私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

詩集

2018-02-26 18:07:24 | 日記

February 27 , 2018

2月26日(月)
ゆっくりと居座っているように思えた1月と違って、2月は足早に過ぎていく。2月は逃げる、まさにその通りだ。日本でオリンピックを開催すると意気込んでいる政権には、財政難で何事かと反対の気持ちもありながら、韓国で開かれていた冬季オリンピック競技のテレビ実況は、結構楽しんでしまった。特にカーリングという競技が面白かった。お祭り去ってではないが、少し偏ってしまった脳を立て直そうと、今日は本屋で、大岡信詩集(岩波文庫)を買った。声を出して読んでいると、心が自然に和んでいくのがわかる。谷川俊太郎など、自分の年齢に近い詩人の詩をさらに読んでみよう。もちろん帰宅すれば書棚にこういった詩人たちの詩集がないわけではない。しかし本屋で、出版社の違う詩集を手にすると、別な気持ちが訪れるから不思議だ。

2月27日(火)
昨日は、大岡信の詩集を夜更けまで読んだ。まだ読了はしていないが、巻末にある三浦雅士の解説を読んでいると、一人の詩人を理解するのもなかなか大変だと思う。次は、同時代の詩人・谷川俊太郎の詩集を読んでみたいと思っているが、少し心が重い。詩集の中で惹かれた詩を心にとどめ、解説など後で読めばいいといった若いころの軽い気分がなくなってきているのは、またも年齢のせいか。次に、大岡信の短い詩を引用させてもらう。

            木馬

             夜ごと夜ごと 女がひとり
                ひっそりと旅をしている   (ポール・エリュアール)
         
         
日の落ちかかる空の彼方   
       私はさびしい木馬を見た
       幻のように浮かびながら
       木馬は空を渡っていった

       やさいいひとよ 窓をしめて
       私の髪を撫でておくれ
       木馬のような私の心を
       その金の輪のてのひらに
       つないでおくれ
       手錠のように          (大岡信詩集 岩波文庫)

画像は、さざんか。寒椿を載せたかったが、いい画像がない。


マーマレード

2018-02-21 08:25:44 | 日記

Wednesday 21, 2017

いつも買い物をする青果店の店先に甘夏が出ていた。少し早いが、ああもうこんな季節になったのかと、さっそく3個パックになっているものを購入し、帰宅してジャムづくりを始めた。夏みかん(主に甘夏みかん)でジャムを作り始めてからもう10年以上経っている。あの頃通っていた 絵画教室でご一緒していた方からレシピをいただいた。何年作っていてもレシピを見ないとどこかに取りこぼしがある。今回よく見てみると、手書きのレシピのはじに、平成9年6月という記述があった。あのころから20年以上過ぎていたのだ。通り過ぎてきた年月を振り返り、しばらく感慨にふけった。

夜遅く、姉から電話があった。少し記憶力が弱くなっているのか、毎日のように電話がかかってきていたが、ここしばらくは違うことに興味が向いていたのか、久しぶりで声を聞く。90歳でも100歳でもかくしゃくとして、姿かたちを別にすれば全く若者と変わらない人もいるが、一般的には、加齢とともに記憶力が衰えてくるのは仕方がない。追いかける私も同じ道を進むことになるのだろうが、まだ夫も健在で、幸いなことに妹も隣に住んでいる姉と違って、一人暮らしの私は、生活を成り立たせてくれるだけの知力はなくならないでほしいと願っている。

昨日までは春間近の陽気だったのに、今日はまた寒波の波に入ったようだ。明日は点訳の例会で出かけなければならない。新宿を経由していくので、雑踏の中で風邪を拾ってこないよう気をつけよう。

画像は、ストック。切り花を部屋に飾った。母を連れて姉妹で房総を訪れた時のストックの花畑が頭に浮かぶ。


映画「ジャコメッティ 最後の肖像」

2018-02-14 19:17:47 | 日記

February 14, 2018

今日は、関西では春1番が吹いたとのこと。寒さの続いた日々も、間違いなく春は訪れる。関東地方もやわらかい春の日差しだ。昨年国立新美術館で開催された没後50年を経たジャコメッティの大回顧展には、友人と訪れてとても感銘を受け、このブログでも取り上げさせてもらった。アルテリオ・シネマで、ジャコメッティを描いた映画「ジャコメッティ 最後の肖像」が上演されることがわかり、早速足を運んだ。

この映画は、ジャコメッティのモデルを務めた作家で美術評論家ジェイムズ・ロードの回顧録『ジャコメッティの肖像』を脚色したものだ。ジャコメッティは、イギリスの名優ジェフリー・ラッシュが、ロードは、アーミー・ハマーが演じている。パンフの紹介記事を引用させてもらうと、「描くほどに苦悩し暴発する複雑な天才と、そんな彼に翻弄されつつも、創作過程と日々の出来事を尊敬の念で観察するロードの奇妙な関係を再現した心理バトルとして完成させた。」とある。映画はやはり演じる俳優の演技による。芸術家とその才能を尊敬する作家との関係が映像に湧き出ていて、引き込まれた時間だった。原作となった『ジャコメッティの肖像』(みすず書房)を、図書館で借りて読んでみたい。 

数日前、作家の石牟礼道子さんが亡くなられたというニュースがあった。私が、日本の作家で心から尊敬する方だ。ブログでも何度も書かせていただいたが、ご冥福を祈るとともに、作品を読み直し、いつかまたブログで触れさせていただきたいと思う。

画像は、映画のパンフレットから。


立春に

2018-02-04 13:16:28 | 日記

February 4, 2018

2月4日(日
眠れぬままにNHKラジオの深夜便を聞いていると、平岩弓枝作『大石内蔵助の妻 りく』を佐久間良子さんが語っていた。語りもよかったが、聞こえてくる文章が心に響いた。これまで日本の作家の本をあまり読んでこなかった。平岩弓枝の作品も読んだことはない。いくつか作品を読んでみたいと思う。また、右目が役に立たなくなり左目の視力もかなり落ちている今、朗読を聞いて名作に接することもなかなかいいなと思う。

2月6日(火)
読書会。本は、古内一絵『十六夜荘ノート』(中公文庫)。場所は我が家だ。今週から寒波が押し寄せるという予報が気になったが、晴れてくれたのでほっとした。内容は、エリート社員として世の中を睥睨していた主人公に、面識もない大叔母から、高級住宅街にある屋敷「十六夜荘」が相続されることになる。この大叔母の昭和13年から22年のお話と、主人公の現在の生活とが交互に語られるというストーリーになっている。こういった表裏の形で物語が展開していくのは、目新しい手法ではないが、私は、あえて片方ずつ読んでみた。結果はあまり支障なく読めたので、この本に限って言うと、もちろん簡単な仕掛けは設けてはいるが、もう少し工夫があってもよかったのではないかと思う。しかしこうして選んでくださったからこそ読めた本である。この著者の作品も、もう1,2冊図書館に予約して読んでみよう。

町田を経由して帰宅される友人にご一緒して、今探している毛糸を買えないかと町田まで出かけてみた。暮れかかる街で、以前訪れたことがある毛糸の専門店を探したが、街並みが変わっていて、同じ通りを右往左往して結局見当たらず帰宅した。若いころ何度も訪れていた場所が、全く知らない所のように思えて心細かった。今日も、自分が年を取ったのだということを知らされた。

画像は、友人のメールから。上野の科学博物館を訪れたときに撮られたとのこと。寒くても、立春が過ぎれば春は近い。