チョラパスを後にしてタグナクへ下山開始。(8時55分)
チョラパスのゴーキョ側の上部はかなりの急登であるとは聞いていたが、このとおり。
ルート表示もないのでここもガイドがいなければ危険だろう。特に下りはどっちに行けばいいのか分かって
ないと迷いやすいし、なんせ落石場所が下山路になっているようなところだし。
時おり凍っている場所があるものの日陰になって分かりにくかったりするので慎重に降りる。
しばらく降りてから上を見上げたらこんな感じ。
うわあ。ゴーキョ側からは登りたくないな・・・。
そうして下り切ったところでやっと休憩。
左手がチョラパス、その右手に思いっきり落石しまくってるようなガレ場があり、休憩しているここも
あきらかにヤバそうな・・・。
さて、下り切ってもしばらくは岩場を行く。
最大の難所チョラパスを超えたら後は下りだと思って気を抜いていたら、岩場を抜けた後の光景に目
が点になった。
え、なんですか?まだ登りあるの?!うそ~!! それも二段になってるよ・・・。
うわ・・・めっちゃテンション下がるわあ。なんせ難所は終わって危険なところではないためチェリンじい
もマチンドラじいも先に行っちゃうし。ここ、マジで辛かったです。見えてるって長く感じるよね。
大して登ってないようで、登ってるんだって!まさかの展開だわあ。グダグダになりながらも登らなきゃ
着かないから登ります。そうしてやっと、どこだか知らないけどチョラパスの向かい側の丘に着きました。
ほら、チョラパスと高さあんまり変わらないんじゃないの?グハア。
そして丘を越えた先には・・・。
広大な大地が・・・。はい、ロッジは見えません。そうですか、タグナクはまだまだ先ですか。
私はチョラパス超えたあたりで「もしかしたら今日ゴーキョまで行けるんじゃないの?」とか思ってたけど、
もうこの時点でタグナクまでしか行けないなと悟った。
とにかく足を進めるしかない。幸い下りだから息は切れないが、長い。全然ロッジは見えない。
いい加減飽きてきたころ、ロッジの屋根が見えてきた。タグナクだ。
やっと着く~!うれしいよう。
そうしてタグナクには11時20分着。下りも2時間30分かかった。時間的にはゴーキョに行けないこと
もないだろうけど、もう歩きたくない。
いくつかあるロッジの中から選んだのは「CHOLA PASS RESORT」である。
このロッジはチェリンじい達も初めてだったらしいが、きれいだし、感じもいいし、最高のロッジだった。
ダイニングもきれいにしてあって、夜は窓際のベンチでもストーブが入れば温かいを通り越して暑いほど。
というのも二重窓になっているからのようだ。ライトも明るくって、ほんとにいい宿。
ランチは焼きめしにする。
しっとりしていてとってもおいしかった。コーラも頼んでみんなで乾杯する。
チェリンじいもかわいらしいアルバイトの従業員達とニコニコ顔で話しているが、風邪を引いたらしく
咳も止まらずしんどそうだ。ターメリックと塩を入れたお湯を飲んで治そうとしていた。
昼食後は疲れたので部屋に休むことにしたら入って驚いた。
後にも先にも部屋の壁が塗られていたのはこのロッジだけだったと思う。本当にきれいにしてる。
トイレも部屋のすぐ横にあって便利だったし。健脚のトレッカー達はタグナクでは泊まらないでゴーキョ
まで行ってしまうらしく混んでないしね。もったいない。本当によい宿で、トレッキング中のトップ3に入
るでしょう。リゾートの名にふさわしい。
ちなみにバッテリーチャージ料金は、なんと1時間350ルピー(約400円)!!マハンゴ!
日本から乾電池と充電器持ってきて良かったわ。
ここはWiFiもあると書いてあったので、わざわざ遠くからここまでネットしにトレッカーが来てたりも。
夜にはこれまで抜きつ抜かれつしていたチェコのカップルと話す。二人はゴーキョまで行くつもりだった
けど、チョラパス超えた後の下りでやる気をなくしたとのこと。分かる~。まあ、2人はポーターなしで
歩いてるから、私とは比べものにならないけどね。
夜は胃の調子が良かったのでトマトチーズスパゲッティをがんばって食べたが1/3ほどは残ってしまった。
明日はゴーキョまで2時間の行程だから気が楽だ。
なので朝食も遅めの7時30分にする。今日はよく頑張りました。
トレッキング12日目。前日のお昼寝が過ぎたのかあまりよく眠れず4時10分に起きる。
エネルギー補給にスニッカーズを1本食べてから、ダイニングでマッシュルームヌードルスープとホット
チョコレートをいただいて5時40分ゾンラ出発!
