グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

こうよう

2010年09月20日 | 植物
大島桜が“こうよう”してきました。



春先の花盛りは白く塗られた山は、緑の木々に交じって茶色に変わっています。5年ほど前は9月ごろになると松の木が枯れて赤茶色になって枯れてしまうのが悲しかったけれど、松枯れ病も落ち着いてきました。
以前、お客さんに『大島って松も紅葉するのね』って言われたことも有りました。(ちゃんと説明しておきましたが)後日、植木屋さんにその話をしたら、世界には紅葉する松も存在するとのこと。ん~世の中広いな!もっと勉強しなくては!

大島桜が黄褐色や茶色に変わるのは“黄葉”と言い、紅葉と合わせて「もみじ」と言うそうです。
黄葉の代表格は東京都の木である“イチョウ”  生きている化石とも言われています。

一般的な紅葉は秋ですが、春先に紅葉する物にアカメガシワ、アカメヤナギ、アカメモチで若葉が紫外線を吸収して紅葉し、組織を守っているとされています。(こういうのも紅葉なのですね)


桜前線の標準木はソメイヨシノですが、紅葉前線の観測の対象はイロハカエデで今は北海道高地のころでしょうか?10月には青森あたりで、12月末ごろに九州西端に到達します。

大島に紅葉する木は沢山あるのですよ。しかし、鮮やかな紅葉が少ないのは、昼夜の寒暖の差が少ないことでしょうか。(他に、適当な湿度があること、紫外線が強いことも条件とされています)
ま 少ない紅葉ですが変化を楽しんで山歩きしましょう。   (しま)
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大島がジオパークに認定されました!

2010年09月19日 | 火山・ジオパーク
もうご存知の方も多いと思いますが、先週大島町は、東京都初のジオパークに認定されました!

ジオパークは世界自然遺産と並ぶ、ユネスコが支援する取り組みです。
この認定は、大島の自然の魅力が評価された結果ですから、とても嬉しいです。

ところで、「ジオパークっていったい何?」と思われている方も多いのではないかと思います。

実は私自身、審査当日に審査員の方々とお会いするまで、かなりおぼろげな部分があったのです(笑)。

それが審査の過程でジオパークの目指すところがハッキリとわかるようになりました。
そして、それはとても共感できるものでした。

ジオパークの取り組みについて、今年8月に発行された「世界のジオパーク」という本の中から
少しだけ引用します。

「ジオツーリズムとは、地形、地質を中心として、生態系、さらには地域の歴史、伝統、文化を
対象とする観光である。
生態系は地形、地質を基盤として成り立っており、さらにそれらすべての影響を受けて
地域の歴史・伝統・文化が出来上がってきた。
したがって地形・地質は最も基本的な地域資源であり、そこから観光を考えるジオツーリズムは
地域の全てを観光資源として活用できる枠組みとも言える。」

活火山三原山が今も陸の地形を変える大島では、わかりやすい解説があれば
あとは人間の想像力を使って、噴火というダイナミックな地球の活動を、そしてその迫力を、
肌で感じることができます。


植物は数mの厚さで覆いかぶさった溶岩流の、何も栄養分の無いところから回復します。

そして島の土壌や気候、島にたどり着いた虫など、様々な大島独自の環境に合わせて変化し、
生き続けようとします。

カルデラの中で光る海のような光景を作り出すススキの大群落も、三原山が作り出した自然の風景です。

大島は、三原山の火山活動のおかげで、万人の心を動かす“命の神秘”を
とてもわかりやすい形で見ることのできる魅力的な島なのです。

ジオパークでは、このような自然の魅力を「12歳の子どもが理解できる。」わかりやすい言葉で、
広く一般の人に伝え、それを観光資源としていくことを提唱しています。

地元の自然の魅力を、そこに暮らす人々が皆で探し、それを観光に役立てていくことで
地域を活性化し自然を保護していく、という「持続可能な観光」がジオパークの目的でもあります。

ジオパークには、たくさんの審査基準があります。
(またまた“世界ジオパーク”からの抜粋です。)

