HageOyaji通信

進路指導ガイダンスの一環として、高校生が≪生き切る力≫を持った自立型人間へのアドバイス、サジェッション・・・になれば

第265話≪平成17年度「国語に関する世論調査」の結果についてー文化庁資料より≫

2006年07月31日 | 引用伝授
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、文化庁は、平成7年度から毎年「国語に関する世論調査」を実施し、国語施策の参考にしています。
 7月26日発表された資料(平成17年度調査)は、敬語に関する意識を中心に調査しました。更に、例年取り上げている、慣用句等の言葉の言い方についても調査を実施しています。

 ◆調査目的
  日本人の敬語に関する意識、慣用句等の意味の理解や使用に関する意識等を調査し、国語施策を進める上での参考とする。
 ◆調査対象:全国16歳以上の男女
 ◆調査時期:平成18年2月14日~3月14日
 ◆調査方法:個別面接調査
 ◆回収結果:アタック総数 3,652人
 ◆有効回収数(率): 2,107人(57.7% )

 調査内容の項目と結果のみの概略を抜粋しておきますが、詳細は≪平成17年度「国語に関する世論調査」の結果について≫をクリックしてお読みください。

   1.言葉をどの程度使い分けているか
     言葉の使い分けの程度 ―9割近くが「使い分けている」―

   2.敬語をどの程度使っているか
     敬語を使う程度 ―おおよそ4人に3人が、敬語を「使っている」―

     

   3.敬語を難しいと感じるか、また敬語の何が難しいか
    (1)敬語について難しいと感じることの有無
       ―半数を超える人が、難しいと感じたことが「ある」―
    (2)敬語を難しいと感じる内容
       ―半数を超える人が、難しいと感じたことが「ある」―
 
   4.仕事が終わったときに,どのような言葉を掛けるか
     仕事後に掛ける言葉 
       ー相手の職階が上だと、約7割が「お疲れ様(でした)」ー
       ー相手の職階が下だと「御苦労様(でした)」が増加―

   5.外部の人の前で,自分の職場の人を何と呼ぶか
    (1)外部の人への言い方(会社の受付の人の場合)
      ー「鈴木は…」が4割ー
      ー「課長の鈴木は…」が2割強ー
      ー「鈴木課長は…」がそれぞれ2割強―
    (2)外部の人への言い方(学校の先生の場合)
      ー「田中先生は…」が6割強ー
      -「田中教諭は…」が2割ー
    (3)外部の人への言い方(病院の医師の場合)
      ー「木村先生は…」が4割台半ばー
      ー「木村医師は…」が4割強ー

   6.会社へのあて名の敬称は何と書くか
     会社へのあて名の書き方
      ー全体では8割が「御中」ー
      -男性の約1割が「様」を使用ー

   7.敬語を使いたいか、使いたくないか
    (1)敬語を使うことに関しての考え
      ー必要だから使いたい人は、「社会生活を営む上で」では約72%ー
      ー「自分自身の個人的な考えで」では13ポイント減るー
    (2)敬語を使うとき
      ー「尊敬する人と話すとき」よりも、「目上の人・年上の人と話すとき」に使用ー

   8.どんな語に「お」を付けるか
     ふだんの言葉遣い(「お」を付けるか、付けないか)
     ー「お菓子・お酒・お米・お皿・お弁当」は半数以上が選択ー
     ー「おくつした・おビール・おソース・おかばん・お紅茶」は少数派ー

      

   9.使う言い方、気になる言い方
    (1)どちらの言い方を使うか
     ー4人に3人は「怒り心頭に発する」よりも「怒り心頭に達する」-
    (2)気になる言い方
     ー「従来から」は4人に3人が「気にならない」ー
     ー「あとで後悔した」「一番最後」も過半数が「気にならない」ー

   みなさん、今から面接の練習と思い、この資料を参考に敬語の使い方を更に勉強しましょう・・・


 朝日新聞には≪「お」の付けすぎ 使い分け、性差歴然≫を、産経新聞には、≪“日本語の乱” 国語世論調査 重複表現「気にしない」過半数≫を特集しています。最後に、読売新聞の社説・コラムから「7月28日付・編集手帳」を複写しておこう。
 
 ≪「おひや」を頼めば水がくる。「ひや」を頼めば酒がくる。「にぎり」と「おにぎり」は別物である◆「『おビール』と言ふのが気に入らない。外来語に『お』をつけるな」。作家の阿川弘之さんが「食味風々録」(新潮社)に書いていた。「お」の字ひとつで指す品が変わり、人を不愉快にもし、日本語はむずかしい◆文化庁の「国語に関する世論調査」によれば、4人に3人が「お菓子」と用い、2人に1人が「お酒」と使う。「お」の定着組だろう。少数派には先の「おビール」1・6%、「おくつした」0・9%…などがある◆「おビール」はもっと頻繁に耳にしている気もするが、紅灯の巷(ちまた)をさまようことの多い身の統計的な偏りかも知れない。足の指が光栄のあまり引きつりそうな「おくつした」が普及しないことをただ祈るばかりである◆調査では「怒り心頭に達する」(正しくは、発する)と使う人が7割を超えた。言葉は時代とともに変化していくものであればこそ、「お」のつけすぎに限らず、慣用句の誤用に限らず、「気に入らない」と言いつづけることが大事なのだろう◆調査結果を伝える朝刊を読みながら食卓をふと見ると、おみおつけ(御味御付)の椀(わん)がある。「お」が二つ…。一つでも時に多すぎ、二つあって邪魔にはならず、言葉というのは奥が深い。≫

               
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