風をあつめて-ぷらり日記-

すっかり山にハマッテマス。でも山ガールではありません。
三線、お遍路、ネパールのこと等も綴ってます。

結願したけど・・・

2007年05月08日 07時13分48秒 | 2005年おへんろ日記(香川編)

 へんろ道に戻ってみると迷ったせいで大窪寺に着くのが予定より遅くなりそう。
 なんせSさんが待っているかもと思うと結願する喜びよりなぜか焦る気持ちが・・・。

                        

 足早に階段を降りていくとなんと境内の中に着いたみたい。
 いったいどこに本堂があるんだろう?きょろきょろ見渡してみるけど大きなお寺
なのですぐには分からなかった。結局左に行ってみたら本堂らしきものが。

 八十八ヶ寺最後のお寺でお参りだ、これで最後、と思うともっと感動するかと思っ
た。でも、なぜかそこには淡々とお経を読む自分がいた。
 そうして同じように大師堂でお参りして納経所に行くと、そこにも淡々と納経をして
ねぎらいの言葉もなく手渡すお坊さんが。

 「結願おめでとうございます。」くらい言ってくれるのかと思ったよ。
 ま、たくさん来るお遍路さんの一人でしかないんだよね、きっと。

 ちなみに結願寺であるからかここには2000円で満願証明書みたいなものが
売っていた。一番のお寺は納経2回分取ってるとかっていろいろ文句言われている
けど、こういうのを出している八十八番は責められないんだろうか?不思議。
 それよりも、Sさんが待っている!
 バス停で待っているらしいSさんを探して山門を出ると、なんとおじいちゃんまで
連れてきていた。わざわざ一緒にお祝いに来てくれたらしい。なんともありがたい
ことだ。
 そしてお寺の門前にある「八十八庵」でお昼を食べることに。
 ここは打ち込みうどんが有名なんだけど、なんせ5月で暑いのでさすがにそれはっ
てことでここでもざるうどんを注文。
 おじいちゃんもSさんも我が事のように結願を喜んでくれて、なんとお祝いに赤飯
まで持って来てくれていたのだった。さらに手土産としてお菓子とかまで。

 もっとゆっくりとお話ししたかったけど、まだ今日はここから9キロ先の白鳥温泉ま
で歩かなければならないのだ。名残おしいけどお別れです。
 本当にありがとうございました。

                        

 さあ、現在1時半。あと9キロなら4時には着けるかな?
 でもさっきいただいた赤飯やおみやげ物を手に持ってはかなり歩きにくいなあ。
 そして暑い!日陰がないよう~!
 結願してしまったからか、たった9キロの道のりがやけに長く感じられる。

 へばって民家の軒先で休んでいたら、畑仕事を済ませたらしいおばあちゃんが
おみかんを御接待してくれ、トイレも貸してくれたのだった。納め札を渡そうとした
ら断られたけど。というか、お寺さんに納めてと言われた。真言宗じゃないところは
もらっても困るのかもしれないなあ。

 それからまたテクテク歩いていたら一台の車が止まり、冷たいペットボトルのお茶と
あんパンの御接待をいただいた。ありがとうございます!
 うれしいけど、また荷物が増えてしまったよ・・・。 

 と思っていたらさらにもう1台車が止まった。
 それは今日泊まる予定の白鳥温泉の車だった。

 「門前で女性が一人で歩いていったから宿泊客じゃないかって。
 (意外そうに。)歩きだったんですね。乗っていきますか?
 「いえ、歩いていきます。 (え~?本当に歩くの~?って顔をされた。(笑)) 
  でも荷物だけでも乗せてもらえると助かります!」

 ということで、荷物を持っていってもらうことになった。良かった~!
 でも、車の人は本当に心配そうだった。あまり歩きのお遍路さんは泊まらないん
だろうか?かなりの人が11番目指すみたいだしね。
 さあ、あとは1時間ほどで着くはず! 

 な・の・に~、疲れからか距離が長く感じられて、何度も何度も地図を見てはまだ
ここらへん?いやここか?の繰り返し。挙句の果てに車道から歩きの道に入る分岐
を間違え往復30分の痛恨のロス!凹む~!!
 少しずつ日が暮れてきだしてますます気持ちは焦るばかり。

 本当の歩きの分岐にきて、どんな道かは分からないけど距離的には多少でも短い
ほうがいいので進んでいったら、なんと台風の影響がここにもあって、道が完全に
落ちていた。
 うっそ~!! も、戻る? でも、戻りたくない~!!

