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ぽかぽか春庭「ピエタ像 in 東京カテドラル」

2018-07-07 00:00:01 | エッセイ、コラム
20180707
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>キッチュTokyo(4)ピエタ像 in 東京カテドラル

 両親と姉が曹洞宗のお寺に眠ることから、留学生には「I'm Zen buddist.」なんて自己紹介してきましたが、信徒といえるのは、法事でお寺にいくときくらいです。いわばテキトー仏教徒。テキトー仏教徒なので、キリスト教のミサに紛れ込んだりもします。
 クリスチャンでもないのに、クリスマスのイベントとして、ミサイルママといっしょに、東京カテドラル関口教会のクリスマスミサを「見学」したことが1度だけありますし、コンドル設計のニコライ堂見学に行って、ミサも見学してきました。

 ニコライ堂は、日本正教会の首座主教座大聖堂。私は、ニコライさんがロシア人だから、ロシア正教の教会と思ってきたのですが、神田の日本正教会(東京復活大聖堂)は、ギリシャ正教なのでした。ニコライ堂建物見学のおりにミサ参観もしたのに、誤解したままでいたとは、申し訳ない。
 参観したミサは、首座大司教というえらいお坊さんがミサをつかさどる日とかで、信者でもないのに、ラッキーな日でした。
 主教座(カテドラ)は、扉の中にあって、一般信者からは見えない造りでした。しかし、主教座の中に入るまでの大司教をあがめ拝んでいる信者を見ていると「病は気から」の病なら、神にも近しい大司教様を拝んだら、それだけで治るんじゃないかと思いました。

 ニコライ堂、正式名の東京復活大聖堂は、首座主教座大聖堂。すなわち「カテドラル」と呼ばれる教会です。
 上空からのニコライ堂(借り物画像)


 大司教が、教区内にいる信徒を教え導き、司式するための“着座椅子”をギリシャ語で「カテドラ」といい、カテドラのある教会をカテドラルと言います。カテドラルの日本語訳が大聖堂であって、建物がでかいから大聖堂と呼ぶわけじゃないってのも、テキトー仏教徒春庭は知らずにいて、聖堂の大きな造りのものが大聖堂と思っていたんです。

 カトリックの大聖堂、名古屋市の名古屋カテドラル聖ペテロ・聖パウロ大聖堂、大阪市の大阪カテドラル聖マリア大聖堂など、大司教区にひとつあります。
 東京ですと、首座主教座(カテドラ)を備えるカテドラルは、東京カテドラル聖マリア大聖堂関口教会です。「でっかいから大聖堂」と思い込むのも当然、というくらい、大きなカテドラルです。

 都内23区には46教会、多摩地区には17教会。さらに千葉の教会を合わせて「東京大司教区」にまとめられています。東京大司教区の信者は、96000人。その人々をまとめるトップは「大司教」と呼ばれます。東京大司教区をまとめるのは、タルチシオ菊地功大司教。2017年12月にバチカンのフランシスコ教皇から任命されました。

 コンドル設計のニコライ堂に対して、関口教会は丹下健三設計の現代的な建物です。
 鉄筋コンクリートとステンレススチールで、日を浴びるとメタリックに輝きます。荘厳な教会というより、左側の鐘楼61mの塔から宇宙電波でも受信していそうな、、、、電波系❓
 上空からは十字の形をしているように見えるそうですが、地上からだと、↓こんな感じ。


 私は、関口の講談社野間記念館に絵を見に行くたびに目白通りから眺めてきて、なかはどんな感じなんだろうと思ってきました。
 丹下健三の設計、見た目は派手ですが、東京都庁も代々木体育館も、築何十年かたつと、雨漏りがひどくなる設計で、どこもメンテナンスがたいへんなんだとか。
 でも、教会での雨漏りなら、雨したたるところにマリア像とか天使像なんかおいておき、「聖母の涙」とか「天使の涙」なんぞというネーミングつけて売り出すと、パワースポット好きの若者とかスピリチュアル系の人たちに売れるんじゃなかろうか。イワシの頭も信心から。

