京都府船井郡京丹波町上乙見
全国で最も多い神社は八幡神社だそうで、熊野神社は5番目になるらしい。
信仰別に形作られる景観、雰囲気の違いはあるかも知れないが、べつに意識はしていないし、神社名で行き先を決めることは殆ど無い。
だからただの偶然なのだが、このブログで掲載した神社を見てみると熊野神社が一番多く、今回でたぶん八社めとなる。
京都の丹波山地は同じような高さの山が連綿と続き、山容も概して平凡である。
そんな山並みの中で、丹波の盟主といわれるのが長老ヶ岳で、その山懐に抱かれるように、上乙見の集落がある。
長老ヶ岳へと突き上げる谷間の奥に位置するが、集落までは道が拡幅されたせいか、それほど山深いイメージは無い。
ただ、集落の公民館前には「熊に注意」の看板があった。
どういうわけか、地形図に神社記号が無いけれど、その上乙見の集落にあるのが熊野神社で、本来の山深い雰囲気を残していた。
小雨の降るなか参拝。そのせいか、すぐ背後は民家なのに、凄い山の気が立ち込めて深山の趣。
自然石を積み上げた石垣は、雨に濡れて何とも言えぬ艶を帯びる。
拝殿は比較的新しいようだ。
その左手には見事な杉の大木があり、更に左には清冽な谷川が流れている。
狛犬は、丹波周辺ではよく見かけるタイプのもの。
拝殿から本殿。
本殿前から振り返る。雨天ならではの陰翳が描かれる。
覆屋内の本殿。
境内右側の境内社。
境内の左を流れる谷川の奥に鳥居が見える。
写真ではちょっと判りにくいが、鳥居の背後は岩が聳えている。
右手には「不動の滝」が懸かっている。
滝としては特に美しいものではないが、左に岩、右に滝と、いかにも信仰の場らしい雰囲気がある。
何より、こういう清冽な流れがあるだけで嬉しい。
谷間の木々。
参拝を終えた帰り道、上和知川を渡る橋の上から。
驚くほど深い新緑に覆われていた。
2万5千分1地形図 和知
撮影日時 090508 9時50分~10時50分
駐車場 なし。公民館横に停められそうだが、私は道路の広くなっている場所に停めて5分ほど歩いた。
地図