病院広報(はとはあと)評価支援情報

「はとはあと」は、市民の暮らしに必要な、誠実で適切な医療情報を評価し、支援することで参加施設の透明性と“信頼を高めます。

ほんとの医療が見える「ジョハリの窓」

2018-02-06 14:29:29 | はとはあと最新情報
思い当たりのある専門の世界

誰しも同じですが、朝、目覚めるということは、今日1日の始まりを目で確認し自覚することです。窓を開けて外部の様子を確かめ、空の雲行きを見たりします。それが済んだら背伸びをしたり、手足を伸ばしたりします。今いる環境を確かめて全身に起床の司令を出し起き上がるお決まりの手順です。すべては人の目の奥にあるセンサーを働かせて、その人なりの判定していくのです。何でもないようでも「見ること」は、人が生きていく上で、欠くことのできない役割を担っているといえます。まさに光の感知を通して見ることは、クルマでいえばハンドルのような役割に通じているといえますよね。

窓から見える空の様子を見て、「今日は傘が必要かな」とか、「マフラーを巻いて行こうかな」といった判断もその結果できます。自らが視た経験によって溜め込んだ印象の蓄積によって判断できるところが凄いではないですか。確かに目の働きだけではなく、皮膚や耳による感知が助けになって、全体をほとんど無意識により察知できるのですが、まずは「見る」という自然の行為が先行させることで、環境全体の把握ができ、全身の運動が行われます。「見る」と環境は常に連携し、楽しむ時もあれば、危険を察知して安全の確保に回るなどの関係を保っていることが実感できます。病院での患者さんと医師や専門職との関係においても「見ること」は文字どおり、相互に重要な手掛かりになる筈なのですが。

今回のブログに挿入しました上図をご覧ください。いつも複雑といわれる医師・患者関係を示唆してくれる定番があります。ご存じの方も多いと思いますが、あの有名な「ジョハリの窓」です。それを参考にして「医療のジョハリの窓」を昭和61年に出版した「病院のためのイメージアップ実践マニュアル」で発表しました。マトリクスにまとめてみると、理解ができた気分になれるのでぜひご活用ください。「病医院」「社会・患者」のそれぞれが「知っている」「知らない」を分類し、①見えない反省の窓、②共感する開かれた窓、③意図した秘密の窓、④恐ろしい暗い窓など意図した秘密の窓に分けて配置し、考察することで理解を深めようとしました。

①お互いが見ようとしないために起こる暗黒の関係 ②双方が相手をしっかり見ようという努力で勝ち取った開かれた関係 ③一方だけが相手を思いやる秘密の窓 ④双方とも相手の存在や悩みが見えない窓というわけです。病院や診療所ではありがちな関係であり、いわゆる気分が絡む世界といえないでしょうか。何事の理解においても、この「気分」というのが大事で、気分を科学することが大事。気分が良ければ、さらに深い知識を得てみたいと誰しも思うのです。最近、高齢者に筋トレなどが健康にいいと、盛んに言われていますが、簡単なことでもやってみて経験を重ねると、筋肉が実感できて、よい方向に気分が湧いてきます。医療や病院の難しい知識も、思い切って勉強して見ましょう。そのような教室や講義に足を運んで見る。その経験や実感が、さらなる効果となって生きてくるのです。

長年、病院経営のコンサルタントをしてきた方が、「病院の実力の見分け方」として自信をもって話されたことが耳に残っています。それは廊下などを歩く職員のスピードです。「歩く速さが早ければ早いほど、その病院のマネジメントの質は高い」ということでした。確かにそれはいい得ていると思いました。しかし、歩く速さを実際に計測するなどできることではありません。それは「見た目」の世界であり、そう「感じる」結果だと思います。着衣や廊下などの広さや内装設計、カラーなども、組み合わせや配置関係により、そのような効果を狙うことも可能です。見た目や気分も設計でカバーしたり、時には療養の成果を上げることもできます。つづく

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