① 法規制に基づき、ジオパーク内の自然・文化遺産が確実に保護されていること、

② 博物館・ビジターセンターや、ガイドブックやガイドマップで、ジオパークの見どころが
わかりやすく提示され解説されていること、
自然観察路が整備され、見どころにはわかりやすい説明板があること、

③ 地元住民が学校教育や地元での講演会などを通じて、地元の様々な自然・文化遺産の価値を
良く理解していること、

④ 地元でガイドを養成し、ガイドつきのジオツアーを行っていること、

⑤ ジオパーク内の各種遺産を保護しながらジオパークに活用して、地域経済を活性化し、
地域の持続可能な発展を実現していること

⑥ 以上のような活動を行うための、しっかりした運営組織と運営計画があり、
必要な人材がいること、
自治体、NPO、企業、各種団体、大学、研究機関が協力してボトムアップの運営組織を作り、
資金を確保し、持続可能な運営組織を作る事が重要

そしてもちろん…
⑦ 重要な大地の遺産や文化遺産が点在する地域であり、ジオパークとしての範囲が明確に定められ、
大地の成り立ちや、現在の地学的現象がよくわかる地域であること。

大島町はまだ火山博物館に学芸員がいない、ビジターセンターが無くスタッフもいない、
ジオパークの活動がまだ島内で知られていない等、十分条件を満たしているとは言えない状態です。

でも島の自然の素晴らしさと意欲を評価され、今後さまざまな点を改善していけるであろうという事を
期待をされて、認定となりました。

一度認定されても改善されていかなければ、4年後の審査で認定が取り消されます。

これから島内に向けて様々な説明や勉強会が行われ、他のジオパーク地域との交流や協力が始まるでしょう。

島に住む読者の方には、ぜひ一緒に大島の自然の魅力を探して頂きたいですし、
その魅力を知人や家族、接するお客様など、身近な人に伝えて頂きたいです。

何と言っても、人と人との直接の関係が一番の基本であると思うので。

このブログでも、私達が勉強したことは出来る限り伝えていきますので、
どうか一緒に活気のある魅力的な島作りをお手伝いくださいね。

島外の方が大島を訪ねてこられた時、住民誰もが島の自然の素晴らしさを自信を持って語れる…
そんな未来を皆で作っていけたら、本当に嬉しいです。

(カナ)

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どこから来たのか

2010年09月18日 | 
今日はちょっと珍しい鳥を見つけました。
それも7羽の群で!

「なになにっ!?」
と写真をクリックしたアナタ。

「なぁ~んだ・・・ハトか~」
と落胆しないでください(ムリ?)

伊豆大島ではキジバトとカラスバト以外のハトはとっても珍しいんです。
(今は元町港周辺にドバトが数羽いついていますが)



ぐるぐる飛び回っているところを発見し、しばらく見ているとみんなでテトラポッドに降り立ちました。


脚環が付いています。
レース鳩ですね。

1羽でいるレース鳩は何度も見ていますが、こんなにたくさんいるのを見るのは初めてです。
大島で飼育し始めた人がいるのでしょうか?
しかし調べてみるとレースに参加するには、自分でハトを放鳩現場まで持って行ったりレース日程が直前で変わったり訓練するのに50キロ~100キロ離れたところから放鳩したりと、大島でレース鳩を育てるのにはちょっと無理がありそうです。

どこからか飛んできたのでしょう。



磯に降りて・・・






水を飲んでいるようですが、海水じゃないのかな!?






すぐにまた飛び立って・・・











防波堤の上に着地!











ん・・・?
この2羽。




人目(ハト目か!)もはばからずアツアツですなぁ~。





もともと同じ鳩舎にいたもの同士なのか、それともこのレース(?)で知り合ったのか?





とにかくみんな無事に自分の家に帰ることができるといいです。







今日出会った鳥たち(声のみを含む)
ウミウ、コガモ、シノリガモ、オオミズナギドリ、ウミネコ、クロサギ、イソシギ、トビ、コジュケイ、キジ、カラスバト、キジバト、ドバト(レース鳩)、アマツバメ、ツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、モズ、イソヒヨドリ、ウグイス、セッカ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス


           がんま
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ヒガンバナは大丈夫?

