━ 皮膚病、肌荒れ、吹き出物 ━
昔から、「皮膚は内臓の鏡」と言いますが、内臓の働きが悪いと、肌荒れ、
にきび、吹き出物などが現れ、皮膚の艶も悪くなってしまいます。
しかし皮膚科(西洋医学)では、症状のある皮膚だけの改善を追求するため、
「治らない・分からない・死なない(皮膚科の3ない)」などと揶揄される
こともあります。
鍼灸医学では、内臓の変化をじっくり観察し、中でも皮膚と深い関係にある
「肺・大腸」を重点に治療を進めていきます。、
そして、効果的なのが【曲池 きょくち】です。
また、No130【合谷】穴とあわせて刺激すると効果が相乗的になります。
ツボ療法・・・ 腕を60度ほど曲げると肘にできる横ジワの先端の
ところが【曲池】のツボです。
━ 眠気解消、頭痛緩和 ━
猛暑の夏が足早に立ち去り、はっきりしない天気が続き、一気に秋の気配と
なっています。
しかし、暑さに慣れていた身体が、この気候の変化に対応しきれず、
「春眠暁を覚えず」という言葉同様に、季節の変わり目であるこの時期は、
自律神経の働きが乱れ、一日中眠い、だるい、鬱(うつ)といった症状が現れ、
集中力・注意力に欠けてしまいます。
そこで効果を現すのが【あ門 あもん】のツボです。
両手の親指の先を重ねて、【あ門】穴を3秒ほど圧しては離すを2~3分
ほどくり返すと、頭部への血液の循環がよくなり、眠気やだるさが解消して、
記憶力や意欲も増してきます。
また、後部頭痛を和らげ、鼻血を止め、失語症などの治療に用います。
ツボ療法・・・後頭部の盆のくぼの中央が【あ門】のツボです。
━ 過活動膀胱、頻尿、夜尿症 ━
一日に出る通常のおしっこ回数は4~8回ほどですが、回数がそれより多く、
起きている時9回以上、就寝時2回以上の場合は“頻尿”の疑いがあります。
また、我慢できないほどの強い尿意が急に起こり、時には尿が漏れて下着を
濡らしてしまう“過活動膀胱”というおしっこの悩みがあります。
そのため頻尿や急に起こる強い尿意が気になって、趣味の映画や旅行などに
行くのを躊躇(ためら)ったりしてしまう人もいますが、老化現象と諦めず、
ツボ療法を施すと思わぬ効果が現れることがあります。
そこで奏効するのが【中極 ちゅうきょく】のツボです。。
就寝する30分ほど前に【中極】施灸すると頻尿も減り、夜中にトイレに
起きず、熟睡してさわやかな朝を迎えることができます。
また【中極】は、尿失禁や夜尿症、膀胱炎予防、前立腺炎、尿道炎などの
症状にも有効なツボでもあります。
ツボ療法・・・恥骨上縁より上方1横指(指幅1本分)のところに
【中極】のツボがあります。
━ 不眠症、冷え症 ━
睡眠は、心身の疲労を浄化させるための生理現象なのですが、老齢になって
のんびりとした生活を続けていると、こころ(脳)も体の疲労は少なくなり、
睡眠も3~4時間ほどで充分こと足りています。
それを長時間眠れないからと言って、クスリに頼ると不自然な睡眠になって
しまい、薬がないと眠れない“薬依存の不眠症”となったりします。
また、近年はディスクワークが多くなり、生活の中で身体を動かす機会が
減り、脳は疲れ切っているのに、身体は疲れていないというアンバランスを
起こし、なかなか寝付けない(入眠障害)、夜中に何度も起きてしまう
(中途覚醒)、早朝に目を覚ましてしまう(早朝覚醒)などの不眠の症状が
増えています。
そこで睡眠改善には、20~30分のウォーキングなど身体を動かす機会を
増やし、適度に身体を疲れさせることがことが必要です。
そして効果的なのが【失眠 しつみん】のツボ刺激です。
寝る前に床に置いたゴルフボールを【失眠】穴で踏みつけるようにしたり、
すりこ木のような棒で圧したり、温灸などを使って熱刺激を繰り返し行うと
睡眠の質も良くなります。
ツボ療法・・・足の踵(かかと)のほぼ中央のところにあるのが
【失眠】のツボです。
━ 高血圧症、甲状腺機能異常、気管支炎 ━
今までの血圧の正常値は、最高(収縮期)血圧が130mmHg未満、
最低(拡張期)血圧が85mmHg未満でしたが、去年4月、現状の数値より
緩和された新しい基準が日本人間ドック学会と健康保険組合連合会から
発表されました。
それによると、新しい基準では下限の数値を設け(基準範囲)、
最高血圧が88~147mmHg、最低血圧は51~94mmHgとなり、
今年から運用する予定となっている。
学会は「この値の範囲であれば大丈夫という意味での正常値ではなく、
正常と思われる人の検査の基準値というのが正確な表現」と説明している。
それにしても上限正常値としていたものとかなりの食い違い差のある
今回の発表に降圧剤を服用していた患者は混乱するばかりであった。
高血圧の原因として、肥満、喫煙、塩分の摂取過剰、腎臓が悪いために
起こる腎性高血圧、ホルモンの異常による内分泌性高血圧などがありますが、
多くは原因がはっきりしない本態性高血圧です。
原因がはっきり分かっているものは、その治療を優先しますが、
本態性高血圧のような場合は、食事などに十分気をつけ、適度の運動と
ストレスを解消して、その上でツボ療法を行うと特に効果を発揮します。
そのツボが、首にある【人迎 じんげい】のツボです。
このツボを片方ずつ、親指で3秒ほどの指圧を5~6回繰り返しますが、
決して強刺激にならないように注意して、1日3回ほど行ってください。
ツボ療法・・・喉仏(のどぼとけ)から後方へ2横指(指幅2本分)進んだ
頸動脈の拍動を感じるところが【人迎】のツボです。
━ 健康寿命を延ばす ━
加齢に伴って生体機能が低下する「老化」は、早い遅いはあるが誰にでも
起こります。
しかし日本では、平均寿命が延び、世界一の長寿国となったが、
その一方で寝たきりで介護が必要となる高齢者や認知症を患う人が増え、
大きな問題に直面している。
介護を必要とせずに自立した生活を送れる期間の平均を示す「健康寿命」を
延ばし、充実した毎日が送れることが幸せの第一条件です。
その健康寿命を延ばす最適なツボが【養老 ようろう】です。
【養老】穴は、呼んで字のごとく“老い”つまり身体の衰えを“養う”
という意味があり、昔から健康・長寿のツボとして知られています。
また、このツボは、肩から肘にかけての痛みやしびれを軽減し、
背中や顔の吹きでものを治すのに有効です。
ツボ療法・・・ 手の甲を上にして、手首の小指側に隆起した骨があります。
その骨から小指に向かってすぐのところにあるくぼみが
【養老】のツボです。