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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ツユクサの戦略

2020年07月10日 | 植物
毎日雨が続いていますね。
しかも何度も何度もやってくる大雨…これ以上被害が広がらないように祈るのみです😢

さて今日は、午前中に雨が止んでいたので、近所を歩いてきました。

ある場所で、ツユクサが咲き誇っていました。

10時をちょっと回ったところで、花も綺麗で虫も寄ってきていました。

ハナアブが、ずいぶん面白い位置で必死に花粉を舐めているのを見て写真に撮り、帰宅後本で調べてみました。


その結果、ツユクサの花には「蜜」がなく、花粉だけで虫を誘っていることを知りました。
しかも雌しべがある花と、ない花があるのだそうです。

長く伸びた白い3本のうち2本が雄しべ、1本が雌しべ…2本しかないのは雌しべを持たないオスの花らしいです。(これ、エネルギーの節約なのだそうです)

そして奥の目立つ黄色の3本は、実際には花粉を作らない「虫を呼ぶための飾りの雄しべ」なのだそうです。(海外の研究では近似種で繁殖能力を持たない花粉をわずかにつけているという報告もあるようです)

最初に見たハナアブは本物の花粉を知っているようで、懸命に舐めていましたが…

別の黒いアブは完全に騙されているようでした。

「花粉ないじゃないかよ〜!」という声が聞こえてきそう…(笑)

そして、さらに本を読み進めると「ツユクサは半日の開花を終えると雄しべと雌しべを巻き上げ、縮みながら接触させて同じ花の中で受粉を済ませる。そして正午過ぎには、溶けたように縮んでしまう」と書いてありました。

そういえば、写真を撮った時も雄しべの先がまるまり始めていたような気も…。
がぜん気になって「あのまま残っていれば良かった!」と後悔しました。

時間を見たら14時30分!
「昼過ぎに全部しおれるとは書いてあるけれど、いくつかの花はまだ残っているのでは?ちょっとぐらい遅くまで咲いている花だってあるに違いない!」

そう思って、再び見にいきました。
すると…

あれだけ満開だった花は、全て閉じていました!!(驚)


どの花も、縮んできれいに葉の中に収納されています。

残念〜。

ツユクサはこうやって葉に包まれながら、命をつなぐためのタネを作るようです。

この受粉方法は極端な近親交配となって遺伝的に劣った弱い子孫が生まれる可能性が大きいけれど、冬に枯れる1年草のツユクサとしては、何がなんでも子孫を残さねばならず、このような戦略をとっている…のだそうです。

ツユクサは日本中どこでも見られる身近な野草ですが、じっくり見ると面白いです。

まだたくさん蕾がついているので、次は雌しべと雄しべがクルクル巻き上げて葉っぱの中に収まるまで、観察したいです😊

(かな)
コメント
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