京都府亀岡市旭町
この神社の北には、以前に紹介した天照皇大神社があり、南には、紹介はしていないけれど、丹波国一宮である出雲大神宮があって、何かと近くを通る機会の多い神社であった。
地形図にも名前が出ているので気にはなっていたが、付近に適当な駐車場所も見当たらず、いつも素通りしていた。
それに、地図には参道部分に階段の記号があって、上り一辺倒のように思える。上下よりも水平方向の奥行きがある参道が好きだし、頭に浮かんだのは、やや味気ない石段ばかりの上り坂。まあいずれそのうち・・・、といった気持ちであった。
ちょっと前に、ここにいつもコメントを下さる方が、この松尾神社がとても良さそうだ、とおっしゃった。
改めて地形図を見てみる。一直線の階段記号が記されている。が、等高線の間隔は広く、勾配がかなり緩い。どう考えても上り一辺倒とは思えず、意外と懐の深そうな空間があるような気配。
いつでもいい、から、今すぐにでも行きたい、に変わった。
漠然と地図を見ていたことを反省。そして、行くきっかけを下さったコメントに感謝です。
未舗装の農道に入り、溜池の堤の上に上ると害獣避けのフェンスが見えてくる。扉を開けて鳥居前。
実はこの二ヶ月ほどの間で、これが三度目の訪問であったりする。
記号通り石段もあるが、素晴らしい奥行きのある参道である。
写真が上手く撮れないことが三回目の訪問に繋がっているし、今回は紅葉を見たいという目的もあるが、何度も訪ねたくなる理由が解ってもらえるのではないかと思う。
ふっ、と、吸い込まれそうな感覚。
鹿の鳴き声に猪の足跡。なかなか野性味の濃い場所である。
基本的には植林地帯で、木々も細いのが残念。
だが、杉を背景にするからこそ、ぽつんぽつんとある落葉樹が映える。
参道を振り返る。
いったん石段が尽き、緩いカーブを曲がると神門が見えてくる。
再び魅了される。
やや冷え込んだ朝だったので、霧がかかっている。
亀岡は霧の多いところだ。
社殿のある境内は一面の苔。
手水の音と、時おり響く鹿の甲高い声。ひっそりとした空間である。
霧が晴れてきて、淡く日が射してくる。
手がかじかんでいたせいか、水が温かく感じられた。
手水鉢の周りは池になっており、鉢から溢れ出た澄んだ水を湛えている。
社務所横は、見事な苔の道だ。
帰り際、光が差し込んできたので、絶好のシャッターチャンス、と思ったのだが、色やら光がゴチャゴチャしてうるさい感じになってしまった・・・。
過去二回、紅葉の時期ではない写真も少し載せておこうと思う。
本殿
境内社の鳥居
境内社から拝殿
社務所横から拝殿
手水鉢と池
2万5千分1地形図 亀岡
撮影日時 081112 8時半~9時40分
駐車場 なし 神社から1キロほど南にある中池のそばに、付近散策者用の駐車場がある。
地図
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ベストでしたが写真そのものは完璧!
松尾さんの空気や雰囲気・匂いまで伝わってきそう
です。
ホント良い放置だなぁ。式内社語朱印ハンターの血
が騒ぎます。ありがとうさんです。
阿須須伎も参拝しましたか。素晴らしい神社です
よね。もしかしたら自分かもですよ。
満足できる写真とれました?
篠田は、そんなことになっていたんですか!
こりゃ復旧時間かかるかな?残念。
丹波・敦賀と日本海話ですね。自分が行った敦賀
の小さい式内社はハズレでした。放置プラスまわり
の雰囲気が好みでは、なかったです。
気比は、素晴らしいんですけどhiro1jzさんの好み
ではない感じですね。
冬の日本海しかしらないんで違う季節の、この
エリアの神社参拝したいです。hiro1jzさんの
写真みて検討しよっと。
蓼科神社か自分が持ってる平成の祭りというCDにも
祭神さえ記載されていないんですよ。
国史現代社は式内社よりマイナーですが、これほど
記録の有無ぬ差があるとは意外でした。
日本は広いですよ。まだまだ、こんな神社がある
んでしょうね。蓼科に一緒に行った悪友は蓼科神社
をみて日本は神の国だと言ってましたね。
なんとも風情のある杜ですねぇ
ははぁ
いいなぁ
見事です
いずれ出かけてみたいリストに
入ってしまいますね
そう言っていただけると三度行った甲斐があります。
参道の深さ、境内の居心地の良さは格別のものがあります。
来年には是非、eraさんも行ってみてください。
阿須須伎は茗荷田が想像以上に良かったです。
あの空間の雰囲気、なかなか味わえるものではないですし。
しかも夕暮れ時、というか夕闇に包まれ行く頃でしたので、
何とも言えない濃密な気配を味わえました。
写真としては相当暗いという状況で厳しいものがありましたが、
何とか紹介出来るかと。
篠田は大木の幹がそのまま置かれていたので、
いったい何で伐ったのか・・・。
敦賀は今のところ行く予定は無いんですよ。
どうも地図を見ても気になる場所が無くて・・・。
敦賀に行くなら手前の若狭、
あるいは通り越して越前市か南越前町辺りに行きたいです。
地図にも載っていない、
神社庁にも登録していない神社を含めると、
まだまだ未知なる世界が残っていそうですよね。
でも、このままだと、ちゃんとした調査もされないまま
消えていってしまうところも多そうです。
恥ずかしながら、私は資料や文献といったものは一切持ってないんですが、
神社大全みたいなもの、と言えば「平成祭データ」
になるんですかね?