チェリンじい、「今日はチョラパス越えなのでがんばりましょう!これはお客さんからもらったTシャツ
です」と見せてくれたのは東北応援Tシャツだった。いいね! でも寒いからジャケット着て分からなく
なっちゃうけど。(笑)
キンキンに冷えた空気の中、少しだけ登ってからまずはなだらかな盆地を進んでいく。
ここは山々の日陰になって本当に寒い。もくもくとチョラパスの取り付きまで歩くこと1時間。
取り付きまで来ると日も当たり、登りになるので汗をかきつつはあはあ言いながら少しずつ登っていく。
周りのトレッカーも朝からキツイ登りにかかってしんどそうだ。
みんなが途中で休憩しているところもチェリンじいは例のとおりすっ飛ばしての「ビスターリ登り」。
休ませてくれい!
そうして前方を見るも、いったいどこから登るのか見当もつかない感じ。そうして岩壁にぶち当たった。
最初どこを登るのか分からなかったんだけど、右の斜面を登るとのこと。一番奥まで行って確かに
ルートであることが分かった。これは今までの中で初めて山登りの部類に入りそうだ。
ね?
大きな岩の間をよじ登る。たまに凍ってたりするので慎重に。後ろからトレッカーが上がってくるので
休憩できないよ~。ひ~っ! しんどい。
そうして取り付きから1時間ちょっとで岩場のてっぺんに着いた。振り返るとこの景色。ラムロ!
他のガイドを伴わないトレッカーがチェリンじいに聞く。
「ここがチョラパス?」「いいえ、もっと先ですよ。」
ガクッという音が聴こえそうだった。(笑) ゾンラから3時間ちょっとらしいのでさすがにまだ早い。
10分ほど休憩する。ここから先はガイドか先行者がいなければ正直ルートは分からないと思う。
そう、本当に氷河の中を行くのです。ここは峠に近いから土砂に覆われてない白い氷河なのだ。
で、アイゼンはあったら便利、程度にしか言われてなかったので持っていかなかったのだが、朝早かっ
たこともあってか氷の表面が霜柱のようにささくれてたのでアイゼンは不要だった。良かった。
でも午後とかは溶けてしまって滑りやすくなるんじゃないかなあ?だからゴーキョ方面から来る場合は
下りになるし気を付けないといけないかも。
最初のほうは岩に矢印のあるところもあったけど、後は氷に覆われていてルートは分からず。チェリン
じいに付いていく。不安定な場所ではマチンドラじいが手を貸してくれた。
ちなみにマチンドラじいはスニーカーだ・・・。草履じゃないだけマシだろうけど。
そして氷河は谷間にあるのでここも落石があったら大変なところだ。両側に目を光らせて、けっこうな
斜面をチョラパスまでひたすら登っていく。真っ白な世界。
チョラパスが見えてきて断然元気になるも、その手前に窪みがあり、そこの下りはカチンコチンに凍っ
ていたのでチェリンじいに指示された通り足を置いていき後ろ向きに下りてなんとか通過した。
そうしてチョラパスに到着です!(8時38分)
やはりゾンラから3時間でした。チョラパスから来た道を見下ろす。
さすがにここではちょっとジーンとしてしまった。チョラパス越えたんだなあって・・・。
いや、ものすごい技術とかは別にいらないんだけどね、なんせこれまでですでに疲労困憊だから、予定
どおりチョラパス越えできるかどうかも心配だったからさ。
着いたらさっそく持って来たルンタを張る。
チェリンじいが「タンボチェでもらったカタも奉納したらいいですよ。」というので、ルンタと一緒に願いを
込めて結びつけた。
さあ、ここからは激下りが待ってるぞ。
みねりんさんに神戸なら大衆居酒屋やディープな場所をいくらでも案内しまっせ♪と豪語したものの、
考えてみるとどんなお店がディープなんだろ?
