さて,芋天屋でおじさんと話をしていたら,私が神戸からだと分かったからか
ふいにこう言ったのでした。
「今から○○大の教授が来るんだよ。」
○○大の教授? もしや・・・。
「何しに来るんですか?」
「へんろ小屋をなあ,立てよういう話になって,説明に来るんだよ。」
そんなんU先生しかおらんやろーっ!?(笑)
で,でもっ,U先生と同行予定のYさんからは高知に行くとは言ってたけど西の方の
はずで、それがなんで南国市?!おかしいだろう~!!
ちゅーことで、確認のためYさんに電話してみると・・・・
「おー、みいちゃん!」
「Yさん、今芋天屋のおじさんにかくかくしかじかで南国市にいるんですけど、Yさん
達もこっちに来るんですか? 聞いてない~!」
「今南国のインター降りたとこ。」
え~!?もう信じられんわ!こんなことってあるんだろうか?
「・・・芋天屋さんで待ってますから。」
ということで、待つこと15分ほどで来ました。YさんにU先生、寺マニアFさんにT田
さんの4人と今回のへんろ小屋のお話を考えられているお先達さんです。
まるで私がストーカーしたみたいに言われましたが、私のところにみんなが来ただ
けだもんねっ。
で、みなさんはお仕事なんで、これから地元の人と打ち合わせに行くとのこと。
私はバスで帰っても良かったのですが、結局一緒に乗せて帰ってもらうことに。
またまた芋天屋さんでおじさん達と(いつの間にか3人に増えてる。)お話してい
たら、
「で、なんであんたは杖持ってないん?」
と言われて思い出した~!!お杖~!!
先生達と帰るということは高知駅に寄らない=杖はどうするっ!?
ぎゃーっ!と高知駅に電話したら、ちゃんとお杖は預かってくれていた。(ほっ)
12月末に必ず取りに行くので、申し訳ないけれども預かっておいてくれませんか?
と懇願するとしぶしぶ了承してくれました。
よかった~!
その後、打ち合わせが終わったU先生達と再度合流し、芋天屋のおじさんちでも
さらに打ち合わせをしたのでした。まさか今日会った芋天屋のおじさんちにまで上が
りこむことになろうとは・・・。
それからみんなで車に乗り合い高知を後にしたのでした。
まったくほんとに信じられない出来事!
「運命」ではないと思うけど!「ご縁」ではありますね。うん。

実はこうして歩いている間もちょこちょこと補修テープで遍路シールのカバーをして
いたんだけど、意外と数が多いので昨日はさみで切ってきたシールが少なくなってき
た。
はさみは宿で借りたので持ってないし、ちょうど黒潮ホテル手前に大きなダイソー
があったので、折りたたみはさみを購入。よく切れるしいいぞお!

前回泊まった懐かしい黒潮ホテルを横目に先に進む。相変わらず小雨が降ってい
る。
そんな中大日寺に到着。シンプルなお寺。でも、寺務所は改築中。
雨の中でろうそくに火をつけて線香に火を灯し、本堂の軒下で読経する。

本堂でのお参りを終えて大師堂に行くためリュックを持とうとしたら、そこには大き
なかまきりが。

現在2時30分過ぎ。ここから後免駅まで約6キロ。
このままいけば4時前には後免駅に行けるし、へんろ石まんじゅうも寄れるな。

とよこしまなことを思ったのが悪かったのか?(笑)
お寺を出て10分も経たないうちに傘はまったく役に立たないくらいの風雨に!
ぎゃー!!!私が何したってーの!?