それにはどの程度の情報が載ってるんでしょう?
>幽黙さん
ここは是非とも訪ねてみてください。
ただ、どうしてか狛犬は居ないようです。
というか、いずれ出かけてみたいリスト、
いったい何社くらいあるんでしょう。
かなり溜め込んでらっしゃるのでは・・・。
必ず来年行きますよ。亀岡最大のターゲットです。
あと手水鉢最高ですね。
自分も秋に行きたいです。
やはり茗荷田でしたか!ここは参道とかも素敵な
んですが、茗荷田は驚きの場所ですよね。
冬に雪のなかで神主さんが入るんだなぁと思うと
余計に素晴らしく感じました。
掲載しますか。楽しみ楽しみです。
丹波の美しさを多くの人に知ってもらいたいです。
敦賀はhiro1jzさんの好みじゃないかもなぁ。
常宮なんか、めっさ好きな神社ですがお薦めは
しないもんなぁ。
あとか金崎宮とか数社ですね。
たしかに越前凄いですね。大瀧も素晴らしいんで
すが同じ論社の岡太神社も失神しそうな良い神社
な予感です。
若狭も、まだまだありそうですよね。
自分にとっての愛知みたいなもんですね。
平成祭りデータは社名・住所・祭神・祭礼の日・
摂社・末社が掲載されています。それなりの規模
になると由緒も書いていますよ。
時間つぶしに最適です。
hiro1jzさんくらい神社に行ってれば資料は補足
程度ですよ。hiro1jzさんwayで神社道を走りまし
ょうよ。
まぁ資料について困ったことあれば聞いてくださ
いまし。
すごいことになっていまして…
溜まり過ぎてもうなんだか
単に焦がれ憬れているだけの
そんなリストになりつつあります…
私は今日は休日、かつ紅葉シーズンで「出かけたい!」
と思いつつも、余りの寒さに布団の中で固まっております。
松尾は朝ばかり行きましたが
阿須須伎では夕暮れ時の良さを再認識しました。
辺りがぼんやりとしか見えないくらいになると、
社殿横の杜の中から枯れ枝を踏み締める音。
たぶん、鹿か猪などの大型獣だと思うのですが、
杜の中は真っ暗で何も見えません。
何となく、魑魅魍魎が動き出す時間になったのだな、
みたいな雰囲気があって、ちょっとヘンかも知れませんが、
少し不気味といえるような空間に心地良さを感じました。
そんな状況で茗荷田のそばにいると、
一種独特の静まりの中に、自然の、或いはもっと違った、
息遣い、息吹のようなものに触れられたような気がしました。
大瀧、岡太は「神社探訪狛犬見聞録」さんのところでもアップされましたね。
やはり素晴らしいところです。
ここに限らず、この辺りは地図を見ていても、
良さそうな気になる場所がたくさんあります。
ただ、越前に一回行く費用で、
近江や丹後に二、三回は行けるわけで、
なかなか踏ん切りが・・・。
なるほどなるほど、
確かに時間潰しに良さそうな。
でも、おっしゃるように私の興味の対象からすると、
補足的な内容になってしまいそうですね。
心強いお言葉ありがとうございます。
ほんと判らないことだらけですので、
これからもいろいろ教えてください。
>幽黙さん
やっぱりすごいことになってますか・・・。
そういえば、昨日は二宮神社に立ち寄りましたが
鳥居周りは綺麗に紅葉してました。
ただ、本殿付近は去年より色が悪いようです。
参道奥はまだこれからですので、何とも言えませんが・・・。
あ、なんか気持ちを煽ってしまったような。
でも今後、その行きたいリストが活かされて、
素敵な神社が紹介されるものと、今から期待してしまいます。
八木駅~松尾神社~天照皇大神社~幡日佐神社~八木駅
10kmほどを歩きました。
今日は快晴で空は青く輝き、空気は光に満ちており、
神社も明るい〝顕〟の表情でございました。
それでもその場にしばらく静かに佇んでいますと、
hiro1jzさんが見せてくださる厳かな〝幽〟の陰影も
感じられてくるのでした。
それぞれの近くで、畑仕事や道端で出会えた方に道を尋ねました。
みなさま親切に教えて下さって、一度も迷いませんでした。
こんな一期一会も有難く嬉しいです。
でも帰りに広い広い田んぼの中の25号線を歩いていましたら、