2010年09月17日 | 
 「暑さ寒さも彼岸まで」と言う、お彼岸は、もう来週です。
昨日は、雨が降って涼しくなりましたし、長かった猛暑も収まってくれそうで、ほっとしています。

 昨日、雨の中をクルマで走っていたら、ヒキガエルが轢かれているのを見つけました。それで、先週、イタチの交通事故のことを書いた際、カエルのことを書かなかったことに気付きました(汗)

 大島で野生動物が交通事故の犠牲になるのは、リスよりもヒキガエルの方が多いですね!?

 都道に、こんな看板があるくらいですから・・・↓ 



 毎日のように通る道にある看板なので、さして気にも止めなくなっていますが、初めて見る方は、すぐには意味が分からないかも知れません。

 時季によるのですが、そのくらいカエルの事故が多いと・・・いやあ、とんだことを想像させて、すみません。(汗)

 リスやイタチの横断注意!っていう看板も欲しいですね。(笑い事じゃなく) 


 話を戻します。

 20日(月)が彼岸の入りで、23日の秋分の日が彼岸の中日、26日(日)が彼岸の明けで、秋のお彼岸の行事が各地で行なわれると思います。

 動物たちの霊も、お彼岸に帰って来るのでしょうか?
 何か、そのような行事がある地方やお話をご存知の方いらっしゃいますか?

 ご先祖さまがキュウリの馬に乗って来て、ナスの牛に乗って戻って行く、という話はありますけど、他の動物たちは登場しませんね。



 お彼岸が近づいたからというわけじゃないのですが、
ヒガンバナ科のハマオモト(ハマユウ)をまた見に行ってみました。13日(月)の写真です。



どうも、日当たりの良い所にある株が、虫の食害にあっているようです。

 木陰などに生えているハマオモトは、比較的元気です。猛暑で弱った株に虫が付いたのでしょうか?



 7月29日の日記「夕方の散歩」(byカナ)にも登場している、こちら↑、ハマオモトヨトウもいますが、数は少ないです。
 このハマオモトヨトウは、冬にも幼虫で過ごしているのを見て、1月26日の日記に書きました。もう1種のアカマダラヨトウ(↓)とともにサナギの姿を確認しました。



 大発生しているのはアカマダラヨトウの方です。大きいものは7~8センチもあります。
ハマオモトヨトウの倍くらいの大きさ!!

 どんどん食べて丸々と太ったのが、たくさんいます。


 
 根元の芯の部分を食べてしまうので、
こんな↑ふうに、根元近くから倒れている株もあります。

 ハマオモトの純白の花は、夏の夕方に見ると、辺りが静かになるように感じます。
このスタッフ日記に何度か登場していますが、7月18日の「明日は海の日」のキレイな画像をご覧下さい。

 虫にやられて、ハマオモトが少なくならないことを願うばかりです。


 それで、ここからは今日撮って来た写真です。

 例年なら9月15日頃から花を開き始めるヒガンバナが咲いていないので、もしかしたら虫にやられているのではないかと心配になりました。ハマオモトと同じヒガンバナ科のヒガンバナですから。



 今のところ大丈夫そうです!

 ヨトウムシたちは、全く付いていませんでした!

 暑かったせいで、開花が遅れているのでしょうか?

 木漏れ日の中で、花芽をしっかり伸ばしていました。毎年、花がぱっと一斉に咲いて、その存在を知らされます。川の土手や墓地などで花だけパッと開く、別名マンジュシャゲとも、幽霊花、地獄花など・・・ありがたくない呼び名も含めて全国で千種以上の名があるそうです。

 原産地の中国では、石蒜(せきさん)と言って、普通にタネが出来て増えるそうですが、日本のものは、花が終わっても実を結ぶくことがありません。染色体が普通の2組ではなく、種なしスイカのように3組(3倍体)になっていて、球根(りん茎)でしか増やせないので、ヒトの手によって広められてきた帰化植物です。

 学者によっては、有史以前のはるか昔に大陸から伝わった「史前帰化植物」ではないか?と。



 開花は少し遅れていますが、

 お彼岸には咲き始めそうな蕾も見付けました。


 (なるせ)