寒いのでポンチョの中に両腕を入れて、風でまくれ上がるポンチョを必死で内側
から広げながら必死で歩く。
小学生もこの台風並みの風雨の中必死で歩いている。
最後の最後にこれかよ~!と嘆きつつ必死で歩いたものの、これは治まりそうも
ないとあきらめて、後免駅手前の土佐長岡駅で打ち留めることに。
よくよくへんろ石まんじゅうと縁がないんだわ・・・。

そうしてへんろ道から駅の方に抜ける車道に目を向けると、「芋天」の看板が。
あら?これって夜光虫さんが言っていたお店じゃないかしら?
へんろ道から逸れるって言ってたし。でも思ったより近いんだ。
せっかくだから寄って行って夕飯代わりに芋天買おうっと。

目的はへんろ石饅頭から芋天に早や変わり~。(笑)

芋天屋の横には果物屋もあったので、芋天を買ったらみかんも買って帰ろうかな
あ?なんて思いながら芋天屋の軒下に立つと、おじさんが中に入れと手招きするの
で甘えて入ることに。
するとおじさん、芋天をお接待してくれた!わーいありがとう!!

「歩きの遍路さんは増えたけど、なかなかこっちには寄らんわ。」とのこと。
たった数十メートルでも道を逸れる=遠回りということになるから、寄り道は余裕が
ないと出来ないんだよねえ。私は余裕があったわけじゃないけど。(笑)
いやー、雨が降ったのも縁だったのかなあ。

