Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

日和(ひより)

2006-09-10 | 医療・病気・いのち
 洗濯日和などというように、お天気具合を日和というようですね。日和見とは、天気を観察する役の人を言うようですから、現代ならば気象予報士などをさすのでしょうか。学生紛争が盛んだったころは、主義を曲げ周囲の意見に流され同調するひとを日和見的だといって糾弾していたようです。その場合は、風見鶏的ありようをさしているのでしょう。

 日和見感染という言葉は、後者の意味から派生してきたものだと想われます。普段は人間の体に悪さはしないけれど、体が弱り抵抗力が落ちてくると、その状況(日和)をみて、微生物が症状を引き起こすことを言います。

 日和見感染を引き起こす微生物には、細菌やウィルスがありますが、真菌(カビ)も原因となることがあります。AIDS末期のカリニ肺炎などもそうです。

 癌の末期はもちろん、抗がん剤治療などを施行したときなども、体の抵抗力が落ち、日和見感染を引き起こすことがあります。体の中に普段から住み着いているような微生物が、体の内部環境という日和によっては、盛んに活動し始めるわけです。いくら抗ウィルス薬、抗生物質、それに抗真菌薬を使用しても、体の抵抗力が極めて低くなっているときには、治療は非常に困難となります。