私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

「大統領の料理人」

2013-12-11 18:19:34 | 日記
December 11, 2013

今年も残り少なくなってきた。まだ校正が残っている点訳がある。年賀状も書かなくてはならない。印刷は例年のように、私のプリンターよりも精度が高い妹のもので頼んである。微調整もしてくれるので、妹のセンスにすべて任せている。しかし宛名と、一筆だけは頼むわけにいかない。人並みに掃除もしなくてはならない、というわけでちょっと余裕があるうちに、今年予定していた映画「大統領の料理人」を見てきた。フランス映画、「ミッテラン大統領のプライベート・キッチンを任された女性シェフが、大統領官邸(エリゼ宮)の堅苦しいしきたりと、官邸料理人たちの嫉妬の中で活躍する。官邸初の女性料理人の実話を映画化した」ものだという。

魔法のように次々と作りだされる料理の数々、その美味しそうなこと、これだけ見ていても飽きない。大統領は素材の味を大切にしたシンプルな料理を好み、たぶんこの頃頂点に達していたであろう手の込んだフランス料理に一矢を報いた映画でもあるようだ。実話である女性は、フォアグラやトリュフと言った美食素材の名産地として知られるベルゴーに地方で育ち、衰退しつつあったフォアグラを自宅農園で供し、成功を収めた。郷土料理を教える料理学校を設立してもいる。

映画の中での彼女の、そういった経歴からくる自信に満ちた態度が、それまで官邸の料理に携わってきたシェフたちには我慢がならない。大統領には喜ばれても周りのものからはいろいろと邪魔される、結局ドクターストップという形でフォアグラ料理の中止を告げられ、官邸を去る。その後、これも実話ということだが、フランスの南極基地で、 料理人として、 基地で働く人々を喜ばせる。映画の中で供される料理と比べることはできないが、料理好きな私には引き込まれるような映画だった。大統領が、料理本を読むのが子供のころから好きだったというセリフがあるが、そうだそうだとうなずいてしまった。私も、実際に作らなくても、料理本をみているだけで楽しい。

「大統領の料理人」のパンフから、この女優の知的な笑顔が素敵だった。