 ということで、無理やり落ちた道に滑り降り、這い上がって先に進んだのだった。
 なんとか車道の合流点に戻ったら、こっち側にはちゃんと「通行止め」の看板が。
 あっちにも付けといてくれよう~!
 迷ったりなんだりして遅れに遅れて空がオレンジ色に染まる頃、白鳥温泉に到着。
 着いてよかった・・・。

 温泉で今日の疲れを落としたら、明日は一番までお礼参りだ。
 ちなみにお赤飯は夕食の時においしくいただきました。
 それにしても疲れた・・・。


結願まであと一歩

2007年05月07日 08時21分03秒 | 2005年おへんろ日記(香川編)

 2004年5月、予定通り最後のお遍路へ。

 この時にはお遍路で知り合った京都のYちゃんや、とよいちさんも結願予定だった
し(といっても日がずれたので一緒には歩いてないけど。)、北海道旭川のお遍路さ
んMさんも場所は違えどお遍路に出るということで、結願よりも一人じゃないってこと
がなんとなくうれしかった。
 それに、徳島に実家のある職場のSさんがわざわざ結願を祝いに大窪寺まで来て
くれるとのこと。
 
 そうして仕事を終えていつものようにジャンボフェリーで出発。
 予定通り高松築港に着くと送迎バスに乗って高松駅に移動し、志度へ行く普通電
車に乗る。

 朝一番から歩けるので、今日はこのまま大窪寺まで一気に結願なのだ。
 幸い天気もすごく良くって朝から気持ちよく歩ける。

 朝6時前に志度寺を出て長尾寺に向かって歩いて行く。
 途中で長尾寺奥の院である玉泉寺の前を通ると、ものすごく藤がきれいに咲いて
いたのでちょこっと寄ってお参り。

    

 7キロ先の長尾寺に7時半頃に着いてお参りしていると、2人連れのお遍路さんが
声をかけてきた。おじさん達も今日結願らしく、二人で車道のほうを歩いていくそう
だ。
 やっぱりゴールデンウィークだから歩き遍路も多いのかなあ?

                       

 で、長尾寺を出てすぐのところに「入谷製麺所」(今はもうやっていない。)があって
こんな朝早くでも開いていたのでこれ幸いと飛び込んでさるぶっかけを注文。
 今回も朝からさぬきうどんが食べられてうれしいな♪
 時間もあまり取らないしセルフだから一人でも入りやすいし。

 お腹がいっぱいになったところで再出発。
 最初から女体山越えの予定だったので、前山お遍路交流サロンに寄るかどうか
迷ったけど、でもせっかくだしちょっと遠回りでも寄ることにした。

 9時過ぎには前山お遍路交流サロンに到着。
 いろいろと展示物があってゆっくり見たい気もしたけど、まずは休憩と思ってリュッ
クを置いて一休みさせてもらっていたら、

 「歩きのお遍路さんですか? こっちに来て名前を書いてください。」

 と言われるまま書いたら、「四国八十八ヶ所遍路大使任命書」をいただいた。
 文面はすでに全て歩き終わった人に対する任命書になってるので、ここで大窪寺
まで行かなかったらウソになっちゃうなあ・・・なんて思いつつ、曲がらないように
リュックに納める。

 ちょっと道の駅にも寄ってみたかったけど、Sさんとお昼過ぎに待ち合わせになって
いたので先を急がなければならない。ま、今寄っても何も買えないしね。

                       

 ここから女体山までは来栖神社経由の道を選んでいったら途中までは民家の間
を行くような感じだったものの、さすがに太郎兵衛館への合流地点あたりまではかな
り登りがきつくって、寄る気にもならなかった。っていうか太郎兵衛館ってなんだろ?

 途中車道と山道とを行き来しつつ女体山頂上を目指す。
 去年の台風のせいで通れないところもあるのではと心配していたが、あるウォーキ
ングイベントが近々開催されるため整備されたばかりとのことで問題なかった。

 それにしても最後の登りのすごいこと!

              

 これってロッククライミングじゃん!?お杖持ってると怖いなあ~と思いつつ、両手
を使って登っていった。

 ぜえぜえいいながらも登り終えるとなぜか鉄柵が。
 「?」と思いつつも登った跡があったので無理矢理鉄柵を越えるとそこが頂上だっ
た。(実は柵に沿って歩けば普通に登れるところがあったんだ。)
 天気はいいし,絶景だ~!とうとう来たんだ~!

         

  今日歩いてきた道のりを感慨深く見下ろす。

     そしてもちろん記念写真を得意のセルフで。(笑)

   あとで結願したとよいちさんの絵には    
   この日と同じ手ぬぐいがちゃんと描かれていた。

   ここを下ればもう結願の寺。
   知らないうちに浮かれていたのか,大窪寺に続くと思っていた階段を下ると
車道が出てきた。
 「あり?鳥居がある。そして車道にはなにも道しるべがない・・・。
  もしや間違えた?

 そう,最後の最後に道を間違えたのだった。あほ。
 来た道を戻ればいいんだけど,でも登りなんだもん!一か八か,左へ行って
みよう。
 そうしておそるおそる進んでいくと,幸いへんろ道と合流。ホッ。

 最後まで気を抜いたらアカンです。はい。