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2日間のツアー

2010年09月16日 | ツアー
一昨日、昨日とツアーに行ってきました。

一昨日は1人旅の3名の方と、三原山火口展望台一周コースへ。

歩き始めてすぐ、安永の縄状溶岩を紹介しようと立ち寄ったところ、
お客様がトノサマバッタを発見。

縄状溶岩から15cmぐらいしか離れていないスコリアの上で
緑色のバッタはやけに目立っていました。

皆で近づいて写真を撮っても、まったく動きません。
「バッタって、すぐ飛んで逃げちゃうのにどうしたのだろう?もしや…?」

これを読んでくださっている読者の方なら、この「もしや・・・」の続きを
想像してもらえるのではないでしょうか?

そう、産卵していたのです!!
太い産卵管を黒いスコリアの中にシッカリ差し込んで、卵を産んでいました。
皆で10cmまで近づいて激写しても全く逃げようとしませんでした。

皆、大興奮です!

230年前の噴火で流れ出た縄状溶岩のすぐ脇で、寿命3週間のトノサマバッタが
次の世代に自分の命をつなぐために卵を産んでいる…その膨大な時間の隔たりを思う時、
命というものの奥深さを感じずには居られませんでした。

ここにある溶岩が230年という歴史を持つ事を知ったことで、
目の前の光景がより深みを持って感じられて、「すごい、凄い~!」と何度も叫んでしまいました。

カルデラの中では全てのハチジョウイヌツゲが、新緑を伸ばしていました。
イヌツゲって春と秋の2回、成長するのですね。それとも今年は異常(?)。
これは来年ちゃんと観察しなくては!

そして中には半年間違えて花をつけているものまで…。

こんなに時期がずれて咲いて、はたして実を作れるのでしょうか??
これも経過観察しなければ。(宿題ばかり…)

その他にもいろいろな発見があって、楽しく歩いた半日でした。
全コースは写真上には描ききれません。

参加された皆さん、お疲れさまでした。

さて昨日です。
鴻池と二人で、T大学の学生さんたちのショートツアーをご案内しました。
「持続可能な観光」を考えるために、初めてのエコツアーに参加していただきました。

この日もトノサマバッタがあちらこちらで観察できました。
…というか、学生さん達が見つけてくれました。

男性軍はすっかりハンターの目になり(?)すばしこいトノサマバッタを捕まえて
見せてくれました。いや~、ハンターが居ると盛り上がりますね~(笑)。

つかまって困った顔の褐色型のバッタ君です。

前日の産卵の後の卵を探そうともくろんだのですが、
どこにも見つかりませんでした。
産み終わった後ちゃんとスコリアをかけて、隠したのでしょうね。

1986年の溶岩流の上。

皆でガラガラの溶岩の下からハチジョウイタドリの種を探しました。
噴火のダメージに負けずに生きようとする植物達の姿に、何かを感じていただけたでしょうか?

お泊まりが温泉ホテルだったので、樹海10分コースも歩いてみました。

山頂へ向かう道では、ホタルガがまるで行く手を阻むかのように飛び回っていました。
ものすごい数です!並みの量ではない感じです!!

樹海には幼虫のご飯になるヒサカキが多いので、きっと親もここに集まっているのでしょう。
ホタルガファンの人(誰?)、今が旬ですよ~、温泉ホテルへ急いでください。(笑)

短時間でも歩くことで、様々なものを見つけたり、感じたりすることができます。
遠くから見るだけでは決して味わうことのできない自然の多様さや輝きに
自分自身の五感を使って触れることで、なにか心に響くものを残せるはず…。

今回のツアーに参加された学生の皆さんが、“持続可能な観光のためのエコツアーの役割”を、
何か感じてくれていたら嬉しいです。

(カナ)

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命名

2010年09月15日 | 海の生物

誰の家にも一冊位は図鑑あるものです。
植物だったり、動物だったり海の生き物だったりと図鑑には様々な種類があります。
図鑑を見ると色々な生き物が載っていますし
その全てに何らかの名前が付けられているのが分ります。

