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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ウミガメ赤ちゃんの旅立ち

2011年08月21日 | 哺乳類、爬虫類、他
先日仲間内のメールで、夕方ウミガメの子どもの孵化状態を調べ、まだ生きている子ガメがいたら海に放すとの連絡をもらいました。

ウミガメの子どもの旅立ちは、いつか見てみたいと思いながら、毎年真夏の最繁忙期と重なるため一度も見たことがありませんでした。
今年は何とか時間が作れたので、初めて参加しました!

集合時間は17時30分。夕暮れ時の海岸に人が集まってきました。
結構波が高く、海岸線には白い飛沫が砕けています。

「生まれたばかりで初めての旅立ちが、こんな荒れた海で子ガメ達は大丈夫なんだろうか?」
…そんなことが気になるような海でした。

ある程度人が集まったところで、説明が始まりました。

ウミガメの産卵や生態などの説明をみんな真剣に聞いています。
(ちなみに、説明しているのはこのブログでもおなじみの成瀬です。)

巣穴の保護ロープには、こんな張り紙もされていました。


砂浜には、この日の朝巣穴を出て海へ旅立っていった子ガメの小さな足跡が残っていました。

もう20年近く、ウミガメの子どもの保護と孵化率調査を続けているメンバーの人々は、毎朝浜辺を巡回して子ガメの足跡を探し、足跡を確認したら巣穴をほって調査をしてきたのだそうです。

この日も巣穴からは次々に卵が掘り出され、子ガメが無事脱出して殻だけになった卵と、中身が入っている卵とに分けられていきました。

真剣な表情で卵をのぞきこむ子どもたち。
「触っていいの?」「ウワ~、ホントだ。柔らかい!」

成長途中で死んでしまった卵の中身は、1・まだ生卵状態(?)のもの、2・黄身がついた状態で子ガメの形ができ始めているもの、3・もう完全に子ガメの形が出来上がっているものなど様々でした。

死因の原因は、地面の中の温度が高くなりすぎることが多いようです。
大島の火山は黒い溶岩を噴出するので、砂浜も黒い色をしています。
素足では火傷しそうに熱い大島の砂浜は、カメの子どもにとって厳しい環境なのでしょうね。

今回は合計8匹、卵の中に自力脱出できなかった子ガメが残っていて、籠の中に入れられていきました。

元気に動き回るもの、弱っていて動きの鈍いもの、様々でした。

卵を掘り終えたあと、籠に入っている子ガメを海に放す時間がやってきました。

小さな子ガメたちにとって、人の足跡のような少しのくぼみも這いあがるのが大変なようで、みんな必死になって手足を動かしながら砂をかき分け進んで行きます。

子ガメが海へ向かう時、この“砂浜を這って、自分の力で海に向かう”という行動が大切なのだそうです。
この行動によって、荒れた海で波にもまれても、方向を定めて沖に向かう方向感覚が身に付くのだそうです。

子ガメは時々動きを止め、顔を上げて海の方向を見定めてから、また海に向かって進んでいきます。

小さな手足を必死になって動かしながら、ひたすら海へ。


まっすぐに海へ。

「あともう少し、頑張れ~!」

ひたむきな子ガメの姿に心からの声援を送っていたら、大きな波がやってきました!
(写真ボケボケでスミマセン~。かなり慌てたもので(^_^;))

大波は一瞬で歩いていた子ガメたちを呑み込みました。

みんな無事に海へ旅立ったのでしょうか?

波が洗った後の砂浜を見渡したら、黒い小さな影が残っていました。

波でひっくり返ってしまった子ガメは、最初起き上がろうと手足をバタつかせていましたが、やがて力尽きたように動かなくなりました。

「あ、もう自力で起き上れないね。」「頑張れ~!!」
…結局、この子ガメは翌朝までバケツの中で保護され、少し元気になってから海に放されることになりました。

この日、自力で海に旅立った子ガメは4匹、体力回復後、海に放されることになった子ガメは4匹でした。
生きるために小さな体で荒波に向かっていた子ガメたち…何だか胸の奥がジ~ンと熱くなるような、満ち足りた気持ちを味わった、素敵な時間でした。

