風をあつめて-ぷらり日記-

すっかり山にハマッテマス。でも山ガールではありません。
三線、お遍路、ネパールのこと等も綴ってます。

北海道 エゾ梅雨の十勝連峰 その6

2011年08月03日 07時25分51秒 | ハイキング・登山

十勝岳を後にして裏側から美瑛岳への稜線を進む。
ここいらはまただだっ広い道で、ガスると本当に迷いやすい道だ。



このくらいのガスならば点々とある道標も見えるが、もっと濃いとそれも見えるかどうか?



まるで月に下りたような何もない、荒涼とした景色。そして本当にだれも歩いてないのね。

砂礫の稜線を道標に沿って進んでいくと美瑛岳の手前のギザギザの鋸岳が見えてきた。



まっすぐ登るのか?!と思ったけど、途中で右にトラバースしてたからホッとする。



鋸岳を過ぎるとまるで富士山の砂走りのように下っていく。とても柔らかいのでサクサク下りて
いけて楽しい。でも途中柔らかくない場所に来ちゃうとちょっと怖いんだけど。

そして急に現れた雪渓。もう姿が見えなくなっていた健脚大阪夫婦だったが、つねにリードして
いた奥さんはどうやら雪渓歩きは苦手のよう。旦那さんは先に渡っていて、奥さんは怖くてなか
なか進めない。というのもほとんど人が歩いてないもんだから雪渓もトラバースの痕があまりない
うえ、短いながらもけっこう傾斜があるんだな。
MIKOさんが途中から足場を作ってくれて奥さんをリードしてあげたのだった。



私もストックを出してバランスを取りながら抜けた。
奥さんはお礼を言うと、また旦那さんより先に立ってずんずん歩いていった。おもしろい夫婦だ。(笑)

で、このあたりからすこし雨が降り出したのと、遮るもののない稜線に出て風が強くなったので
上だけ雨具を着て歩く。美瑛岳に近づくにつれて植物も見え始めたが、イワブクロの花はまだ
まだ蕾で咲く気配はない。



お花畑が見られるようなことをIさんに言っておきながら、このままお花がなかったらどうしよう・・・。

そんなことを思いつつ後ろを振り返ると、あんなに濃かったガスが抜けて十勝岳がきれいに
見えているではないですか。



十勝岳って思ったより尖ってるんだなあ。そして稜線がきれい。
それに比べて美瑛岳ってば名前に似合わずけっこう荒々しいわあ。



表の火口が深くって、山頂からは急な崖になっている。
ここまで登ってくれば、あとは火口縁をぐるりと周れば山頂かな?

と思いながら登っていたら、ほとんどこれまでお花らしいお花が咲いていなかったにも関わらず、
ツガザクラとチングルマのお花畑が出現!!




足元から下には波紋を縁取るようにお花畑がどこまでも広がり、見上げれば・・・



どわーっとツガザクラの大群生である。一瞬Iさんと「ほえ~」としてしまうほど・・・。

「お花畑って言ったらこれだよね!」とIさん。良かった~!



雨に濡れていたがエゾコザクラも咲いていた。ハクサンコザクラよりも小型でかわいらしい。

しばらくお花畑を堪能して歩き出すと、またこんな岩場が出てきたりする。

 変化に富んでる美瑛岳。

霞む向こうに見えているのが山頂のようだ。



またまたお花のない稜線を行き、もうお花はないんだろうなあと思っていると、また出てくる。



美瑛岳は飴とムチの繰り返し。(笑) 2度目のお花畑はもっとすごかった。視界一面が上も
下も花・花・花だ。



今日は私たちの後には誰も来てないし、このすごいお花畑をたった2組しか見ないなんて!
もったいなーい! そして来てよかった~。

ここでMIKOさんが「あ、ナキウサギの声が聞こえた!ここにもいるんだなあ。」
え!?聞こえなかったよ!どんな鳴き声なんだ~?見たい~!
あとで地図を見たら確かにこのあたりはナキウサギ生息地だった。分かっていたらもっと注意
して聞き耳立ててたのにな。

で、美瑛冨士との分岐から美瑛岳への最後の登りにかかる。

 後ろが美瑛冨士。

短いながらも急な道を登っていき、切り立った火口縁を周った向こうが山頂だ。



そうして美瑛岳山頂に11時30分到着です。十勝岳から2時間10分。
山頂では大阪夫婦が先にお昼を食べて待っていた。



そしてやっぱり山頂標識は壊れて無かった・・・。残った棒に登山者がマジックで書いたと思わ
れる「美瑛岳」の文字が。(笑)

幸い雨は止み、十勝岳を望みながらお昼です。

あとは下るのみ。