くらいにしときました。
・・・いま考えると控えめすぎたかも?
ていうか、合格祈願のメッカ、京都の北野天満宮くらい行けよ、って感じですね(笑
でも、北野天満宮みたいに参拝者が多くないから効果あると思います。
地学と国語ならセンター試験も余裕です!
・・・平均点クリアは、ですケド。
英語は敵です、敵国語です、というくらい苦手です。
次回がいつになるか見通しが・・・orz
よければ暇潰しに何でも書いてってください。
ブログの内容上、硬くなってしまい勝ちですが、
それこそ漫画ネタでもなんでもいけます(笑
では、あまり勉強に無理なさらぬよう。
うわ、宛名が抜けてました!
↑のコメントは誠さん宛てです。
ごめんなさい。
黙っていようかと思ったのですが
あれは竈跡ですね
あそこで薪を焚いて
上に釜を置いて湯立する…
限界集落などに行くと
民家跡でも見ることがありますね
いわゆる「おくどさん」です