ウミガメが産卵に上がってくる自然な砂浜が残っていること、
そして19年もの長い間、毎朝産卵シーズンの砂浜を巡回してウミガメの産卵のデータを取り、保護活動を続けている人々が存在するということ…こういうことって絶対に大島の宝物だって、心から思いました(^。^)

この宝物を大切にして、みんなで次の世代に引きついでいきたいですね。

島内にお住まいの方で、ウミガメの旅立ちに立ち会いたい方は、下記メールか、成瀬(4-0877)までご連絡ください。
今回のような機会がありましたら、出来る限り連絡します。(人数が多すぎる場合は連絡しきれない場合もあるかと思いますが…)
gscrikuguide@amail.plala.or.jp

(カナ)


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ムチャクチャかわいい!!

2011年08月06日 | 哺乳類、爬虫類、他
イタチですよ。
昨日の朝、なんかいないかな~?とぶらぶらしていたら突然「ガッ!!」という奇妙な声が。

ななななに!?
今の変な声!
鳥や虫であんな声出すのっている!?
確かこのブロックが積んであるとこからしたけど?
しばし呆然ー。

すると。

ひょこっ!

!!??

我が目を疑いましたヨ。
まさかイタチが顔を出すなんてー。

「さっきたぶんニンゲンってものがいたようだけど・・・」

「気のせいだったのかな?」

去年の9月10日の当ブログでも成瀬がイタチをご紹介しています。
残念ながらそのときは事故死したものでした。

きょろきょろ。



にょろ~。

ブロックの隙間からモグラ叩きのように顔を出します。
私との距離、わずか1メートルほど。
なんか変だな・・・と思っているのでしょうが私がじっとしているので慌てて逃げ出したりはしません。
もしかしてまだ気付いてないのかも。
しきりと匂いを嗅ぐ仕草をしていました。

「ニンゲン、いるの?」

いますよ~。

今度は下から~。

白い鼻先がチャームポイント。

またこの隙間。
くんくん。

「なんか匂うぞ」

次はあっち!
「あれがニンゲン・・・?」

お、気付かれた?
むー、かわいい!!

全身出てきました。
大きいのでオス成獣だと思います。

しかしピントが手前の草に来てしまったよ~(涙)

またこっちだ。
「ニンゲン?」

カメラ目線!
この手!
かわいすぎる!!

オイオイ、乗り出して来ちゃったよー!

かわいい!かわいいったらかわいい!!
「あんたニンゲンなの?」
ハイ、ニンゲンであります!


このあとしばらくしてブロックの砦から一気に走り出して藪の中に消えていきました。

野生のイタチをこんなに間近に見るだけでなく写真も撮ることができてとってもうれしかったです。


                     がんま

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森青蛙

2011年04月15日 | 哺乳類、爬虫類、他
オオシマザクラが花盛りで、海のすぐ近くまで咲いているのが分かります。
見出し↑の写真は、間伏の地層断面の所から海の方を撮りました。

この辺りは、海蝕崖の下に土石流や泥流が堆積しているそうですが、
都道の歩道から下を覗き見る限り一面の雑木林で、
サクラの花園としか見えません。

この1週間、ハラハラと散るサクラの花びらを楽しみました。
花吹雪で、道の脇は雪が積もったようです。
夕方から雨が降り出し、前線が通過するそうなので、
一気に散ってしまうのかもしれません・・・残念です。

春の花々が果樹園でも咲いていました。

昨日のマルバグミは、もう実になっていましたが、
こちら↑は、ダイオウグミ。
まだ花で、6月頃に特大の実が赤く熟して食べられます。
トウグミを改良したものらしく、
実の大きさからかビックリグミとも呼ばれます。
オオシマザクラの実が美味しくなる頃、一緒に食べられます。


これ↑は、ヒメリンゴの花です。
リンゴやナシの花もきれいですね。

次↓は、柑橘系のカラタチ。

「♪カラタチの花が咲いたよ~?
~カラタチの棘は痛いよ~♪」
歌詞を忘れてる(汗)

昨日のミヤマシキミは、ミカン科でカラタチと同じグループです。

ちなみにシキミは、モクレン科なので、ややこしいですね。

こちら↓は、シモクレンとも呼ばれるモクレン。

ハクモクレン(白木蓮)に対抗して、
シモクレン(紫木蓮)なのでしょうね。

この春も、モリアオガエルが来ました。
10日(日)に、鳴いているのに気付きました。

カカココッ! カカココッ!
翻訳:「ここにいい水場があるよ!」

これ↑は、13日に姿を確認できた1匹。
山から下りて来てお疲れなのか?
まだ、ちょっと寒いのか?