日本では生物の名前には、日本語(カタカナ表記)で書かれている「和名」と呼ばれる物と
「学名」と呼ばれるアルファベットで書かれている物があります。
大人が使う、図鑑をお持ちの方なら是非見てみてください。
(子供用の図鑑では書かれていない事もあります・・・)
このアルファベットは、英語では無くラテン語で書かれています。
普通に呼んでは、なんて書いてあるのか全く分りません。
そのまま、英語読みして良いですし、ローマ字読みしても構いません。
只、中には「J」は「Y」と呼んだりと特別なルールもあります。

この学名は、その生物の世界共通の名前です。植物や動物なんでも構いません、
その分野の専門家同士なら学名で何の種の名前を言っているのが分るでしょう。
しかし、素人にはサッパリ分りません。
なので、非常に一般的ではないのです。
と言っても知らずの内に、使っているパターンもあります。
ダイバーに人気の巨大なエイに「オニイトマキエイ」というエイがいます。
これを、みんな「マンタ」「マンタ」と呼んでいます。
実はこれ、オニイトマキエイの学名なのです。
学名は、属名と種名の2つで構成されています。
つまり、オニイトマキエイの場合は、Manta birostris という2つの単語で現れます。
苗字と名前みたいなもんですね。

それに対して、和名というのは日本独自のもので
基本的には日本に生息している種に対して与えられています。
鳥等はちょっと違いますが・・・

その中でも、魚の和名というのは、非常にステータスの高い物であり
学名と同じ位の位置づけを持っています。
なので、一度論文等で発表された和名はずっと生き続け、勝手な名前で呼ぶと混乱を招く事になってしますのです。

学名も一緒です。
さっき、学名には属名と種名があると書きました。
種名がはっきりしていない種には「sp.」という文字が付きます。
これは、英語の「種」という意味を持つ「species」の略で
「~~属の1種」いう意味になるのです。
難しい言葉を使うと未記載種という奴になります。

大島の海にもこの未記載種は数多く生息しています。
最近、ハゼを中心に色々と新しい和名が付いています。
その度に我々も、その和名に従いゲストの生物を紹介しているのです。
そんな和名の提唱がこの間も行われました。
その魚はこいつです。
その名も「チシオコケギンポ」です。
和名の由来は雄の眼の下に入る赤い斑模様が「血潮」の様に見える事です。
雄の写真↓


雌にはそれが無く、色も様々で黄色や赤・ピンクっぽい赤等様々です。
雌の写真↓


こうやってドンドン和名が付いていくのは、非常に嬉しいものです
しかし、ちょっと寂しい気もします。
名前が付いていない生き物を見る(見つける)というのは、中々嬉しいものですから・・・

これからも、世界中で色んな生き物の名前がついて行くでしょう。
正確にその名前をゲストに伝える事もガイドの仕事だと私は思っています。

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海辺散策

2010年09月14日 | ツアー
今日は「海周辺」というリクエストを受けてのショートツアーに行ってきました。
海となればやっぱり専門のA氏がいなくちゃね!
Aガイドを筆頭に、海辺散策をして参りました♪

まず砂浜でビーチコーミング~

綺麗に見えるこの浜も・・・


実はこんなにゴミがあります。
夏の終わりの景色ですね。
色々な浜辺から流れ着いたもの達でしょう・・
ビーチサンダルとか、ライターとか、漁業につかわれている縄のようなものもあります。
生活用品?というものとか、ペットボトルも多いですね。
そろそろビーチクリーンが必要な時期です!!

こういうゴミと一緒に、カツオノエボシとか漂着していないかな~、と探したのですが不発・・。
ちなみに、写真後ろに見えてるお山、茶色が出はじめて少し秋っぽい色になってきました!!


しばらく歩いて、磯場に近い場所で貝殻を見つけ出すと、お客様のおちびさんが喜んで次々とかわいい貝殻を見つけてくれました^^

その後、場所を移して生きている貝やカニ、ヤドカリを観察。
さらに松がたくさん生えている海岸の遊歩道を歩いてきました。

海岸で目立った植物は・・・


ハチジョウイタドリの花が満開ですね!
真直ぐに上に向かって咲いているのが、力強さを感じます。
中にはすでに種を作り始めているものも・・。


エベズ(シチトウエビヅル)は裏面がこんなに赤く、ちゃんとエビになってました~^^
ボチボチ実がついている所もあり、つまめるのがあるかな~、と楽しみになってきました^^



グミはたくさん実を付け始めています。
まだまだ成長しますね!
また今年もシブミを取ってつまむのが楽しみです♪
(あ、食い意地ばっかり~)


ハマゴウもまだまだたくさんの花を咲かせていますが、その花の下では着々と実をつけて、次世代を育てていました!!


