昔の日本人に胃ガンが多かったのは、塩分の取り過ぎと、水道などが十分普及していないのと、井戸のすぐ横に排水を貯める池があったりして、衛生状態の悪さによるピロリ菌などへの細菌感染も、胃がんが多い一因といわれていますが、現代生活ではそれらが改善され、胃がんも減少しました。それとは逆に、食生活の欧米化による大腸ガンが増加していると、報告されています。
疫学的研究によると、アイスランドの胃がんの高発生率は、燻製食品の大量摂取と関係し、日本ではタルクが米のコーテングに用いられており、胃がんの発症と関係があると、報告されています。胃がん患者は対照に比べて、野菜摂取量が少なく、日本の研究では、近年、戦前に比べて20倍以上のミルクとミルク製品の消費の増大を示しており、そのことが胃がんの減少に関係ある可能性があると、報告されています。
肺がんは米国の若者で増えていますが、日本でも増えつつあります。これは動物性脂肪摂取の増加と関係があります。西洋式動物性脂肪食を常食する人々は、腸管の嫌気性細菌相が高比率であり、胆汁ステロイドからエストロジェンを作り出すことが可能で、エストロジェンの過剰が発がんに繋がります。また、海藻などに含まれるヨウ素の欠乏、飲料水のカド二ウム含量の増大、それにビールの消費量の増大などが、疫学的研究において、肺がんの発症と関連していると、報告されています。
References
Paul M, Newbelne.Deiet and Nutrition. Britain , Newyork Academic Medicine..
Vol54, Number4,Page385~396,Apr,1978
Linus Pauling. VitaminC and Health.Chemistry. Vol31,Number2, Pge40~45,1976