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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ハンミョウの歌

2013年05月16日 | ツアー
本日2回目のブログは、一昨々日のツアー報告です。
この日は東京から高速船で到着された一人旅の0さんを港で迎えて、ツアーがスタートしました。

0さんは、鮮やかなオオシマツツジ色のシャツを着ていました。

ね?

0さんは、デジカメを持って来なかったとのことで、私が代わりに写真を撮ることになりました。
リクエストされた風景の数々です。

青空と火口。

空をいっぱい入れてみました~。

26年前の噴火で火口からあふれ出た溶岩と新緑の平原。

この1本の道がカッコいいですよね。

雨の後だけ現れる、幻の湖の波。

センスの良い写真家なら、もっと素敵な写真になるのでしょうが、ただの波です…(笑)

アカメガシワの若葉。

「この色、可愛い~」と大絶賛でした。なんとなくシャツの色に似ていますよね。

外輪山を飾るツツジのピンク。

砂の上に転がる石も、存在感ありました。
0さんのリクエストと私が「撮りたい」と思うものがほとんど同じで、楽しく歩きました。

さらにこの日、三原山を下りたところで休憩していたら…

目の前を「東大地震研究所」と書いた車が通り過ぎ、ある建物の前で止まりました。

いつもお客様に「あれ、何ですか?」と聞かれても答えられなかった建物です。

「チャンス~」ということで、追いかけて行って中を見せてもらいました。

中には地震計と傾斜計と比抵抗計が設置されていると教えてもらいました。
(お仕事中に、ありがとうございました)

比抵抗計は、冷たい岩は電気が流れにくいけれど熱い岩は電気を通しやすいという特性を利用して、地下に電流を通してマグマの動きを測定するものだそうです。(毎日、自動で測定しているようです。スゴイ~)

と、このように色々と楽しいツアーだったのですが、何よりも印象に残ったのが、0さんが“コニワハンミョウ”に、すごく“こだわり”を持っていたことでした。

これは、数年前に撮ったコニワハンミョウの写真ですが…

この、目の前をピュンピュン飛んで逃げる黒い虫を見て「あら!ハンミョウだわ!」と言い当てる人は滅多にいません。

でも0さんはすぐに言い当てた上に、とても捕まえたさそうなのです。

???…
不思議に思う私の気持ちを察してくれたのでしょう。

「実は私、ソプラノ歌手で、もうすぐコンサートでハンミョウの歌を歌うんですよ。だから見たかったんです。」と、教えてくれました。

「え~!そうなんですか?ハンミョウの歌ってどんな歌なんですか?」←興味津々の私(笑)

0さんは、歌の台本をプレゼントしてくれました。
以下、ハンミョウの歌の歌詞です。

「南の国の夏の日盛りに、甘え、ふざけ、こびるハンミョウです。色の主題は取り集めた焦点の黄色で、取り合わされるのが小青とエンジとそして紫です。ハンミョウです。誘っては逃げ誘っては逃げ、巧みに身をかわし、身をそらし、とらえようとする手の尺ばかりを、常に先駆け(中略)花よりもキレイな宝石よりも美しいそのくせ手に死をあたえる恐ろしい、しかしただ一匹の昆虫です。うまく捕まえて飾りにでもしてください。」

この歌に出てくるのは、大島に多いコニワハンミョウよりも、ずっとキレイなこちらのハンミョウです。(写真提供0さん)

どうやら、女性を虫になぞらえて歌ったもののようです。
う~む、奥が深い…。

この日はウグイスが、美しい声で歌っていましたが、それよりも何気なく口ずさんだ0さんの歌が、とてもとても美しい声で感動しました。

0さんによると、歌を歌うということはほとんどスポーツなのだそうです。
ボイストレーニングをすると腹筋や背筋が鍛えられるので、腰痛が治る人もいるのだそうです。

最後に立ちよった裏砂漠。

こんな会場で、思いっきり歌ってもらいたいなぁ…。

0さんはツアーの翌日、元町の砂防ダムや港の足湯でコンサートで歌う歌の歌詞を覚えながら時間を過ごしたそうです。
 
コンサートは6月6日、市ヶ谷で開かれます。

ハンミョウの歌、聞いてみたい~。

(カナ)






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国立公園とジオパーク

2013年05月16日 | 火山・ジオパーク
今日はブログを2回、投稿予定です。
1回目は、ジオパーク研究会第4班主催の勉強会の報告です。

一昨日、夜7時から2時間弱、環境省伊豆諸島自然保護官 三宅里奈氏を講師に迎え「国立公園に暮らすわたしたち」というテーマの勉強会が開かれました。

島の広報でお知らせしたため研究会メンバー以外の参加もあって、参加者は28名でした。

(この写真のあと一番前に座ってしまったため、全員の写真は撮れていません)

伊豆大島を含む伊豆諸島が「富士箱根伊豆国立公園」に編入されたのは1964 年7月7日、今からおよそ50年近く前のことです。「雄大な火山景観を持つこと、プレートテクトニクスのダイナミズムが感じられること」という理由で編入されたのだそうです。

その後伊豆大島は「優れた自然の風景と貴重な生物を守り後世に伝えるために“自然公園法”によって様々な行為が禁止される」ことになりました。


伊豆大島に環境省の自然保護官の方が常駐するようになったのはちょうど1年前。

それまでも公共工事などで何か新しいものを作る時は、届け出がされていたけれど、今までは書類チェックだけだったものが、常駐するようになってからは現場を確認しやすくなったそうです。

ジオパークとナショナルパーク(国立公園)は兄弟のようなもの、というのが三宅さんの意見です。


それは、国立公園と重なっているジオパークが多いことからもわかるとのこと。

確かに…。

さて、30分ほどの講義のあと質疑応答が行われました。

たとえば…
「いつもどういう仕事をしているのか?」
「例えば建物を建てるとき、どういう場所に建てるのが良いか一緒に考えていく、というような仕事にしている。」

「大島では外来生物のキョンやリスが増えているようだが?」
「一度外来生物が入ってしまうと、駆除するのはなかなか難しい。今のものを増やさないこと、別のものを入れないようにする努力をしているというのが現実」

「八丈島などは火力発電が推進されているが、大島ではどうなのか?」
「八丈島は、島の中でエネルギーをまかなう必要があると認められたから。それが本当に必要なものであれば認められることもある。」

「大島の魅力は何だと思うか?」
「海と山がセットで見られること。三原山に何もないというのは、ここならではの環境でとても貴重だと思う」

…と、これ以外にもいっぱい、質問が出ました。
皆で国立公園としての大島を考えた、貴重な時間でした。

ところで今回の講義を通して、ジオパークも国立公園も目指すものは同じだと感じました。
「人間の今の暮らしや未来にとって本当に必要なものが何かを一緒に考えていく」関係なのだと思いました。

三宅さんの考えるジオパークと国立公園の共通の目的は…

同感です!!

三宅さんは、これから機会を見つけて時々ツアーに同行してくれることになりました。

「目指すものは同じ」という観点で、一緒に楽しいジオ物語をさがしていきたいと思います。

(カナ)

本日2回目のブログは、夕食後に書きます。
「人間ってホントに多様で面白い!」というテーマの(?)ツアー報告です~。(バリバリ予告・笑)





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