さて,寄り道をしている場合ではないのだけど,お次は絵金の屏風絵で有名な赤岡
町を通る。すると商店街の軒先にはお揃いの絵金の手ぬぐいのれんがかかってい
て,手ぬぐいコレクターとしては1本欲しいな~。
そんな中で目に入ったのは「絵金蔵」ののぼり。
どうやら絵金の美術館ができたらしいので寄ってみることに。
なかなか立派な構えだ。
中に入ってみると、カフェが併設されていた。コーヒー飲みたいなあ。
入場料を払うと、受付の女性が「この提灯を持って入ってください。」と、柄のとこ
ろにボタンが付いた提灯を渡してくれた。ボタンを押すとほのかな明かりが付くので、
それを持って隣の暗い部屋に入る。
中に入るとおどろおどろしい音とともに、いくつかの絵金の屏風絵が飾られている
ので、それを提灯で照らしながら見るというおもしろい展示方法なのだった。
私は絵金の絵は地獄絵だとすっかり思い込んでいたんだけど、全然違って歌舞伎
の場面を主に描いているのだった。
でも怖い場面が多いんだけど。
実は展示されているのは複製で、次の部屋に行くと本物を壁の穴から覗けるよう
になっている。これも変わってる~。
絵金蔵のHPは → こちら。
絵金の世界を堪能した後はみやげ物を物色。
軒先にかかっていたのとは違うけど、絵金手拭いがあったのでまよわず購入。
赤岡の商店街の人達が手作りでやっているという感じの美術館でした。
は~、今日は急がないとはいえあまりにも寄り道しすぎかも。
行きたかった1と1/2ビュー店にも寄れたし、雨は降ってないしラッキー!、と
思っていたら、お会計をして外に出ると雨が降っていた。がくっ。
ま、天気予報では雨のち曇りだったもんね、しょうがないわねえ。
でもあんまりきつくないし、菅笠をリュックカバー代わりにして傘をさして歩くことに。
するとサイクリングロードに突然現れたマーク。
ぶ、ぶた?
なんでぶた? 分からんなあ?と思って写真を撮りながら、そういえば前も
こんなこと思った気がする~!と思い出した。確かこの先、他にもいろんな動物が
出てきたような・・と思っていたら、ライオンにゾウなど出る出る~。
意外にもよく覚えてるもんだなあ
それにしてもりっさちゃんに勧められていた手結山の峠にあるおもちだかまん
じゅうだかのお店はこの辺りのはず。
しかし車道は登り、サイクリングロードは下るのだった。
前回もそんなお店気が付かなかったから、やっぱりこの車道沿いなのかしら?
結局そのお店は見つからなかったのでした。残念!
そしてそして夜須に到着。
夜須は3度目なので勝手知ったるなんとやらでスタスタと産直市場に入り芋天を
購入。お昼代わりにいただく。
そして、前に来た時に買ったお遍路さんで花札をパロったシールを再び購入。
おへんろで知り合った人にお手紙書いたりする時に貼ったりしているのだ。
なかなかセンスいいと思うんよ。
で、ここ夜須は道の駅なのでお店を冷やかしていると、露地ものの文旦が。
うお~、おいしいんかなあ?
みかん大好きなので買いたかったけど、さすがに半端な重さじゃないので断念。
お手洗いを借りてまたまたサイクリングロードに戻るが、どうせもうすぐ終わりだし
道はつまらないし、ということで車道を越えて反対側の道に入った。
静かだし旧道の雰囲気のするいい道だった。
本当はこっちが昔はへんろ道だったんじゃないかな?
そうしてしばらく歩くと元の車道に合流し、すぐに右に入る。
この先に香我美の遍路小屋がありますよ!という標識がわざわざその分岐に立っ
ていた。おおっ!とよいちさんが昨年の遍路シンポジウムのポスターに書いた例の
小屋ととうとうご対面~!
雨の中進んでいくと、左手の奥まった敷地にありました!
実際に見てみるとかなり大胆なデザインです。思っていたよりずっと屋根が傾いて
いて、かっこいい~。
雨も降っていたのでやっぱり屋根付きの遍路小屋は助かるなあ。
ここは珍しく1泊なら泊まってもいい小屋のよう。最近は野宿へんろさんの素行が
悪いらしく、たくさんの場所が宿泊禁止になっていく中で珍しい。
特に住宅地なんて、立てた人は良くても隣近所が許さないみたいだし。
泊まるお遍路さんは立ててくださった人に配慮して泊まるようにしないといけない
ですね。
ああ、しかし、意外と大日寺は遠い。まだ5キロもあるんだなあ。
さて、海岸沿いからまたまたサイクリングロードに戻って歩いていると、前回も見た