なんと車の中から、私が道を尋ねられてしまいました・・
「ふないの里はどこでしょうか?」
ごめんなさい・・わかりません・・
しばらく歩いたら、その先にありました。はい。
盆地の真ん中に「船井」の地名。。
巨大な「丹の湖」と神さまたちの「蹴裂」(けさく)伝説を
思い出しましたが、あの盆地全体が湖だったと想像するのは
難しいことでした。
でもこの出来事は、カミヨとヒトノヨのはざまのいつかに
確かに起きたことなのだろうと思います。
って、ごめんなさい。。いっぱい書いてしまいました。
良い1日でしたのです。
hiro1jzさんの美しい写真にかけられた気概と努力を
あらためて感じた1日でもございました。
ありがとうございます。
風花さんは京都近辺にお住まいなのでしょうか。
歩かれたコースは、徒歩で散策するにはとてもいいルートだと思います。
あれだけ雰囲気のいい神社が三社も徒歩圏にあるところはなかなかありませんし、
きっと、とても有意義に過ごされたのではないかと思います。
親切に道を教えてくださるのも嬉しいことですが、
逆に道を尋ねられるのも嬉しいことですよね。
私も何故か初めて訪れた場所でよく道を尋ねられます。
幸い、たまたま知っていてお答えできることが多く、
お役に立てるのも嬉しいし、人相の悪い私に訊いていただけるのも嬉しくて(笑
私などは、つい地形図から入ってしまいますので、
亀岡盆地の地形を見て、ああ、かつては湖だったんだろうな、
なんていう理屈が先に来てしまいます。
ただ、少し高いところから盆地を俯瞰すると、
なるほど、と納得していただけるかも知れません。
豊かな水田を水面に見立ててみれば、
案外としっくりくるものです。
想像だけなら、何万年だって旅が出来るのが人間の凄いところです。
いえいえ、いい一日を得られたのなら、
しかも私が少しでもきっかけになれたなら嬉しいことであります。
こちらこそ写真を撮る励みになりました。
ありがとうございます。
国土地理院の地形図を見てきました。
昔々の湖は、私の想像を遥かに超えて広大なものだったらしく。。
きっとhiro1jzさんは地形図をご覧になるだけで、文字通りの
三次元鳥瞰図を描くことがおできになるのでしょうね。
私が住んでいますのは、樫船神社のある高槻市です。
ポンポン山に登ったことはありますけれど、樫船神社まで
行ったことはなく、高槻北部と亀岡との地形の繋がりも
つかめていません。。
私は普段は、そう出かける方でもないのです。
hiro1jzさんやeraさん、幽黙さんほかのみなさまの熱ある会話を
以前のコメント欄で興味深く拝見して、ただただ感嘆しております。
天照皇大神社の稲荷社の左手に小さな木造の建物がございました。
真ん中の戸板が開けてあり、中には粗莚が敷かれていて
奥と手前に白狐が祀られてありました。
明るい日中にも、ちょっとひんやりした空気の漂う暗さでした。
あの小さな部屋は何でしょう?
眷属の居場所でございましょうか。。
なんだか不思議なのです。
もう相当長い付き合いです(笑
俯瞰というよりは、現地に立って風景を見るかのように、
その場所のイメージが膨らんでいきます。
尤も、風景というのは地形だけではありませんから、
イメージから大きく外れることも多いですが。
高槻市にお住まいでしたか。
私は茨木市に数年ほど住んでいたこともありますし、
従兄弟が高槻に住んでいますので馴染み深いです。
普段の足は公共交通機関なんですかね。
だとしたら、樫船神社辺りは同じ高槻でも行きにくいでしょうね。
熱のある会話といっても、私は教えてもらうばかりでして・・・。
天照皇大神社、確かにそんな建物がありました。
が、訪れたのが三年前のことですので記憶が曖昧。
改めて写真を見てみますと、あの建物を中心に撮った写真は無かったのですが、
確かに小さく白狐が写っている写真がありまして、
ああそういえば、と記憶が蘇ってきました。
・・・蘇っただけで、あの建物が何なのかは結局判らないんですすみません。
でも確かに、ひんやりとした空気の漂う場所でした。