伊豆半島の天城山中にある八丁池や不知沼(しらぬた)の池では、
標高が1125メートル程あるので、
産卵期が5月下旬~6月中旬と遅いそうです。
かの地は、国立公園の特別保護区に指定されていて、
モリアオガエルは天然記念物として保護されているそうです。

大島では移入種ということで、
淋しい存在です。

何となく、ねむそう↓です。

長旅で疲れているのかもしれません。
鼻の先をケガしているような?

これは、いいですぞ! 個体識別ができそう。




今日見てみると↓


ほぼ同じ場所に
鼻先の目印がない子がきてました!

違う個体です。

たぶん、違う個体だと・・・?

2日で治癒する? 

(なるせ) 


≪ 後 記 ≫
モクレンの写真は、「サラサモクレン」では?
とのご指摘を頂きました。
花弁の外側が薄紫色で、内側が白色のものは、
ハクモクレンとモクレンの雑種の
サラサモクレンとのことです。
その存在を知りませんでした。
今までモクレンを見たことがないかも?!

森林インストラクターの方からご教示頂きました。
助かりました。どうもありがとうございます。
              (4月30日)
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レッドデータ調査報告 最終回

2011年01月05日 | 哺乳類、爬虫類、他
皆さん、3が日も終わりいかがお過しでしょうか?
素敵なお正月を過ごされましたでしょうか?
2011年初の水曜日。
海スタッフは新年初のブログです。。

と書きつつも、今回は全然海とは関係ない話・・・
昨年にVOl.2まで書いた「レッドデータ調査報告」をまだ最後まで書き上げていませんでした。
前回の記事は11/3日と17日です・・・
少し間が空いてしまいましたが最終回を報告したいと思います。

再度書きますが、2010年10月18日~21日にかけて
東京都のレッドデータブックの再登録に伴う調査が行われました。
私がご協力させて頂いたのは「汽水・淡水性のカニ類」の調査です

午前中に筆島・砂の浜をまわった我々は、午後からフノウの滝へ行く事にしました。
フノウの滝とは島の東側の山奥にある滝で
大量の水が岩肌から流れ出ています。
現在は島民の飲み水用に使われている為、下まで流れ出してはいません。
しかし、それでも溢れ出る大量の水は、水を受けるコンクリートからこぼれ出し、海へと急斜面を流れて行きます。

陸ガイドスタッフの鴻池にガイドを頼み、一緒に行ってもらいました。
キャンプ場「海のふるさと村」から途中までは車で行ったのですが後は徒歩です。
鬱蒼と茂る森の中に初めは舗装された道が続きます。
しばらくするとそれも無くなり、完全な山道です。
左右を大きな木に囲まれて歩くのは本当に気持ちの良いものです。
途中で植物の説明を聞いたり、陸生貝を観察したりと歩く事約1時間

やっと目的の場所に付きました。
近づいて行くと「ジャバジャバ」と水のこぼれる音が聞こえて来る程です。
草を掻き分け目的の生物を探します。
暫し探すと、見つかりました~~今回の目的サワガニです。


サワガニは日本固有種で、通常河川に生息しています。
モクズガニやベンケイガニと違い海に降りる事は無く、一生淡水で暮しています。
サワガニ(沢蟹)と言われる様に綺麗な水にのみ生息出来るカニで
水質階級の指標動物にもなっています。フノウの滝の水はやっぱり綺麗な良い水なんですね~

