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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

火山の島

2012年01月24日 | 火山・ジオパーク
先日のフォーラム&講習で「あ~そうか!」と思ったのが、海岸を取り巻く壁の高さの違いでした。
下記の図をご覧ください。

これは、今回の演者の川辺禎久さんが作成された地質図です。
手書きの数字は海沿いの壁のだいたいの高さを表しています。

島の東側と南西部、ずいぶん高さが違いますね。
100mと50mなんて、2対1です。

今までは「島の東側は、もともとあった3つの古い火山が波に削られたため高い崖になっている。西側は今の火山の溶岩が海に流れ込んでいるために低いし海岸にも出やすい。」なんて、単純に考えていたのです。

しかし確かに西側は崖がある所とない所があって、高低差がありますね。

特に南西部の山側は側火山(三原山の兄弟的存在の火山)がないし、カルデラの壁もあって新しい溶岩が流れてこないため、だんだん波に削られて崖になったようです。

古い火山が削られた面が残る島の東側は、ちょっとゾッとするぐらいの高さだし…


元町近くの海岸は、散歩しながら「あ、ウミガメが頭を出した!」なんて観察をしながら歩ける高さ。


そう元町は、約670年前に沢から流れた溶岩に覆われた場所でしたね。
今、人が暮らしているのは、溶岩が作ったなだらかな土地の上…


でも元町からちょっと歩くと、低い崖があったりします。

う~ん、気にかけてみると西側の海岸の崖の高さって微妙に違いますね(^_^;)
いったいどんな物語が、この崖の高さの違いを作るのでしょう?

溶岩のしぶきが降り積もった地面は崩れやすく、台風の後ではなくても突然崩れることも多いようです。
これは、波のせい?それとも雨が時間をかけて削って?


ここも…


本州より雨が多く風も強く波の影響も受ける火山の島、大島。
噴火で溶岩が大地を作ってくれなければ、人の住む場所もなくなってしまう場所。

山だけではなく、もっと火山と海との物語を探してみるのも楽しそうです。

海岸の壁のちょっとした高低差にも不思議を見つけられる柔軟な心を持って、さらに伊豆大島ジオパークを楽しみたいと思います(^^)v

(カナ)







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