GWに妻と来たLT(ライトタックル)五目船、親子釣れや我々のような初心者ペアなどを乗せてしばらくは烏帽子岩周辺の比較的浅場のポイントを探っていた。従来のガラっぱちで怖いイメージのある釣り船の船頭さんのイメージを覆し、船長は気さくな明るく面倒見のよい若者だった。老練な元船長っぽい年輩の人も乗船しており、初心者同士が危険なことにならないように目を配り、オマツリなどしているとすかさずほぐしに来てくれる。FM横浜で紹介していたように親切丁寧なサービスで、釣り船もずいぶん変わったものだと思う。景色もよいし、気温も適度、海の様子も穏やかでコンディションはかなりよいのだが、肝心の魚があまり食ってこない。船全体を見渡してもあまり上がっていない様子だった。船長は意を決したようにアタリ待ちしている客の仕掛けを揚げさせ、烏帽子岩をはるか岸側に臨むかなり沖合いのほうに船を走らせた。
「ちょっと深いけど、ここなら釣れるからねー」沖合に出て水深100mのポイントに来た時、ようやく「ぐわっ」というアタリとともに40センチ弱のサバが食いついてきた。「棚は底から10メートルくらい、アタリ出始めたよー」何かプレッシャーをかけるようなバーゲンの「今を逃したらもうチャンスなし!」みたいな口ぶりで船長はマイクで煽る。「わーっ、初めてアジが釣れたー!」と妻にも待望のアタリがきて、私にはダブルでアジがきた。この調子ならすぐに我が家の小さなクーラーなど一杯になるなと思いきや・・・しばらくしてパタっとアタリが途絶えてしまった。何せ初心者の集まりだから水深が大きいと巻き上げた時に隣と絡まっている確率が高い。中には4人の仕掛けが複雑に絡まりあう火曜サスペンスのような惨事に見舞われることも度々あった。そこそこ釣れているが「このままではいかぬ!」と思ったのか、船長はポイントを変えることにしたようだ。その時の江ノ島沖のようだったが、「30分くらい船を走らすので少し休んでいてくださいねー」とすごいスピードで船首を西に向け、あっという間に湘南平、そして大磯プリンスホテルが見えてきた。
隣の女の子と「おマツリ」に苦戦したあげく「あれれっ?何かついてる!」と妻の仕掛けには小さなメバルが釣れていた。小さいけど今日はどうも魚の喰いがよくないようだから、貴重な高級魚としてバケツに泳がしておいた。「あれっ?また変な魚がついてる・・・」「ぎゃーはっはっは!キミの釣るのはゲテモノばっかじゃんか。まるで口紅してるツインテールだぞ。」
水族館にいそうなケバい魚だがトラギスの一種で天ぷらにして食べられるらしい。操舵室では船長が他の釣り船と盛んに連絡を取り合っているが「今日は全然だめだねえ」という無線が漏れ聞こえてくる。確かに天気も凪具合も絶好のコンディションだが、他の乗客の釣果もさっぱりだ・・・「えーっ?今、仕掛けを投入したばっかなのにぃ・・・」船長は盛んに船を移動させポイントを探るが魚探に反応はあっても魚が食って来ないらしい。。。
「このままだと、一匹数千円のアジになっちゃうなー。ま、こういう時もあるさ」と二人で苦笑いしていたが、二ノ宮沖での何か所目で船の後の方に陣取っていたベテランっぽいおじさんの竿をしならせ、大きな魚を釣り上げた。40㎝くらいあったがどうやらカレイらしい。どうも倦怠感が漂っていた船内に俄然活気が漲ってきた。すぐ後に今度は船の先端で構えていたこれまたベテランが大きな魚をタモアミで釣り上げたがなんとアマダイ!すげえ、高級魚のオンパレードだ。左隣りの男の子は親子おマツリで苦戦している。(やっぱ、不調の時でも釣れるのはベテランなのかなー)と竿先をぼーっと眺めていたら「ガクンっ」と底の方に引き込まれる手応えがあった。「んっ?」慌てて少しアワせて巻き上げてみるとかなり重たい感触だ。ワクワク勇んでリールを巻き上げるが何せ100メートル近い水深だから巻いても巻いても上がってこず、すごい重労働だった。「こりゃー、何か大きいのが釣れてるぞー」とひたすらリールを巻き続けた。「カメラ出そうか?」と隣りの妻は声を掛けてきたが「そういうナメたことをするとバラしちゃうから上がってからでいいよ」
