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医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガンと食生活の関係について その一 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-04-21 11:53:45 | 健康・病気
昔の日本人に胃ガンが多かったのは、塩分の取り過ぎと、水道などが十分普及していないのと、井戸のすぐ横に排水を貯める池があったりして、衛生状態の悪さによるピロリ菌などへの細菌感染も、胃がんが多い一因といわれていますが、現代生活ではそれらが改善され、胃がんも減少しました。それとは逆に、食生活の欧米化による大腸ガンが増加していると、報告されています。

疫学的研究によると、アイスランドの胃がんの高発生率は、燻製食品の大量摂取と関係し、日本ではタルクが米のコーテングに用いられており、胃がんの発症と関係があると、報告されています。胃がん患者は対照に比べて、野菜摂取量が少なく、日本の研究では、近年、戦前に比べて20倍以上のミルクとミルク製品の消費の増大を示しており、そのことが胃がんの減少に関係ある可能性があると、報告されています。

肺がんは米国の若者で増えていますが、日本でも増えつつあります。これは動物性脂肪摂取の増加と関係があります。西洋式動物性脂肪食を常食する人々は、腸管の嫌気性細菌相が高比率であり、胆汁ステロイドからエストロジェンを作り出すことが可能で、エストロジェンの過剰が発がんに繋がります。また、海藻などに含まれるヨウ素の欠乏、飲料水のカド二ウム含量の増大、それにビールの消費量の増大などが、疫学的研究において、肺がんの発症と関連していると、報告されています。

References
Paul M, Newbelne.Deiet and Nutrition. Britain , Newyork Academic Medicine..
 Vol54, Number4,Page385~396,Apr,1978
Linus Pauling. VitaminC and Health.Chemistry. Vol31,Number2, Pge40~45,1976
 

ガンの予防と緩和療法、それに補助療法とビタミンCの関係について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-04-20 15:11:26 | 健康・病気
ガン制御の一般的プランの一部として、ビタミンCの大量使用の提案には、多くの研究成果があります。ビタミンCを含む食品を常食する人は、元気で、健康状態が良好であるとの、多くの報告があります。ビタミンCの作用は、進行性ガンの、無情な精神的変化と無情な肉体的変化を調べるのに役立ちます。加うるに、ガンの悪性侵襲性増殖に対し、宿主抵抗性を集中的に高める特異的生化学反応の全体的パターンに、ビタミンCが直接関与する多くの根拠があります。

予防法
ビタミンCの点滴と経口摂取が、違ったメカニズムにより、ガンの予防と治療に有益との研究が増えています。Cameron博士によると、ビタミンCは宿主抵抗性を強めるため、ビタミンC(野菜や果物に含まれる栄養素)は、規則的に平均以上の食事での摂取が行われる場合、臨床でのガンの発症率を著しく減少させ、確定ガンでは、良好な予後を示すと、報告しています。このことは、栄養医学者とガン疫学者の連携した研究課題であります。

補助療法
同じ理由により、確定したガンの治療での標準的治療法(化学療法、放射線療法、手術、免疫療法など)での結果はよく知られています。なおこれらの治療法にビタミンC点滴やビタミンC経口摂取を加えるならば、ガン患者の宿主抵抗性を強め、ガン治療での栄養療法において、一般的評価を高め、安価で簡単な安全なガンの補助療法となると、考えられます。

緩和療法
進行性末期ガンにおいてさえ、ビタミンCの大量投与は、宿主ーガンの相関において、ある程度の改善をもたらし、quality of lifeも改善し、ガン性頭痛などを緩和します。そして、更なる研究の積み重ねを期待しています。

References
czmeron , E. Orthomolecular therapy of Cancer. Chemi-Biol, interactions. 9(1974)




抗ガン効果を高める食事と栄養素について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-04-17 12:03:23 | 健康・病気
近年、抗ガン効果を高める食事と栄養素が注目されています。Siltry博士によると、ビタミンCとビタミンE,およびミネラルのセレニウムなどは、発がん物質による染色体破壊を防ぎます。また、ビタミンCは膀胱ガンを予防します。茶の葉に含まれるテオフィリンは、3.5=サイクリックAMPを活性化し、ミカン類のフラボンは酵素複合体P450を活性化し、ガンを予防します。酵素複合体P450は、膀胱ガンの原因となるナフチルアミンを除いて、発がん物質を解毒化します。なお、酵素複合体P450(チトクロームP450)は、P450遺伝子によりコードされた酵素のグループで、臨床で用いられるほとんどの医薬品の代謝に関係しています。

また、柑橘類に含まれるプロリン(アミノ酸の一種)とビタミンCはハイドロキシイプロリンを形成し、結合組織と基底膜の強化に用いられ、発がん物質とガン細胞のの拡散に拮抗します。従って、柑橘類の常食が、ガン予防に推奨されます。次に、動物性脂肪食は、消化管のガンと乳がんを促進させます。高タンパク食はNH4の産生を増やし、ガンの進行を促進させ、低蛋白食は、正常に働いているチトクロームP450を阻害し、血中CO2を増やします。従って、蛋白質の適正量の摂取が重要です。腸内細菌(悪玉菌)は、食事が法外な脂肪分を含むとき、あるいは、その腸管中の輸送が遅い時、多く産生され、大腸ガンや潰瘍性大腸炎の素地を作ります。この対策として、食物線維を多く含むリンゴやフスマの摂取が勧められています。また、麦に含まれているフスマや米ぬかは、一日あたり30gの摂取で胆汁酸塩の脱水素化と発がん性デスオキシコール酸を阻害します。雑穀類を常食すると、摂取できます。