大島にも生息しているカクベンケイガニやアカテガニ等は海に幼生を放出しないといけませんが
サワガニは雌が抱えている卵の中で、幼生が変態します。
つまり生まれた時から、普通のカニの姿をしているのです。
その為、長距離の移動は出来ませんので、地域集団毎に遺伝子レベルでの分化が認めらています。
例えば、近縁のヤクシマサワガニ等は屋久島の固有種になっています。
約10種類位が日本に生息していますが、その大半が絶滅危惧種に指定されています。

黒潮を利用した分布拡大が出来ないサワガニが何故大島にいるのでしょう?
考えられるのは人の手によって持ち込まれた事です。
何故・何時持ち込まれたか分りませんが、そう考えるのが自然でしょう。
食用に持ち込んだのか、他の植物に稚ガニがくっついて来たのかは不明です。
どちらにしても見事に繁殖をし立派に世代交代を行っているようです。

もしかしたら何かの漂流物にくっついて運ばれて来たのかもしれません。
初めは卵を持った雌1匹だったのが、ドンドン数が増え今の様になったのだとしたら
なんてロマンのある話でしょう?自然の逞しさを感じます。

今回の調査では、標本を数匹持ち帰っています。
先にも書きましたが遺伝子レベルで調べれば、どこの個体群と同じになるのか分るはずです。
こちらの調査もして頂く事になっています。
もしそれが、黒潮が本土に近づく場所の個体群と同じ遺伝子ならば、「流れてきた説」もまんざらでは無いでしょう

もしかしたら後数百年もしたら遺伝子レベルで違いが生まれ「オオシマサワガニ」なんかが生まれるかもしれませんね~

以上で3回に亘る調査報告も終了です。
大島という小さな島にこれだけ貴重な生き物が棲んでいます。
汽水・淡水性のカニという狭いカテゴリーですら、これ程の数が見つかるのです。
中には、大島以外では普通に沢山いるという種類もいます。
しかし、だからと言って大島の物が貴重では無いと言う事にはなりません。
生物には環境が大事です。砂浜や磯、そして今回の様な滝。
この環境が無くなれば、一緒にそこに棲む生き物も消えて行きます。
これを守っていけるのは、人間しかいません。島に住んでいると、目の前にある海や山が何時までもある「当たり前の物」の様に感じてきます。
それは、決して「当たり前の物」では無く「守って行く物」なのです。
守って行くからこそ「当たり前」に目の前にあるのです。
一人一人がこれを意識して行く事で、小さな生き物の命が守られて行きます。

自然環境を守りながらの開発。これからの大島に必要ですね。

有馬
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天使のつばさ

2010年12月24日 | 哺乳類、爬虫類、他
 今日は未明から強風の1日でした。ほとんどの船便・航空便が欠航になったようです。

 昨年もクリスマスの頃に赤い実のついたシナヒイラギの小枝を見出し画像にしました。
今年もと思いながら、撮影しないでいると、肝心の実がほとんどなくなってしまいました!
何とか、葉陰に実を見つけて、ホッとして撮った1枚です。

 昨年は、あれからしばらくヒイラギにはまりました(笑)


 ヒイラギの葉の形は、コウモリ傘の形に似ています。


 いつものことながら、強引な話の展開に我ながらあきれます(^_^;)


 コウモリ傘は、当然のことながらコウモリの翼:つばさの形に似ています。



 コウモリのつばさは、こんな感じ↑です。

 こんなふうには、なかなか観察する機会のない動物だと思いますが、
比較的身近にいる野生動物です。気付かないだけで、皆さんの身近にも・・・。
 11月下旬頃でしたか?
ハロウィンにはカボチャとコウモリのキャラクターが街中にあふれていましたね。


 今月の初め、スタッフの1人が、道路上で轢かれて「せんべい状」になっていたコウモリ(この個体↑↓)を届けてくれました。

 それにしても、自宅前の道を清掃中に見つけた注意力には脱帽です! とっても小さくて私なら見過ごしています。

 生きている野性動物を採取・捕獲することは原則禁止ですから、こういう機会はとても貴重です。

 たとえ、ぺしゃんこの「せんべい状態」でも、じっくり観察すると、いくつか分かることがあります。



 さいわい、この個体は、つばさの傷みは少なく、ほぼ原型のままです。1枚目の写真では、つばさの陰になって見えなかった親指の先↑が横から見ると確認できます。これは左側のつばさです。