単におじさま達がお昼からお酒を飲んでいる大衆居酒屋ならいくらでもあるけど、ただの大衆居酒屋
ではなく、プラスαがなければならないような・・・。
っていうか、関東から来るなら関西の昼間からビール飲めるような場所はすでにディープかもしれない
が・・・。(笑)
私の好きな水道筋商店街には「一色屋」や「正宗屋」などの大衆居酒屋があるけれど、私はあんまり
入ったことないかも。たいてい「串カツふなこし」とか「通い船」とかに行っちゃうし。おもしろいところでは
スタンドバー「モンク」とか、「串カツまさみ」とかかな?「まさみ」はなかなか1人では入れないだろう。
三ノ宮・元町界隈なら「センタープラザ」とかもおもしろいかも。
おもしろさを通り越して怖いのは「モトコー」か。(笑)
新開地に行けばもっとディープなお店があるだろうけど、案内できる自信がない・・・。
みんなで行けば怖くないかなあ?
今週末はみねりんさんが関西へ出張とのことで伊吹山に一緒に登ることになっていたのだが、予報が
目まぐるしく変わって雨予報になってしまったため、山登りは中止に・・・。
しょうがないので夜光虫さんと3人で京都観光することにして、向かったのはここ。
伏見稲荷です。いくつかお勧めした中で千本鳥居が見てみたいとのことで、私はお山めぐりをしたこと
がなかったのでお山めぐりしてきました。まさかあんな上まで茶屋があるとは!そしてどこまでも鳥居
がありました。さすがお稲荷さんの総本山。
それにしても雨が降らないです・・・。これって伊吹山登れたんじゃ?いやいや、きっと向こうは降ってる
に違いない・・、とみねりんさん。(笑) この日は結局青空まで見られた。天気予報は何だったんだ?
そんなことをつぶやきつつ、お昼は「吉田類の酒場放浪記」にも出てくる新京極にある「スタンド」へ。
って、私BS見れないんで、そもそも吉田類を知らないんですが、その名前はほかの友人からも聞いて
いて、いったいどういう番組なんだろと思ってたのよね。で、入ってみて分かった。
これ、お昼です。(笑) はい、大衆酒場なんですね。京都のど真ん中にこんな大衆酒場があるとは意外
でした。大阪や神戸の下町にはいくらでもありそうだけど。
昭和ひとけた創業のようで、伝票独特すぎて読み取れないです。
それにお昼の定食をどうやって頼んだらよいかメニューを見ても分からず、かなり一見さんオーラを出
してしまいましたが、次回はスマートに「生中セット1つ。」と頼んでみたいと思います。(笑)
みねりんさんのお店の好みが分かったので、今度は神戸に遊びに来てもらったら六甲山を半縦走して
灘温泉で汗を流したら、水道筋のディープなお店をご案内しますよ。
で、「スタンド」でまったりしそうになったけど何とか2時過ぎにお店を出たら、清水坂まで移動して私の
好きなおかべ家の「京野彩」を購入がてら三寧坂から八坂神社を経て三条まで歩き、夕方にはふーた
君パパお勧めの「たいげん」でおいしい日本酒とアテをいただきました。
山には登れませんでしたが、久しぶりに京都観光して、ディープな体験出来たしよかったです。
その夜は京都市内のゲストハウスに泊まり、日曜日の朝にふーた君パパと待ち合わせて芦生自然学校
主催のマザーツリープロジェクトに参加しました。
日曜日はあいにくの雨で、最初から最後まで雨具のまま。
秋はナラ枯れ対策のラップ巻きはせず、どんぐり拾いが主なのだそう。てっきりドロドロになるもんだと
思ってた。
雨の中みんなで探すも今年は不作らしくなかなかどんぐりが見つかりません。
渡渉もあり。やっぱり芦生は長靴でないとな。
で、どんぐり拾いの合間に上谷の中にあるウツロ谷の中を見学させてもらうことに。
ウツロ谷は数年前から尾根をネットで囲んで一定範囲に鹿が侵入できないようにし、鹿の食害を調査
するプロジェクトを行っているのだが、久しぶりに入ったら明確に違いが分かるようになっていた。
左側が谷の外側で、右側がウツロ谷。
左側は下草がほとんどなく、あってもそれは鹿も食べない毒草ばかりなのに対し、右側にはたくさんの
種類の草が生えていた。谷の中に入るとこのとおり!
