Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

生きたように

2009-07-02 | 想い・雑感
60歳台後半の男性患者さん
胃癌の末期である
一人で生活している

離婚し
子供も寄り付かないとのこと

転勤した医師から引継ぎこれまで治療を行ってきたが
私が家族と会ったことは一度もなく
前妻と仲が良かったという近所のおばさんが
時にお見舞いに来る程度

残された時間がかなり限られてきた頃
娘が
息子が
そして前妻が
顔を見せるようになってきた

どのような事情が
互いを寄せ付けなかったのかはわからないが
最後の時が近づいてようやく再会
残り少ないという想いが
心のわだかまりを凌駕するのだろうし
これまで会わずに過ごした時間も必要だったのだろう

でも少し悲しい

最後まで近づかない家族は
もっと悲しいけれど

それもまた人間

その時々に
よりよい関係を築き上げる
というのは言うは易しだが
ちょっとしたきっかけから
ささくれ立った関係になってしまうと
時にその修復は極めて困難になる
後になって ああ あの時・・・
と思ってもそこには戻れない