あら、こんなに背高く、ハマユウ(ハマオモト)です!
何カ月も前から咲いているのを見ていましたが、花の期間が長いのですね。

そして

ランタナも愛らしい花の向うには、藍色の小さな実がたくさんなっています。
こちらもとっても花の時期が長いです!!

いつ歩いても、どこを歩いても、いろんな顔が迎えてくれますね。
また明日も、ガイドに行ってまいります!

(友)
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夏の思い出 ウミガメ

2010年09月13日 | 哺乳類、爬虫類、他
今年の夏、大島の砂の浜では3頭のアカウミガメが産卵してくれて、その子たちも無事海に旅立ってくれました。



優しく掘り起こすと小ガメ達も必死で掘り掘り(この夜あたりに自力脱出できそうでしたが)
小ガメにしたらあんなに深い砂の中、這い出してくるのは大変!


生まれたての小ガメは海の中に潜ることができないそうです。


箱入り、後で数えますから。(この時は掘り上げが早かったのでこんなにいました)



小さなカメさんはしっかり海まで歩いていきます(歩かせなければいけないそうです。何でも先回りしてやってあげる事は人間でもカメでもいけないのですね)


みんなで見守っています。
元気でね。又、ここに戻って来てね~。


めでたし、めでたし。と行きたいところ しかし、

残った巣の中にはこんな子達も…

もう少しで孵化出来そうだったのに


もう少し前のもの


未授精だったのでしょうか?


左側は脱出した亀の殻、右側の丸いのはは孵化出来なかった卵。白手袋の心やさしい亀の保護さん達


砂浜の減少で産卵場所も少なくなり、産卵しても気温の変化(今年は特に高温でしたし)台風・降雨など自然環境で。生まれても捕食者にさらされて生き残るのはわずかですが、最大限に守ってあげたいですね。しかし、一般の人がウミガメの捕獲や飼育はもちろん産卵した場所を掘ったりすることは禁止されています。今回の人達もちゃんと許可されている方達です。夏場は海岸の見回りをしたりして亀の産卵が無いか、気温や雨で産卵場所が高温・低温にならないか、台風で産卵場所が流されないか、日夜行動しています。

私達も行動したいものです。大げさなことでなくても
※1つでも2つでもゴミを拾う。(捨てないのはもちろんですが)
※環境について考える。(家の下水は海に繋がっていますし)  

  来年も又こんな子亀さんに会いたいものです        (しま)
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大島の火山・その2

2010年09月12日 | 火山・ジオパーク
先週に引き続いて、大島の火山について学んだことを報告します。

山頂に向かって舗装道路を上に登って行くと、最初の右カーブにこんな壁が出てきます。

火山を勉強した人がこの壁を見ると、今から約230年前の“安永の大噴火”の様子を
動く映像として再現する事ができるようなのです。

その理由を教えてもらいました。

壁には横のラインに粒の大きさが同じようなものが並んでいます。
そして、縦のラインには粒の大きさが違う塊が積み重なっています。

噴火のパワーがある時はベチャベチャとした溶けた溶岩の、大きな塊を降り積もらせますが、
パワーが弱まると、小さな粒しか飛ばせなくなるそうです。

この壁を見ると上の方に大きい塊が集まっているので、安永の噴火はだんだん規模が大きくなっていった…
ということがわかる、とのことです。

なるほど、そう言われてみると確かに…。

皆さんも次に三原山に登る機会があったら、ぜひこの壁の前で立ち止まり、
噴火の時の動画を、思い描いてみてください。

迫力の映像を思い浮かべることができたら、三原山に登るのが数倍楽しくなりますよ~。

さて、さらに上へ昇って行くと、今度は1986年の溶岩流が当時の舗装道路の上に
覆いかぶさってしまった事が良くわかる場所が出てきます。

道路をはさんで下は安永の噴火で溶岩が降り積もってできたもの、
上は1986年の噴火の時に火口からあふれ、流れ出たアア溶岩です。
良く見ると確かに、色も質感も違いますよね?