 爪が2ミリ程、全体で4ミリ程の親指です。コウモリのつばさは、ヒトの「てのひら」に当たる部分と、親指以外の指の骨が長く伸びて薄い膜状の皮膚に覆われている構造です。
 
 カエルや水鳥の「水かき」をより広くしたような・・・感じ。

 
 つぶれて正確な計測が出来ませんが、頭と胴の部分の長さ:頭胴長は4センチ~4.5センチ程。耳珠という部分のない大きな耳。鼻葉というユニークな鼻。前腕長37.8ミリ。体色。

 私の親指と同じくらいの大きさです。
 
 

 上記のことから、この↑個体はコキクガシラコウモリと分かります。

 リニューアルした都立大島公園のインフォメーションセンターに展示されているコウモリの剥製は、つばさを広げると30センチ程にもなるキクガシラコウモリです。名前に「コ」が付くか付かないかだけの違いで、近い仲間です。

 大島では、大きなキクガシラコウモリの方をよく見かけます。
でも、夜間に黒っぽい姿で飛び回るコウモリをじっくり観察することは出来ないので、正確なところは分かりません。

 
 こちら↓は、アブラコウモリの剥製です。背中側から見たところ。



 本州の、特に街にも郊外・住宅地などでも見かけることが多いのは、このアブラコウモリです。画像の下方に置いたノギスは、5センチに開いてます。とても小さいことが分かると思います。

 大島で瀕死の状態のものを保護しましたが、程なく死んでしまいました。
2002年の秋のことです。その後、元国立科学博物館にいらした吉行瑞子先生に仮剥製にして、種の同定をして頂きました。

 大島でアブラコウモリの生息が記録されたのは、1952年のことです。東京都衛生局が、七島熱の調査研究のため、ツツガムシの宿主を調べた際の記録です。その後の記録はありません。

 大島には、アブラコウモリの生息数がとても少ないのか、何かの偶然でやってきた「迷コウモリ」だったのか?

 こちら↓は、同じアブラコウモリのお腹側です。



 日曜の朝、テレビのアニメ「チャロ」で、小悪魔が飛んでいるシーンがありました。背中で、コウモリのような黒い翼がはばたいていました。永井豪のコミック「デビルマン」も背中にコウモリのような黒い翼を付けてましたっけ。

 ラファエロの描いた聖母子画などに登場する天使の背中には、鳥のような羽根のついた白っぽい翼が付いています。

 「天使」と「悪魔」ってどんなイメージですか? こんな↓感じでしょうか?

 悪魔 = 暗闇、夜、冷たいイメージ、黒っぽい・・・地下、洞窟、廃墟、

・・・コウモリを連想

 天使 = 昼間、明るい温かいイメージ、白っぽい・・・天国、天上、

・・・小鳥を連想

 
 コウモリは、なかなか、しっかり観察出来ないので「幻の生物」ではありますが、哺乳類ですから、温かい血が流れ、子どもを産み母乳で育てる、私たちヒトにとても近い生き物です。

 悪魔というより天使的だと思いますが?




参考図書『知りたいサイエンス コウモリのふしぎ 逆さまなのにもワケがある』
船越公威・福井 大・河合久仁子・吉行瑞子=共著 技術評論社 1580円



【おまけの写真】
 昨日、岡田港から見た富士山です。


 
 

(なるせ)

今夜のBGM♪
スティービー・ワンダー『バラード コレクション』

中でも、小鳥の声で始まるOverjoyedが好きです。
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夏の思い出 ウミガメ

2010年09月13日 | 哺乳類、爬虫類、他
今年の夏、大島の砂の浜では3頭のアカウミガメが産卵してくれて、その子たちも無事海に旅立ってくれました。



優しく掘り起こすと小ガメ達も必死で掘り掘り(この夜あたりに自力脱出できそうでしたが)
小ガメにしたらあんなに深い砂の中、這い出してくるのは大変!


