a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

先週の研究会

2018年10月20日 | 研究生活
 先週の研究会では、アルチュセールとマルクスの現代的意義について報告させていただいた。

 主題そのものとしては、すでにいくつかの研究会の場で報告した物だったが、その研究会の場は、大先生達が集まっている場で、その先生方達が若い頃に触れたであろうマルクス主義が今再び注目されていることに、どういった意見を持っているのか、しる良い機会になった。

 ちなみに、その報告の際には、なぜ再びマルクスが取り上げられるようになっているかを、欧州の現状の説明をした上で、報告を行った。

 が、若い頃にマルクス主義に触れた方々は、現代社会の新しさの方が関心の中心になっていて、私が、なぜ現代社会でマルクスが必要と考えているかを、上手く理解してもらえなかった。

 無論、かつては「重箱の隅をつつくような」詳細なマルクスに関する研究が行われたが、そして日本はある側面では世界でも進んだ研究をしていたところもあるのだが、そうした研究に触れ、なおかつそこで繰り広げられた、あまりにも詳細であるが故に不毛な論争を目の当たりにしていた世代にとっては、私の研究などはあまり新しさも感じられなかったのは、当然とも言えるのだが(私自身としては、そういう背景を考慮して、あらかじめ欧州の現状の説明[なぜコービンが若者の支持を受けているのか]をしていたのだが)。

 なお、そうしたかつてのマルクス研究については、私は、当時としては不毛に見えても、現代からすると使える研究の蓄積だと考えている(この点では、スパーパーも、イーグルトンも同じ立場のようである)。

 この話、続きがあるのでまた次回に。
 

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