神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

熊野神社

2009年05月22日 | 京都府

京都府船井郡京丹波町上乙見


全国で最も多い神社は八幡神社だそうで、熊野神社は5番目になるらしい。
信仰別に形作られる景観、雰囲気の違いはあるかも知れないが、べつに意識はしていないし、神社名で行き先を決めることは殆ど無い。
だからただの偶然なのだが、このブログで掲載した神社を見てみると熊野神社が一番多く、今回でたぶん八社めとなる。

京都の丹波山地は同じような高さの山が連綿と続き、山容も概して平凡である。
そんな山並みの中で、丹波の盟主といわれるのが長老ヶ岳で、その山懐に抱かれるように、上乙見の集落がある。
長老ヶ岳へと突き上げる谷間の奥に位置するが、集落までは道が拡幅されたせいか、それほど山深いイメージは無い。
ただ、集落の公民館前には「熊に注意」の看板があった。
どういうわけか、地形図に神社記号が無いけれど、その上乙見の集落にあるのが熊野神社で、本来の山深い雰囲気を残していた。



小雨の降るなか参拝。そのせいか、すぐ背後は民家なのに、凄い山の気が立ち込めて深山の趣。



自然石を積み上げた石垣は、雨に濡れて何とも言えぬ艶を帯びる。



拝殿は比較的新しいようだ。



その左手には見事な杉の大木があり、更に左には清冽な谷川が流れている。



狛犬は、丹波周辺ではよく見かけるタイプのもの。



拝殿から本殿。



本殿前から振り返る。雨天ならではの陰翳が描かれる。



覆屋内の本殿。



境内右側の境内社。



境内の左を流れる谷川の奥に鳥居が見える。



写真ではちょっと判りにくいが、鳥居の背後は岩が聳えている。



右手には「不動の滝」が懸かっている。
滝としては特に美しいものではないが、左に岩、右に滝と、いかにも信仰の場らしい雰囲気がある。



何より、こういう清冽な流れがあるだけで嬉しい。





谷間の木々。



参拝を終えた帰り道、上和知川を渡る橋の上から。
驚くほど深い新緑に覆われていた。


2万5千分1地形図 和知
撮影日時 090508  9時50分~10時50分

駐車場 なし。公民館横に停められそうだが、私は道路の広くなっている場所に停めて5分ほど歩いた。
地図