 聖堂の外側には、「ルルドの泉」を模した池があります。ルルドは、1858年に聖母マリアが出現したという伝説の土地。その水を飲めば医者が見放した病も治るという霊験あらたかな泉。150年間にバチカンによって「公式に」奇跡とされた「完全治癒例」は68例あるそうです。

 関口教会のキッチュルルドは、1911年にフランス人宣教師が作成。現在では「パワースポット巡り」を楽しむ若者にも人気なのだとか。ただし、バチカンが正式に「ルルドの泉で病気が治った」と認めるには「心身正しき信者」でないとダメみたい。レプリカルルドだと、テキトーブディストでもいいのかなあ。とりあえず、泉のほとりに立つマリア像に健康長寿家内安全世界平和など祈っておきました。

 ミサイルママとクリスマスミサに参列したときは、椅子に座ってじっとしてミサを見ていたで、内部の見学などできませんでしたから、ひとりで聖堂内部見学に出かけたことがあります。勝手に中を見させていただきました。見学を申し込めば、心正しき信者さんが案内してくれるそうですが、こちらは心やましいブッブッディスとなもんで、ご案内いただくにおそれおおいかと。

 イスラムのモスクも、キリスト教教会も、基本、だれでも中に入っていいことになっています。叩けよさらば開かれん。
 モスクは、中国の吉林市と長春市で見学したことありますが、日本のモスクに入ったことありません。

 関口教会の内部には、ピエタ像がご鎮座ましました。
 本物は、バチカン市国サンピエトロ大聖堂におわす、ミケランジェロの傑作です。

 関口ピエタは、高さ175センチ、重さ2,600キロ。原像と寸分たがわぬ精巧なレプリカで、1970年、日本文化財団の依頼によりフィレンツェのリド・ボベッキ教授指導の下に作成され、1973年6月、同財団から関口教会大聖堂へ寄贈されました。
 現在では舞踏とか空手などの「修業」を奨励する日本文化財団が、なにゆえピエタレプリカ寄贈を思い立ったのか、謎です。

 サンピエトロ大聖堂の大理石像ピエタは、現在では、防弾ガラスが設置されているそうです。祭壇の向こうに安置され、観覧者ははるか遠くから像を拝むしかない。


 一方、東京カテドラル関口病院のピエタ像は、イエスの足にキスできそうなほど、接近できます。(そんな罰当たりな真似はしていません、いくらテキトーぶっでぃすとでも、ちゃんと離れてお祈りしました)


 この像をキッチュと呼んではいけないのでしょうね。ちゃんとサンピエトロ教会から「これは、公式レプリカ」というお墨付けを得ているのだそうです。

 ミケランジェロの傑作、レプリカであっても、近寄れば荘厳な音が鳴り響きそうな感じがして、思わず「マリア様」と祈りたい気持ちがわいてきます。
 祈るは、健康長寿家内安全世界平和、、、、、。

 祈る場があるなら、春庭、どこでもどなた様にも祈ります。世界中の神様仏様が私の味方、と信じる汎神論者です。

 「僕は無宗教」といばるタカ氏、すっころんで骨折しました。どこの神社仏閣へ参っても、決して手を合わせない無信心者、全治数か月。
 春庭、ちゃんと祈っていますし、四ツ谷駅の階段ではしっかと手すりを握って、一歩一歩踏みしめて上り下りしております。

 慈悲篤きマリア様。心正しく身清く生きておるワタクシを、どうぞお守りください。日々の糧をお与えください。糧には栄養素のひとつとしてビールもつけてくださればまことにありがたく、信仰心いやがうえにもましてまいります。
 あ、同じことを、阿弥陀様や普賢菩薩様その他もろもろ諸仏諸神にもおねがいしてありますが、どちら様でも、お暇な折にかなえてくださいまし。

 7月7日。彦星様もおり姫様も、銀河を渡る波間にも、笹の葉に結んだ小さな願いをお聞き届けください。みなが平穏無事でありますように。

 あ、もろもろの諸神諸仏の皆様方、夫の骨折、治る方向でおねがいします。お暇があったらでいいので、不信心なアヤツにも慈悲の手を。

<おわり> 
コメント
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