食道ガンは常飲者にしばしば見られ、彼らは鉄欠乏やビタミンB12欠乏を伴っています(プルマービンソン症候群)。そして、黄砂や汚れた大気に汚染された食品も発がん物質を含む可能性があり、例として、ベンツアントラセンやベンツピレンが上げられる。また、ジメチルベンツアントラセンを投与することにより、ラットにガンを生じさせます。なお、発がん物質を解毒化させる作用のあるチトクロームP450の三形態は、それぞれ、アルコール、バルビツール酸塩、およびメチルコラントレンにより不活性化されます。結局、ガンの予防には細胞呼吸を促進さす因子を用いた食事での方法により、達成可能であり、ビタミンやプロバイオティクス、食物線維などを含む食品の摂取と、それに食物の選択や食事指導であると、Siltry博士は述べています。そして、更なる研究の積み重ねにより、ガン患者が減少することを願っています。

References
Siltry. 抗ガン効果を高める食事。ミネルバ、メデイシン。65巻、88号、4610-4611ページ、1974年
Alcantara, Spekman. Meal, Nutrition, and Cancer.Page1040

喉頭ガンとビタミンC、ビタミンAの関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンc研究会 藤井毅彦

2024-04-07 19:59:54 | 健康・病気
ガンとビタミンC、ビタミンAの関係については、数多く報告されています。米国のロズウエルパーク記念研究所の研究によると、喉頭ガン患者374名とガン以外の消化器系、あるいは呼吸器系の病気を有する381名の比較対照において、ビタミンC、ビタミンAの喉頭ガンに対する効果が研究され、また、併せてアルコール摂取、喫煙に伴った喉頭ガンの危険率が調べられました。

その結果、飲酒、喫煙共に喉頭ガンの高い危険率が、比較対照に比べて認められ、食事にビタミンAが少ない男性は、食事にビタミンAが多い女性に比べて、喉頭ガンの危険率が2倍でした。ビタミンCとビタミンAの低摂取は、喫煙と飲酒を制限して試験したとき、喉頭ガンの危険率の増大が続きました。なお、これらの結果は、動物組織培養の研究結果と一致していました。また、Huber博士らの研究によると、ビタミンC(0.5~2g/日)を他のビタミンと共に投与し、ヒト末期ガンにおいて、ガン増殖の停止が認められました。更なる研究により、ビタミンCとビタミンAの各種ガンへの効果が期待されます。

References
H.L.Newbold,M.D. VitaminC Against Cancer.STEIN&DAY Publishers. 1979
George E. Berkly. CACER:How to prevent it&How to  help help your doctor fight it. 1978by Prentice-Hall, Inc
 

ビタミンAの抗ガン作用の研究報告について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-04-03 15:16:43 | 健康・病気
外国の研究によると、ビタミンA欠乏はラットの歯牙腫、唾液腺癌、それに胃粘膜の前がん状態である組織変化、および結腸ガンなどの進行に関連があり、また、ビタミンAの欠乏は、化学的発がんに対する感受性を強めることが報告されています。Apawn博士によると、食事性ビタミンAの高摂取が、上皮細胞組織の化学的発がんを阻害すると報告しています。また、ビタミンAの高摂取は、胃がんの増殖を低下さすことも報告されています。

それにも関わらず、天然ビタミンAは法外な毒性と組織分布の偏りにより、ガンの化学的防止の有効性に限界がありますが、一方、合成ビタミンAは、動物でのガンの防止に、強い可能性と少ない毒性を有すると、考えられています。発がん現象に対する防御作用は、その発がん性形成に対し、その化学物質を転換さす酵素阻害による可能性があります。

サフィオッテイ博士の研究によると、発がん物質ベンツピレンを投与したハムスターに、大量のビタミンAを投与すると、そうでないラットよりガンの発症がはるかに少なかった。その部位は、前胃、消化管、子宮などであった。また、シャンバーガー博士は動物で、ビジョルケ博士らは人での高摂取ビタミンAの抗ガン作用を報告しています。また、JAMA(1954,August14)誌によると、末期ガン患者に1g/日のビタミンCと30万国際単位/日のビタミンAを併用投与し、患者のquality of lifeの改善、生存期間の延長、ガンの縮小を報告しています。更なる研究の積み重ねを期待しています。

References
George E. Berkley. Cancer: How to prevent it &how to help your doctor fight it.  Prentice-Hall, Inc.,New Jersey 1978
H.LNewbold. VitaminC against cancer. Stein and Dau Publishers 1979
Ana Catarine Mamede. The role of vitamins in cancer. Nutr Cancer. 2011;63(4):479-94
Lupulescu a, et al. The role of vitaminA, beta-carotene, vitaminE,and vitaminC in cancer cell biology. Inter J Vitam Nutr Res. 1944;64(1):3-14