January 18, 2020
同年の友人が、救急車で運ばれて、地元の大学病院に入院したという知らせに驚いた。近くに住む友人の妹さんに同行させてもらい見舞った。私がこの地に移ったときに、それまでたしなんでいたバイオリンだけは続けたいと思い、先生として紹介してもらった時からの付き合いだ。50年来の友人、というか、私はだいぶとうが経ったバイオリンの弟子である。脳梗塞とのこと、私だということは認識してくださっているように思えたが、言葉が出ない。涙がこぼれた。事情があって見知らぬ土地に住むことになり、知人を通して紹介していただいた方だ。若いころにはいろいろな賞にも入賞されたバイオリニストだったそうだが、私が知り合った時は、二人のお子さんを育てる主婦であり、それでもお弟子さんはずいぶん抱えていた。
弟子としてのバイオリンは、練習しないので一向に上達しなかったが、同年齢ということもあり、何でも語り合える友人となり、また知り合いの少ない土地で、ずいぶんお世話にもなった。振り返るとさまざまな思い出が頭を駆け巡るが、何かこれからさらに一層のご縁が続くという予感がしてきている。今は一時的に言葉を失われているが、きっと回復されて、バイオリンを弾く姿を見せてくれるだろう。夕暮れ近くなり、すこし重い心を抱えたまま帰宅した。大学病院の集中治療室なので、親族以外は面会できないということを、帰りに受付で聞いた。家で静かに回復を祈りたい。
画像は、お見舞いにと花屋さんで作ってもらった小さな花束。お花のお見舞いは駄目とのこと、さもありなんと持ち帰った。
January 15, 220
January 6, 2020
あけましておめでとうございます。
2020年からサイトを新たにして、読書関係の記事を中心にしたブログをはじめようと予定していたが、結局昨年まで書いていたサイトに続けることにした。なんか意気込みとは別の方向になってきているようで、自分でも忸怩たる思いはあるが、楽な道を選択してしまった。掛け声ばかりでごめんなさい。
新年から暖かい日が続いている。もちろん冬なので朝晩の冷え込みはあるが、若いころから体験してきた冬のイメージが、近年徐々に変わって来ているようだ。さて、昨年末から今年にかけて、世界の情勢が少しづつ変化してきている。いわゆる「きな臭い」という表現に通じる雰囲気である。世界のどこかで戦争は起こっている。戦いのない日を夢想するのは無理だとしても、今の穏やかに思える日々が続いてくれることを願っているが、どうなっていくのだろうか。
第2次世界大戦が終わった年に小学校2年生だったことを思い返すと、それ以来私自身の意識の中に戦争はなかった。学生時代の「安保反対闘争」なんか、考えてみるとちっぽけなものだった。しかし、もうこの世にさよならをしていい年になって、戦争の足音が聞こえてきている。私自身の生活は何の変化もないが、新聞やテレビの小さな窓から入る情報が、それを知らせてくれている。今世界は、社会は、私たち老人を置き去りにして進んでいく。以前は、たとえ回りが少々変わってきていても、人間という単位で考えるとき、そんなに大きな違いはないと思っていたが、どうもその境界を越えてきているようだ。私たち置き去りにされつつある世代、でも、今の哲学のないあほな世界に屈服したくはない。たとえ人生の終わりが近いとしても、言わなければならないと思うことには、手をあげていきたい。
新年にあたって、ごまめの歯ぎしりと分かりながら、自分を鼓舞していこう。「戦争反対!」、これに尽きる。昨年から続いている「英和辞典」の点訳のためにパソコンに向かう日々は始まったが、肝心の読書はこれからだ。石田衣良の短編から読み始めたい。
画像は、1月2日に、友人の息子さんが住む御前崎までのドライブに同行させてもらったときに、スマホで撮った。お天気が良く、富士山の姿を満喫できた。