河童君が相変わらず川岸にいました。元気でいたのね、河童君。
遊歩道が整備されていて、河童君の近くまで来れる様になっている。
よかったね、河童君。
そうして西分の駅が近くなってきたところで、ふと線路を見上げると不思議な標識が。
「西分駅 停車?」
なんで「?」マークが付いてんだろう?
ってなことを考えながらテクテク歩いていくと、来ました来ました~!!
「1と1/2ビュー」だっ!
わはは~!本当に突き出てる~!!
そして目を凝らすとライトも付いてるみたいだし、開いてるんじゃないかしら?
期待に胸を膨らませながら入り口まで歩いていくと、やった~、開いてた!
行く前はへんろ姿じゃ恥ずかしいなあと思ってたんだけど、夜光虫さんもそのまま
入ったということだったので、ならいっかって私もそのまま入る。(笑)
おしゃれ~な店内にへんろ姿にリュックの女。浮いてる~。
でも、幸い時間が10時台と早いので、お客さんはあまりいなかった。
通常は定休日だからかもしれないけど。
禁煙席である二階に上がり、雑貨のスペースを抜けて一番先にあるカウンター
席へ。
ちょっと高めのランチもありましたがさすがにちょっと早いので、シフォンケーキ
セットを注文しました。(10時にケーキもないだろう、の突っ込みはいりませんよ。)
そうしてコーヒーとケーキを食べながら
海岸線の向こうに見える岬を眺めるのでした。
コーヒーが普通よりたっぷりで、うれしかったです。
は~、今日はついてるわあ~。
次の日は6時30分に朝食をいただき、7時に出発。
テクテクと球場前まで歩いていく。すると若者が一人立っていた。
ガソリンスタンドの誘導みたいに旗を持っている。
よく見ると道のガードレール沿いには「カシオワールドオープン!」という幟が立って
いるのだった。
なんだろ、カシオワールドって? 「カシオ」の巨大店舗が開店したのか?
んなもんに誘導しなきゃならんほどたくさん人が来るとは思えないけど。(笑)
とか思いつつ、安芸のサイクリングロードに入る手前の港横を通ると、なんと港
までがカシオワールドのための臨時駐車場になっているではないかい!?なんで?
???となりつつ、サイクリングロードを歩く。
前は足が痛くて痛くて辛かった道も、今日はまだ2日目なので足は痛くないし
朝一番だから気分もよいぞ。
そうしてどんどん歩いていき、赤野の休憩所が前に見え出すと、その背景には
長い海岸線が。
赤野の休憩所はサイクリングロードから少し上がらないといけないので、前は
寄らなかったと思うけど、今回は上がってみた。
海を見渡せるベンチにトイレも併設されているのでなかなかいいです。
大きな赤い下駄に傘の形の屋根が付いた、童謡の歌碑がかわいいな。
休憩後さらにサイクリングロードを進むと、途中で普通の道に降りるようにへんろ
シールが貼られていた。まだ剥げてはいないけど、色が落ちる前に補修補修。
修復シールの幅が4センチと少し狭いので、へんろシール
を完全にはカバーできないんだけど、雨よけと考えれば上部と矢印部分がカバー
出来ればいいのかなと。
貼った後の効果は確認できないけど、個人的に満足~。
で、矢印に従って下道に降りていったのだが、ここがどーもよく分からない。
旧道っぽいのでこのまま進んだらいいのかもしれないが、地図を見ると郵便局の
手前を左に入ってるので進んでみると結局サイクリングロードに戻ってしまった。
あの矢印、合ってんだろうか・・・。 いらんもん修復しちゃった?(笑)
そしてサイクリングロード沿いに個人の方が設置したと思われる休憩所が。
さっき休憩したばかりだったので中を覗くだけにしたのだけど、なかなか大規模。
人形や絵が貼ってあって、お茶やおかしもお接待されていた。
さて、左手には琴引浜が見える。
今回はちょっと浜辺を歩いてみたいなと思い、浜に向かってみた。
一見砂浜に見えるそれは、実際は石の浜でした。
そして波打ち際まではけっこう距離があって、なかなかたどり着かない~!
波打ち際まで行けば、水に濡れると砂は固くなるので歩きやすいはず、と思った
のだけど、石の浜は変わらないのだった・・・。
結局すごすごとサイクリングロードに戻るしかなかった。かなしい・・・。
そして琴引浜の手前にある松原あたりまで来たところでまたまた「カシオワールド
オープン」の臨時駐車場が。それも大型バスが何台も停まっている。なんなの?
と、やっとここではたと思いついた。