生まれたての小ガメは海の中に潜ることができないそうです。


箱入り、後で数えますから。(この時は掘り上げが早かったのでこんなにいました)



小さなカメさんはしっかり海まで歩いていきます(歩かせなければいけないそうです。何でも先回りしてやってあげる事は人間でもカメでもいけないのですね)


みんなで見守っています。
元気でね。又、ここに戻って来てね~。


めでたし、めでたし。と行きたいところ しかし、

残った巣の中にはこんな子達も…

もう少しで孵化出来そうだったのに


もう少し前のもの


未授精だったのでしょうか?


左側は脱出した亀の殻、右側の丸いのはは孵化出来なかった卵。白手袋の心やさしい亀の保護さん達


砂浜の減少で産卵場所も少なくなり、産卵しても気温の変化(今年は特に高温でしたし)台風・降雨など自然環境で。生まれても捕食者にさらされて生き残るのはわずかですが、最大限に守ってあげたいですね。しかし、一般の人がウミガメの捕獲や飼育はもちろん産卵した場所を掘ったりすることは禁止されています。今回の人達もちゃんと許可されている方達です。夏場は海岸の見回りをしたりして亀の産卵が無いか、気温や雨で産卵場所が高温・低温にならないか、台風で産卵場所が流されないか、日夜行動しています。

私達も行動したいものです。大げさなことでなくても
※1つでも2つでもゴミを拾う。(捨てないのはもちろんですが)
※環境について考える。(家の下水は海に繋がっていますし)  

  来年も又こんな子亀さんに会いたいものです        (しま)
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交通事故!・・・昇天

2010年09月10日 | 哺乳類、爬虫類、他
 きのうは、子ギツネの尻尾の話でしたが、
可憐な花の画像で良かったですね。

 今日は、短い前足に肉球、するどい爪、こんな画像からです。

 この1週間イタチに出会う機会が多かったのものですから。
イタチたちもブログへの登場の機会を待ちわびて・・・

 おとなしく写真を撮らせてくれるタイプじゃないけど・・・ 

 こういう出会い方は、とても残念です。


 ・・・浮かばれないイタチに憑かれたのかも。(汗)

 1週間前の9月3日、午前10時頃、間伏地区の都道で接触事故だったようです。
死んでから、あまり時間が経っていないようでした。

 クルマの前へ、リスやネコが飛び出して、ひやっとさせられることがあります。
大島での野生動物の交通事故は、タイワンリスが最も多いのではないでしょうか。
リスは絶対数が多いのと、横断途中で立ち止まるのが事故多発の原因かな?。

 イタチの事故死体も見かけますが、少ないです。



 大島のイタチは、本州などにいるホンドイタチ(ニホンイタチ、または、イタチとしている図鑑などもある)の小型亜種で、オオシマイタチといいます。
伊豆諸島では、大島だけに自然分布しています。

 野生動物を捕獲するためには、都道府県知事の許可が必要だったり、捕獲する地域などによっては、環境相の許可が必要だったり・・・いろいろ手続きが大変なようですが。

 事故で路上にあると、カラスやトビ・・・物好きな私のような人間が・・・


 この個体の頭胴長(鼻先から尾の付け根まで)は、約30センチ、尾長は約13センチでした。
若いオスのようでした。貴重な機会を有効活用して観察させてもらい、埋葬しました。

 翌4日(土)の夕方には、かっぱの池に近い都道上でもイタチの轢死体がありました。



 次は一昨日、元気に生きているイタチを見ました。波浮港17番地で午前10時半頃。

 1頭が竹やぶから町道へ飛び出して、反対側の繁みへ消えると、竹やぶがガサガサ揺れて、もう1頭が、後を追って道を渡りました。
 そして、またしばらくすると、向こうの繁みから走り出して来て、竹やぶへ飛び込みました。

 こんな場面は、カメラを手にしていたとしても撮れません(笑)

 地上を素早く走り回って、ネズミなどを捕食するそうです。うちの庭に出てくることもありますし、時々落し物(フン)があるのでいることが分かります。

 以前、夏の頃のフンが、セミの幼虫でいっぱいだったのには驚きました。地表へ出て羽化地点まで歩いているセミの幼虫を捕らえるのは、ネズミを捕るよりずっと楽でしょうね。美味しいのかも? 




