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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

クズ百面相

2010年02月11日 | 植物
寒い冬の間、葉を落とした落葉樹たちはひっそりと眠っているかのようです。
でも…実はしっかりと、春に向けての準備を整えているのです。
その姿が冬芽です。

「今年は冬芽観察するぞー。」と思っていたのに、延び延びになっていました。

そんな折、森林インストラクター間のメールで、冬芽観察会の報告が流れてきました。
メールに触発されてネット検索してみたら、世の中には“冬芽ファン”が沢山いることがわかりました。
しかも人気投票なるものが行われていて、なんとクズがダントツ一位に輝いているではありませんか!

「クズの冬芽ってそんなに可愛かったっけ?」
さっそく近くのクズを調べてみることにしました。

近くの沢でクズの枝をたどってみたら…。
あれれ?こ、これがダントツ一位の可愛い冬芽?

何だか眉間にしわが寄って、超不機嫌な怖い顔に見えるのですけど…。

あきらめず別の枝を探してみました。
そうしたら案外簡単に可愛い顔が見つかりました。

「ママお腹すいた~。」


「イヤ~ン。」


ウインク!!

だんだん調子に乗ってきました(笑)。

細い枝にも顔があるのでしょうか?

細い枝には赤ちゃんっぽい(というか何となく猿っぽい…?)顔が付いていました!


この顔に見える部分は葉痕と言って葉っぱ散った痕で、その上に冬芽が付いています。
目や口に見える部分は水や養分を運んでいた管の痕だそうです。

大島ではどこにでも見つかるクズのツルに、実はこんなに様々な表情が隠れていたのですね。

ところでクズの葉痕を見ているうちに、何となく“こけしの顔”に似ているように思えてきました。

「藤井工房(http://www.island-net.or.jp/~ankosan/sub3.html)に行けば、同じ顔をした“こけし”が見つかるかも…。」
そんな期待を胸に、工房を訪ねてみました。

思った通りのイメージのものが見つかりました。
ヤブツバキの木に彫りこまれた、この人形の顔ですが…

どことなくこちらと似ていると思うのですがいかがでしょうか?

ノミとカナヅチを手に60年間、大島の木を使った人形を掘り続けたという藤井重治氏の作品。
その人形にそっくりの顔が、私たちの身近な自然の中に隠れているかも知れないのです。

そんなふうに思ったら、冬のヤブも宝の山に思えてきました(笑)。
これからしばらくは虫メガネ片手に、道端の樹木に張り付くことになりそうです。

さて最後に問題です。

昨日見つけたこの動物顔は誰でしょう?

梅雨時に咲く、準固有種の植物です。
島内在住の方、身近にありますから是非探してみてくださいね~。

(カナ)

コメント
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