「カシオワールド オープン」ではなくて、「カシオ ワールドオープン」ってことか?
もしかしてゴルフ? でも、こんな海の近くにゴルフ場ってか?
謎だ・・・。
さて、松原を過ぎてしばらく海沿いを歩いていると、おばあちゃんがイスに座って
海を見ていた。その先には漁師さんたちが何やら網を引いている。
「もしかして、あれは地引網ですか?」とおばあちゃんに聞くと、
「そうだよ。でも、もうこの時期はたいして捕れんよ。
観光網だから、捕れん時のために魚を買って来とるよ。」
え~!! なんですと~!
それではまるで関西の潮干狩りと一緒ではないですかい!
私は田舎の海育ちなので、関西に来た時に、潮干狩りするのにお金が取られたり
することにもびっくりしたが、朝、浜にあさりを撒いているって話にもめちゃびっくり
したもんだ・・・。
地引網を引く事が楽しいんであって、たとえ大物が捕れなくても別にいいんじゃな
いの?と思うんだけど、どうなんでしょうねえ?
お昼を食べて道の駅を出ると、すぐ左の路地を入るとまっすぐな防波堤歩道だ。
車は通らないし道にも迷いようがないので楽ちんだ。
防波堤を左に55号線を右に見ながら歩いて行く。
すると磯辺に黒い鳥が二羽いたのでなんとなく見ていたのだが、一匹は普通に
立ってるのにもう一匹が羽を大きく開いたままでずーーーーっと立ってるのだ。
こんな感じ。(笑)↓
たまに気になってちらちらと見てみるのだが、ずーーーーっとこのまんま。(笑)
なんなんでしょうね? この子はもう一匹にアピールしてるんでしょうか?
でもバタバタッともしないんだな。そして残る一匹は完全に彼のことを無視して
ました!あはははは~!!
動くまで見ていたかったですが先を急ぐのでやめました。
2キロほど歩いていくと、防波堤の途中で道しるべの看板が。
この看板なかったら、このまま防波堤進んでたな。助かります。
知らないうちに伊尾木の駅も過ぎてたし。危ない危ない。
そうしてまた55号線に戻るとあとは残る2キロだ。3時前には着いてしまうけど、
今日は出来れば宿に着いたら電車に乗って西分駅まで行き、例の喫茶店に行き
たいなと思ってるのだ。
安芸の町まではすぐだった。橋を渡って宿まであと10分!というところで、へんろ
中で初めての宗教勧誘に遭ってしまった。
最初声をかけられた時はよく分からなかったんだけど、
「あなたの姿を見た時に、これは!と思ったの。」
といって、いきなり日蓮宗の本を取り出したのでそこでやっと状況が飲み込めた。
もうすぐ南海地震が起きて大被害が!中国からミサイルが!と言い出した。
うーんこれはいかん、と思って、
「歩いてるので本は重いからいりません。本の名前は覚えておきますので。」
といってやんわりお断りしたのだが、その後もおばさんは放してくれない。
「歩きへんろはよく分からないけどバスと違ってお金がないから歩いてるんでしょ?
お寺にお金も払わないといけないなんてね。」(納経代のことらしい。)
なんて、創価学会なら金がかからないかのようにまだまだ勧誘してくるので
いいかげんイラッとして、
「歩きが一番お金がかかるんです!
時間のこともありますのでこれで失礼します!」
といって振り払ったのだった。は~、どうやったらあそこまで強く勧誘できるんだろ?
信じちゃってるんだろうなあ? でも、創価学会ってお金かからないの?
そんなことないよねえ。
ああ、時間のロスが~!!
今日の宿「清月旅館」へ急ぐ。新しそうだと思っていたけど、もっと新しい旅館だった。
でもなかなか呼び鈴を押しても出てこない。なんで~?
しょうがないので玄関から携帯で電話をかけてみると、宿の電話が鳴り、どたどた
と音がしたのでここですいませ~ん!と呼ぶとやっとおじいちゃんが出てきた。
結局3時前に到着。
けれども電車の時間を調べてみると電車は1時間に1本くらいしかないので、次は
3時30分過ぎで、帰りの電車は17:30だ。駅から少し離れているので実質1時間
いられるかどうか・・・。
うーん、そこまでしなくても、な。それに明日は祝日だから定休日だけど特別に開
いてるかもしれないし。
ちゅーことで、安芸の町をぶらぶらと歩くことにした。
といっても前にも一度観光しているので野良時計とかは見に行かず。
そんでなぜかホームセンターでビニール補修テープを、スーパーでお菓子を買って
帰ったのだった。(それも八ツ橋。)
さあ明日はさっそくこのテープでへんろシールを補修だ!