視界がすべて草で覆われている。今の芦生でこんなに植物が見られるのはここだけだろう。
昔はたくさん生えていたと思われる草はすべて鹿が食べてしまったということが分かる。
下草が生えているのでこの谷には倒木が少ないようだ。
鹿の食害に加えてナラ枯れによりミズナラやコナラが枯れ、芦生の森も危機的状況になっている。
今回10名で拾ったどんぐりはわずかこれだけ。ひでさんがその少ないどんぐりから「これは腐ってる。
(ポイッ)、これはコナラ(ポイッ)。」とドンドン選り分けていく。(涙) 50個くらいしかまともなミズナラの
どんぐりはないそうで、それを育てて1mほどまで育ったら植樹する予定。そのくらい育てないと鹿が
食べてしまうので。
来年の春は昔巻いたラップの補修やどんぐりの苗の植樹もあるのでより多くの人に参加してもらえたら
と思います!
トレッキング11日目。5時30分起床。相変わらずロブチェはめっちゃ寒い。手袋して仕度するほど。
チャパティ&ハニー、マカロニスープ、ホットレモンの朝食を食べて、7時38分ロッジ発。
ロブチェからいよいよチョラパス越えを目指してゾンラへ。
目指すゾンラは4830m、ロブチェは4910m。時間的にも3時間ほどと聞いているので今日は楽ちん
なはず。
来た道を下っていく。途中右に進路を取ると、ゾンラへ。チョラパス越えする人は比較的少ないので
歩いている人に全然会わないな。
そして広い河原のようなところに出ると、右手にテントが。
あれはロブチェピークに登る人用のベースキャンプらしい。常設らしく、キッチンテントやトイレテント
などに分かれているみたいだ。かなりさびしいベースキャンプだな。
どうやら川っぽいところはすっかり凍っていた。その向こうに見える斜面を登っていく。今日のルート
での登りはここともう2カ所程度だった。
少しの登りの後はちょっと狭いけど、とんでもなく展望のよいルート。
人も少なく、アマダブラムやタムセルクなど見渡すことができる。すばらしい!
来た道の対岸となるので、トゥクラのロッジから延びる長い登りがくっきり見える。あそこはしんどかっ
たなあ。
そして斜面に沿って右に曲がると、左手にはアラカムツェ(6423m)が上から下までの大岸壁でそびえ
立ち、すごい迫力!!本当に格好いい。このロブチェからゾンラまでのルートはお勧め。
大絶景を堪能しながらゆっくりと進み、多少の上り下りを経てゾンラに着いたのは10時過ぎだった。
アラカムツェを目の前に拝める絶好の場所にロッジはあった。まるでスイスと言っても分からないほど
のロケーションである。今もロッジは2軒ほどしかないためチョラパス越えをするトレッカーでいっぱい
になるが、前はロッジがかなりひどいレベルだったらしい。チェリンじいもどちらがよいか迷った末、奥
のロッジを選択。時間が早かったので部屋もすぐもらうことができた。
ロブチェからはゆっくり歩いても2時間半のショートトレッキング。癒されたなあ。
とりあえずミルクコーヒーを2杯飲んで、濡れた衣類を外の石垣に干したら、時間も早いので近くを
お散歩する。
本当に素晴らしい場所だ。久しぶりに外でまったりする。チェリンじいとマチンドラじいは寒いけど日が
高いうちに水で足を洗っている。
私はというと景色のよいところで何枚もセルフポートレート撮影。(笑)それだけこの日は余裕が持てた。
帰り道にはストーブの燃料として燃やすためのヤクやゾッキョの落とし物があちこち干してあった。
気前のよいロッジは何度もこれをストーブに足して燃やしてくれるのだが、今日のロッジはどうだろう?
ロッジに戻ったら今日のお昼はフライドポテトを注文。
今日はけっこう食べられた。このあと特にすることもないので、日当たりのよいベンチ型の椅子に
寝転がって本を読んだりうたた寝したりして過ごす。2時半を過ぎたあたりで目を覚ますとダイニング
はいつの間にか超満員になっていた。今夜も欧米人ばっかりだ。そして本当に欧米人はよく食べる。
私はうらやましくて仕方なかった。ここまで来て隣のイギリス人グループは「ダルバートが一番経済的
でお腹いっぱいになるわよね。」などと話している。私にはダルバートを今食べる気力はないよ・・・。
明日はゾンラからチョラ・パスを超えてタグナクまで歩く。タグナクで泊まれないと困るので5時半に
出発することになった。
今回のメインイベントの一つでもあり、ドキドキだ。果たしてどんな峠なのか。雪があるらしいがアイゼ
ンがなくても大丈夫なのか、心配でもあり楽しみでもある。