厚みがあり、パホイホイよりもゆっくり流れるアア溶岩の中身は、時間をかけて冷え固まるため
隙間のない密な状態になります。

そして冷えると縮んで、流れに対して垂直にヒビが入るそうです

樹海を歩くとこのアア溶岩のヒビの中に植物達が根を伸ばし逞しく生きている姿を見ることができます。
「このヒビが、木に根を張る隙間を提供し、森の土台になっていくんだなぁ。」
と思うと、何だかちょっとジーンときます。

樹海の下を流れた230年前の溶岩流。

そのヒビに根を伸ばすことができた木は、横にしか根を張れない仲間よりもしっかりと体を支え、
強風でも倒れずに生き残れる可能性が高まることでしょう。

その場所の地質や地形が、多くの生き物の命と密接にかかわり合っている事を実感します。

さて今日の最後は、お客様に「何ですか?」とよく聞かれる美しい模様…。
山頂近くまで登ると見られます。

これは安永の噴火の後半に何回かに分かれて火山灰が降り積もり、層になったためにできた模様のようです。
しかし、230年もよく風化しなかったですよね?
上からギュ~っと押されているからでしょうか??

最初は火山弾を飛ばしたり、溶岩流を流して派手に活動していた火山も
後半は時々小噴火をしては火山灰を降らせ、だんだん火山活動を終わらせていく…
というのが大島の今までの噴火に多いパターンだったようです。

でも1986年の噴火は例外で、火山灰を長く降らせる事もなく、有毒ガスも止まってしまいました。

次はどのような噴火になるのでしょう?

予測できない部分のある、変化する存在。
これって、まさに生き物ですよね?

知れば知るほど火山も、そして地球も、一つの生命体そのもののように感じられる今日この頃なのでした。

では、今回はこのぐらいで。
来週は山頂からのレポートの予定です!

(カナ)

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来てました。

2010年09月11日 | 
そろそろ旅の途中のヒタキ類が来る頃かと思って午前中に林道に行ってきました。

去年エゾビタキを見た場所で待っていると、↑のコサメビタキが姿を現してくれました。
やっぱり来てたんだ~。
毎度のことながらクリクリお目目がかわいいですね。



何か違う鳥の気配がするのでじーっとしていると・・・


オオルリ♂の若鳥でした。





そして海岸には。







こ、これは・・・トウネンでしょうか?
シギ類が苦手な私には難題です(汗)




同じ場所にいたシギ。
この写真は昨日のものですが、今日もいました。


・・・クサシギ?タカブシギ?

どなたかわかる方がいらっしゃいましたらもったいぶらずに教えてください。
自分で図鑑を見たりネットで調べたりするのはもちろんですが、こういうのは知っている人に教えてもらうのが一番いいんですよね。



鳥が枯渇していた伊豆大島にも旅の鳥が入ってきました。
これからは越冬する鳥たちがやってきます。

セグロカモメ、オオセグロカモメ、ツグミ、アカハラ、シロハラ、アオジ、クロジ、カシラダカ、ウソ、マヒワ、ハギマシコ、ジョウビタキ、ルリビタキ、ノスリ、オオタカ、ハヤブサ、オオコノハズク・・・考えただけでわくわくします。

あー、楽しみ!!




ハイ、そんでは本日のオマケ。








昨日見つけた大好きなスズメガ、クロメンガタスズメです。
鳴くんですよ!





今日出会った鳥たち(声のみを含む)
ウミウ、シノリガモ、オオミズナギドリ、ウミネコ、クロサギ、ムナグロ、トウネン(?)、クサシギ(?)、イソシギ、キアシシギ、トビ、チョウゲンボウ、コジュケイ、カラスバト、キジバト、アマツバメ、ツバメ、キセキレイ、モズ、イソヒヨドリ、ウグイス、オオルリ、コサメビタキ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト
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