海を向こうに見ながら下りて行き、ごめんなはり線の高架下手前を右に曲がる。
ちょっと疲れたので近くにあった公民館の階段で一休み。
すると向かいの休耕地に入ってきた軽トラのおじさんが「おへんろさん、休憩?」
と声をかけてきた。「神峯はしんどいやろ?


ない話をする。
今回は歩いている時に挨拶や声をかけてくれる人がいたのがうれしかったな。

がんばろう!って気になるんだよね。

さて、すぐ近くには唐の浜駅があるのでへんろ君に会いに行き、ついでにトイレも
借りることに。ここでお昼を知らせるサイレンが突然鳴りだしビビった。(笑)
お昼はどこで食べようか? 1時間ほどあるけば道の駅「大山」があるから、なにか
あるかな?

55号線に合流し、テクテクと歩いていく。
途中で55号線を少し逸れて左に回りこむ道があったのでそちらに行くと、まあ!
なんということでしょう!
岩屋の下に不似合いな喫茶店がはめ込まれているではないですか!(笑)

分かるかなあ?向かいは海なんですが。で、55号線沿いのお店は高台に(右)、
その横に大きな岩窟があるんです。これは本物だと思うのですが、そこにコンクリの
柱を何本も立てて、「岩屋」という喫茶店が入ってるんですよ。
岩窟の中には、新しい千手観音さんとか大黒さんとかを祭った小さなお堂があり
ました。
柱もコンクリでちょっとあんまりだなあって感じだったけど、喫茶店も岩屋に似合わ
ない喫茶店だなあ。


この道を抜けると本当に公園か?!という状態の浜千鳥公園が。
ベンチはあるけど、あとは何にもなくて、あまりにもうら寂しいのだった。

さて、道の駅「大山」は小さいながらもおでんやうどんが食べられるので、ここで
お昼にすることに。
目の前には海。少し戻れば防波堤内に作られた休憩所があったけど、わざわざ
あそこまで渡るおへんろさんはいるのだろうか・・・?

お昼は1本百円のおでんを2本と、直売していたみかんを購入。みかんはかなり
小さいのでこのくらいであれば一度に3つは食べられそうだし、今日はあと5キロ弱
なので楽勝でしょう!
ここのおでんも東北で食べたやつみたいにちび太のおでん系だったので、いろん
な種類が食べられてうれしかったな。
でも、首輪をつけた犬が、近くにちょこんと座って私からおこぼれをもらえるのを
待っていたので、ちくわを1つあげたが最後、私が食べるごとに「くれっ!!