 マムシやトカゲの轢死体も、この夏たくさん見掛けました。(涙)

 最初は接触事故で、外傷があまりなくても、後続車にペシャンコにされないように、せめて道路脇の草の中へでも入れてやりたいものです。

 とにかく、クルマは急に止まれません。

 みなさーん、ゆっくり走りましょうね!!

【今日のおまけ】は、ヘビです。
           ↓





 8月中旬の朝、海岸の見回りの帰り道で、路上に横たわっていました。接触事故と思われます。
大きなアオダイショウで、まだ息がありました。道路脇に移しましたが、その後のことは分かりません。

 普段、アオダイショウも時々出会いますが、すーっと姿を消してしまうので、なかなか撮影ができません。こんな時でないと、全身を写すなんて私には出来ません。

 だからといって、こんなチャンスを望んでいるわけじゃありませんよー。


 やはりクルマは、ゆっくり。

 狭い大島、そんなに急いで、どこへ行く!?

 
 (なるせ)
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キセルガイは旅のお守り

2010年09月08日 | 哺乳類、爬虫類、他

台風が近づいて来ています。と言ってもそんなに影響が出そうにないので一安心です。
しかし、早速久し振りの雨が降ってきました。
晴れていれば、猛暑だ熱中症だと騒がれますが、やっぱり雨より晴れの方がいいですね~
雨で喜ぶのはキセルガイを含む、カタツムリの仲間だけですね。。。

そう言えば、この貝に出会ったのも梅雨の雨の上がった後でした。
グローバルの看板犬「ゴン」の散歩中に発見したのでした~
店を出て、ゴンの引っ張られるまま歩いて行くと、ふと木の幹に付いているキセルガイを発見しました。
今は手に入らない「原色日本陸産貝類図鑑」を図書館で見た時に、「樹上性」と記述があるキセルガイの仲間があるのを記憶していました。
もしかして~と思って一応持ち帰ってみたのが、この「ヒクギセル」でした。


前回に書いたヒカリギセルと似たような体色ですが、もっと色が淡く薄いです。
大きさは2cm位とハコネギセル等に比べると小さいキセルガイです。
いや~ 色々なキセルガイが大島にもいるもんです。

しかし、移動範囲の狭いこの手の陸産貝類がどうやって大島に来たのでしょう?
そもそも陸貝は、そういった理由から特異性が高くなり、貴重種も数多く含まれる生物相になっているはずです。
考えられるのは、物資に付いてきたりと人為的な要因で島に運ばれて来たという理由が考えられます。

他に故意に人がキセルガイを持ち込む理由があるのか?と調べてみたら
面白い事実を発見しました。九州地方とその周辺の地域には、旅や出征に出るときにお守りとして持ちあるく風習があったそうです。
神社の樹に付いているキセルガイを持って行き、無事に戻ったら元に戻すそうです。
キセルガイの仲間は、乾燥や飢餓に比較的強い生き物です。
そんな理由から、お守りとして持ち歩く事になったのでしょう。

残念ながら、樹に付いていると言っても「ヒクギセル」ではないようです。
ヒクギセルは伊豆・房総・三浦・伊豆諸島に広く分布しています。
九州地方には、分布していない様です。
しかし、ヒクギセルにはちょっと不思議な謎があります。
関東に分布の中心を持つヒクギセルですが、愛知県の熱田神社にのみ飛地分布しているのです。
神社と言う共通点といい、関東にも旅のお守りとして持ち歩く宗教めいた風習があったのかも知れませんね。
そんな理由で大島に来たとしたのなら、何だかロマンがありますよね~

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渚のお宅訪問

2010年09月03日 | 哺乳類、爬虫類、他
 海水温は、9月も高い状態が続くので、まだしばらくウミガメが産卵に上陸する可能性があります。
子ガメの孵化・脱出を調べることもあって、毎朝、近くの浜辺へ通っています。

 今朝は、イソヒヨドリが賑やかに鳴いていました。
カメの巣の保護柵に寒冷紗を掛けて、地温を調節していますが、
イソヒヨドリはネットの下の日陰で涼んでいるのか・・・? 
足跡がたくさん残っていました。虫でも捕っていたのでしょうか?