疲れて少しだけ巻き上げ速度を緩めるとすごい勢いで魚が引いているのが分かったが、もう少しというところで急に竿が軽くなった。。。「やっぱ反対側の人とひっ絡まっただけかな・・・」絡まるとお互いに「釣れた!」と思ってリールを巻き続けるからすごい魚の引きに感じるのである。もう天秤が竿先に近づくほど巻き上げているが、仕掛けはどこに行ったかわからない・・・がっかりして見えている道糸を追っていくと、何と船のドテッ腹近くにピンクの大きな魚が漂っているではないか・・・!画像では見たことがあるが、実物を見るのは初めてのまさしくそれは高級魚アマダイであった。「すごいねー。ここアマダイの巣なのかな。めったにこんなたて続けては上がらないよ。切れちゃうからそーっと上げてね」船長はマイクで声をかけてきた。竿を立てて幹糸を手繰り寄せるのにさすがに緊張のあまり手が震えた。無事に手元に引き上げると、周囲から拍手が起こり、この手の催しで主役になったことのない私にも奇跡の時がやってきたのだった。
老師、ついにボクはやりましたぁ!こんなことはもうないかもしれない・・・改めてIXYで記念写真を撮ってもらった上、「写メ撮って『しん公』に送ってやんな」とこれ以上ない「どや顔」をしてみせたものだ。送り先は以前よくメジナ釣りにご一緒した「しんさん」である。早速、奥方から「最近の画像合成技術はすごいねえ」と返事が返ってきた。(口のへらねえヤツ・・・)と思ったが、クーラーに横たわる大きなアマダイを見ると「金持ち喧嘩せず」の心境になった。「fbに載せたいから」と言って、船長も写真を撮っていったが、全体この日は絶不調でトータルで5枚、アマダイが上がらなかったらとてもHPで報告できない散々な釣果だったと言えよう。その後何か所か小田原付近まで足を伸ばしたようだが、出目金のような妙な魚が一匹釣れた以外はさっぱりだ。「あなたが放った赤い魚、鳥が食べてるよ」
いつもより少しは粘ってくれたようだが、2時を過ぎて船長は船を茅ヶ崎港に向けた。山ほど釣れたらお友達のSちゃん家族を読んで刺身パーティしようか?と言っていたのだが、念のため声を掛けなくてよかったぁ。妻は大きなアマダイを持っている写メを友達と遊びに行っている息子甘辛にも送ったが「問題は量だよ、量!」と返ってきたようだ。
ささやかな釣果だったが家に帰ると「あんまり釣れた気がしないなー」と愚痴っていた妻の独壇場となった。ケバいトラギスと小さなチヌみたいな魚は天ぷらに、アジ4匹は余すことなくたたきにし、小さなメバルは煮つけに、最初に釣れたサバは塩を振って軽く酢で締めていた。(先日、カワハギ船にご一緒した同僚は釣ったサバの刺身を食ってアニサキスにやられ1週間入院したことで有名だ)そしてメインディッシュのアマダイは塩を振ってしばらく酒につけ、ネギと昆布、マイタケを添えて酒蒸しに・・・超絶美味に酔いしれた。。。刺身でもよいが、身がふわーっと柔らかいので酒蒸しが一番美味いらしいのだ。今回は釣果としてはさっぱりだったので、近いうちにリベンジすることとなった。クーラーBOX以外に何も準備せずに行く初心者船、妻との共通の趣味になるかは今後の釣果次第かもしれない。
「ちょっと深いけど、ここなら釣れるからねー」沖合に出て水深100mのポイントに来た時、ようやく「ぐわっ」というアタリとともに40センチ弱のサバが食いついてきた。「棚は底から10メートルくらい、アタリ出始めたよー」何かプレッシャーをかけるようなバーゲンの「今を逃したらもうチャンスなし!」みたいな口ぶりで船長はマイクで煽る。「わーっ、初めてアジが釣れたー!」と妻にも待望のアタリがきて、私にはダブルでアジがきた。この調子ならすぐに我が家の小さなクーラーなど一杯になるなと思いきや・・・しばらくしてパタっとアタリが途絶えてしまった。何せ初心者の集まりだから水深が大きいと巻き上げた時に隣と絡まっている確率が高い。中には4人の仕掛けが複雑に絡まりあう火曜サスペンスのような惨事に見舞われることも度々あった。そこそこ釣れているが「このままではいかぬ!」と思ったのか、船長はポイントを変えることにしたようだ。その時の江ノ島沖のようだったが、「30分くらい船を走らすので少し休んでいてくださいねー」とすごいスピードで船首を西に向け、あっという間に湘南平、そして大磯プリンスホテルが見えてきた。
隣の女の子と「おマツリ」に苦戦したあげく「あれれっ?何かついてる!」と妻の仕掛けには小さなメバルが釣れていた。小さいけど今日はどうも魚の喰いがよくないようだから、貴重な高級魚としてバケツに泳がしておいた。「あれっ?また変な魚がついてる・・・」「ぎゃーはっはっは!キミの釣るのはゲテモノばっかじゃんか。まるで口紅してるツインテールだぞ。」
水族館にいそうなケバい魚だがトラギスの一種で天ぷらにして食べられるらしい。操舵室では船長が他の釣り船と盛んに連絡を取り合っているが「今日は全然だめだねえ」という無線が漏れ聞こえてくる。確かに天気も凪具合も絶好のコンディションだが、他の乗客の釣果もさっぱりだ・・・「えーっ?今、仕掛けを投入したばっかなのにぃ・・・」船長は盛んに船を移動させポイントを探るが魚探に反応はあっても魚が食って来ないらしい。。。
