Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

止血

2006-09-06 | 医療・病気・いのち
 身を切れば、血が出る。

 当然のことですね。

 しかし手術では、出血量がなるべく少なくなるようにする必要があります。道具の進歩で細い血管からは出血させずに手術を進められるようにはなりましたが、ある程度の太さになってくると、切れば出血します。

 基本は二つ、血管を切る前に出ないような処置をしておくこと、それと出ればすばやく適切な方法で血を止める、ということです。これができなければ、当然術者にはなれません(なれないはず)。

 この二つと同様に、ひょっとしたらそれ以上に大切なのが、手術操作に必要な解剖を確実に理解しておくことと無駄な操作をしないということです。解剖を十分知らずに不要なところを切っていけば、血管を切ったりしていらぬ出血を招きます。

 さらに術者の心構えとして大切なことは、常に冷静であることです。冷静であるためには、自信が必要、それを得るには知識と技術が、さらには経験が必要です。

 思わぬ出血があったとき、あわてて止めようとして傷口を広げてしまいそうになる場面を時々見かけます。そういうことがないように、後進の医師に具体的に技術と心構えを伝えていく必要があります。