吠えるのだった。
こういうときは無視するに限る。

てっきりここで飼っている犬なのかと思ったら、どうやらそうではないらしい。
こまった飼い主さんもいるもんだなあ。
お杖なしで田野駅を出発。
55号線をしばらく歩いていると旧道に入る。
するとやたらと製材所が多い道だった。
そういえば前もこんな道だったなあなんて思い出したりして、何年も前のことでも
意外と覚えているもんだ。
特にこの先、神峯寺への道沿いにはやたら豪華というか、ごつい日本家屋が
立ち並ぶ道だったことも覚えていたので、そのあたりに来ると懐かしいやら・・・。
屋根が二重になってたり、壁の途中に瓦が挟まれていたりと、とにかく豪華、
悪く言えばゴテゴテしてるとも言う。(笑)
しかし、重そうな家だなぁ。
地震が来たら一発でアウトな気がするけど、大丈夫なんだろうか?
でも家自体は新しいのであった。窓枠やら玄関やらはサッシだったし。
昔からの建物はむしろ少なそう。けっこう見栄っ張りな地域なのかも。(笑)
そうして神峯寺への分岐に到着。立派な遍路石があった。
前回は浜吉屋さんに泊まったので神峯寺へは宿から教えてもらった農道を通って
いき、この道は歩いていないのだけど、けっこう分かりにくいかも。
なぜなら神峯寺のある山を見てもお寺はまったく見えないのだ。
道沿いにシールもあまり貼ってなかったし、ごめん・なはり線の高架がトラ模様に
なっているところをくぐると分かっていなかったらわき道に入ってしまいそうだなあ。
そんなことを思いつつ高架下のほうに進んで行くと分岐地点に到着。
ここから3.5キロ、まっ縦と呼ばれる道に入る。前は宿に荷物を置いていったので
楽勝だったけど、今回はそういう訳にはいかないからどうだろう?お杖もないしな・・。
しかしあまり心配しなくてもよかった。道のりの前半は緩やかな登りだったから、
3.5キロずーっとしんどい目には合わなかったし。
でも、あと1.8キロのへんろ道と車道の分岐からはさすがに大変!
ここからのことを「まっ縦」と呼ぶのかも?
お寺さんが作った「徒歩道」と書かれた大きな看板に従って山道を登る、その前に
休憩。いいところにベンチがありますな。
ここからはくねくねと曲がる車道の間をそれこそ縦に突っ切って登る。
すぐにゼーゼーと息が上がる。でも、車道で区切られている分ものすごくしんどい
感じはない。
しばらく登ると見晴らしのよい林に出た。
前に梅林と書いたがあれは大間違い。桜でした。(笑)
また、ここにはすばらしい展望の遍路小屋が!
あれは金剛頂寺のあたりかなあ?
ここからまた少し登ると、お寺の駐車場があり、麓にあるドライブイン27の支店が
出来ていた。びっくり!
ここから2,3分で山門に到着。あいにく工事中だったので、帰りに山門から海を
見ることは出来なさそうだ。残念!
境内に入るとお寺には参拝客がまったくおらず、ゆっくりと名水である神峯の水で
手を洗い、鐘を突いてから長い階段を登る。1日目で良かった。(笑)
左手の本堂でお参り。四国では珍しく堂内に上がれるようになっているので、中に
入ろうかと思ったら参拝客が来てしまった。
リュックは本堂向かいのベンチに財布と納経帳も全て入れたまんま。
うーむ、上がるなら荷物を取りに戻らないといけないし・・・。
結局持ってくるの面倒さに上がるのをやめました。あ~あ。
それから大師堂へ移動して同じようにお参りする。本当はこの上にある空と海の
展望台に行きたかったんだけど200mも高低差があるのでやはり面倒でやめた。
駄目ですな・・・。
そして納経所に行き印をいただく際に手拭いがないか聞いてみたが無いとのこと。
あり~?夜光虫さん持ってなかったっけ?!
分からんなあ?
このたびバスの回数券が払い戻せなかったので、急遽夜行バスで高知に行った。
バス泊を除けば1泊2日の強行スケジュールだ。
23時44分三ノ宮発の夜行バス。久しぶりだなあ、夜行バス。
全然楽しみじゃないけど。
平日なのに意外にもバスは満席だった。
0時になると消灯したものの、やっぱり夜行バスは寝にくいなあ。
そうして高知駅には6時前に到着。
荷物を降ろし、トイレで着替えた後、前回打ち留めた田野駅までの切符を買う。
6時37分発の電車で後免駅へ。
後免駅に到着して電車を降りたところでおかしいことに気が付いた。
お杖がないっ!? うえ~!どうしよう~!!
たぶんトイレだ、トイレに違いない・・・。
とりあえず電話しなければ!
で、駅員さんに電話番号を教えてもらい電話すると、お杖を探してもらえることに
なったので、明日必ず取りに行くことを伝える。
悲しいがしょうがない。今から高知駅に戻っていては安芸まで歩くことは難しいし。
は~、なんのために持ってきたんだか・・・?
しかしこんなことは初めてだ。
手にお杖のほか何も持っていなければ違和感もあったんだろうけど、菅笠を入れ
た袋を持っていたせいかすっかり失念していたのだ。
朝一番からがっくりしつつも、お杖が見つかることを信じてごめん・なはり線に乗り
込む。
「朝日がまぶしいぜ。」(笑)
琴引浜のあたりはやっぱりきれいだなあ。うっとりしながら電車に揺られて、
8時20分頃に田野に到着。
駅に隣接する道の駅はすでに開いていたが、特に食べたいものもなかったの
で白衣と菅笠を身に着けたら出発!
あ~、やっぱり手が空くと、なんとも手持ち無沙汰な感じ。
神峯寺のまっ縦と呼ばれるへんろ道に、お大師さんいなくても大丈夫かな?
とまあ、こんな感じの間抜けなスタートとなったのでした。