「このままだと、一匹数千円のアジになっちゃうなー。ま、こういう時もあるさ」と二人で苦笑いしていたが、二ノ宮沖での何か所目で船の後の方に陣取っていたベテランっぽいおじさんの竿をしならせ、大きな魚を釣り上げた。40㎝くらいあったがどうやらカレイらしい。どうも倦怠感が漂っていた船内に俄然活気が漲ってきた。すぐ後に今度は船の先端で構えていたこれまたベテランが大きな魚をタモアミで釣り上げたがなんとアマダイ!すげえ、高級魚のオンパレードだ。左隣りの男の子は親子おマツリで苦戦している。(やっぱ、不調の時でも釣れるのはベテランなのかなー)と竿先をぼーっと眺めていたら「ガクンっ」と底の方に引き込まれる手応えがあった。「んっ?」慌てて少しアワせて巻き上げてみるとかなり重たい感触だ。ワクワク勇んでリールを巻き上げるが何せ100メートル近い水深だから巻いても巻いても上がってこず、すごい重労働だった。「こりゃー、何か大きいのが釣れてるぞー」とひたすらリールを巻き続けた。「カメラ出そうか?」と隣りの妻は声を掛けてきたが「そういうナメたことをするとバラしちゃうから上がってからでいいよ」
疲れて少しだけ巻き上げ速度を緩めるとすごい勢いで魚が引いているのが分かったが、もう少しというところで急に竿が軽くなった。。。「やっぱ反対側の人とひっ絡まっただけかな・・・」絡まるとお互いに「釣れた!」と思ってリールを巻き続けるからすごい魚の引きに感じるのである。もう天秤が竿先に近づくほど巻き上げているが、仕掛けはどこに行ったかわからない・・・がっかりして見えている道糸を追っていくと、何と船のドテッ腹近くにピンクの大きな魚が漂っているではないか・・・!画像では見たことがあるが、実物を見るのは初めてのまさしくそれは高級魚アマダイであった。「すごいねー。ここアマダイの巣なのかな。めったにこんなたて続けては上がらないよ。切れちゃうからそーっと上げてね」船長はマイクで声をかけてきた。竿を立てて幹糸を手繰り寄せるのにさすがに緊張のあまり手が震えた。無事に手元に引き上げると、周囲から拍手が起こり、この手の催しで主役になったことのない私にも奇跡の時がやってきたのだった。
老師、ついにボクはやりましたぁ!こんなことはもうないかもしれない・・・改めてIXYで記念写真を撮ってもらった上、「写メ撮って『しん公』に送ってやんな」とこれ以上ない「どや顔」をしてみせたものだ。送り先は以前よくメジナ釣りにご一緒した「しんさん」である。早速、奥方から「最近の画像合成技術はすごいねえ」と返事が返ってきた。(口のへらねえヤツ・・・)と思ったが、クーラーに横たわる大きなアマダイを見ると「金持ち喧嘩せず」の心境になった。「fbに載せたいから」と言って、船長も写真を撮っていったが、全体この日は絶不調でトータルで5枚、アマダイが上がらなかったらとてもHPで報告できない散々な釣果だったと言えよう。その後何か所か小田原付近まで足を伸ばしたようだが、出目金のような妙な魚が一匹釣れた以外はさっぱりだ。「あなたが放った赤い魚、鳥が食べてるよ」
いつもより少しは粘ってくれたようだが、2時を過ぎて船長は船を茅ヶ崎港に向けた。山ほど釣れたらお友達のSちゃん家族を読んで刺身パーティしようか?と言っていたのだが、念のため声を掛けなくてよかったぁ。妻は大きなアマダイを持っている写メを友達と遊びに行っている息子甘辛にも送ったが「問題は量だよ、量!」と返ってきたようだ。
ささやかな釣果だったが家に帰ると「あんまり釣れた気がしないなー」と愚痴っていた妻の独壇場となった。ケバいトラギスと小さなチヌみたいな魚は天ぷらに、アジ4匹は余すことなくたたきにし、小さなメバルは煮つけに、最初に釣れたサバは塩を振って軽く酢で締めていた。(先日、カワハギ船にご一緒した同僚は釣ったサバの刺身を食ってアニサキスにやられ1週間入院したことで有名だ)そしてメインディッシュのアマダイは塩を振ってしばらく酒につけ、ネギと昆布、マイタケを添えて酒蒸しに・・・超絶美味に酔いしれた。。。刺身でもよいが、身がふわーっと柔らかいので酒蒸しが一番美味いらしいのだ。今回は釣果としてはさっぱりだったので、近いうちにリベンジすることとなった。クーラーBOX以外に何も準備せずに行く初心者船、妻との共通の趣味になるかは今後の釣果次第かもしれない。