 砂に開いた穴は、虫の巣でもないし、子ガメの脱出した跡でもないんです。


 
 朝の砂浜で目立つ穴は、スナガニの巣穴です。
夜の内に、巣穴を修復して、深い所の湿った砂を運び出すので、
こんな↓ふうに、砂の色が違って見えます。
特に、このところ晴天続きで地表面はカラカラに乾いてますからね。




 穴の直径は、箸を刺して開けたくらいから、
私の太い指が入るくらいのものまで、さまざまです。

 でも、よく見ると波打ち際に近い方が小さく、浜を登るほど大きいような・・・?

 大島には、スナガニ科の2種・・・スナガニとミナミスナガニ・・・が
いると文献にありましたが、まだ、確認していません。

 ミナミスナガニは、甲羅の幅が約2.5センチ、
スナガニは甲幅が約3センチと一回り大きいそうです。

 すると、波打ち際の近くに巣を作っているのがミナミ?
高潮線より上に深い穴を掘るというスナガニが浜の高い位置に巣を?
 
 これは今後の研究課題として、スナガニ類ということで話を進めましょう・・・(汗)



 どうです、↓こんなラブラブの巣?もありました!



 2世帯住宅かもしれません?

 巣穴は、かなり大きいです。500円玉くらいの直径。
深さは、どの位あると思いますか?

 1メートル以上あるはずです。巣穴の主人・・・いや主ガニを捕るには、
昼間に巣穴を掘るのが確実です。

 子どもの頃、やりませんでしたか?
巣穴の口から、乾いた砂を少しずつ中へ入れて穴を埋めてしまいます。

 それから、掘って行きます。すると・・・
深い湿った砂の中に乾いた白い砂の線がハッキリ見えます。

そして、その先にはスナガニが。



 こちら↑、V字状に2種の甲殻類が歩いた跡、お分かりでしょうか?

 スナガニは、カニ類でもっとも目が良く、
走る速さは、時速8キロ程だそうです。

 身軽で、すばしっこいスナガニ類が右側、
重たい貝殻を背負ったオカヤドカリが左側です。

 子ガメの這った跡は、今度ご覧頂きましょう。また少し違います。



 満潮線より下の潮の引いた湿った場所↑で、
朝日を浴びて一生懸命に巣穴を掘っているスナガニがいました。

 小さいカニです。若いのか? それともミナミスナガニ?



 「カニの横ばい」と言いますが、スナガニはジグザグに走ることもできます。

ただ、波打ち際に追い詰められると、固まって走れなくなってしまいます。

 それで、こんな具合に・・・。




 甲の形が、丸みを帯びているようなので、ミナミスナガニなのかもしれません。

 スナガニのはさみ脚は、左右で大きさが違い、大きいハサミにはギザギザがたくさんあって、
それをすり合わせて音を立てるらしいのです。

 ミナミスナガニには、それがありません。・・・が、小さな個体だったので分かりませんでした。すぐ、放してやりましたよ。


 黒くて大きな目が、なんとも可愛らしいカニです。


 (なるせ)




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こちら爬虫類

2010年08月27日 | 哺乳類、爬虫類、他
 暑い日が続いて、疲れ気味なのは人間ばかりではないようです。

 アオダイショウが、藤棚の葉陰で昼寝をしていたり、トカゲが石の上で体を冷やしていたり・・・。

 トップ画像、涼しげなアオジソの葉の上で涼んでいるのは、カナヘビのようです!

 ウソですよー! メード イン チャイナ、とってもよく出来ています。
お客様から頂いたストラップの金具を外して、フィギュアだけにして撮ってみました。

 こちら↓は、本物。


 このスタッフ日記にも度々登場しているオカダトカゲ君。

 木陰の石の上にへばり付いて、カメラを取り出す間も動こうとしませんでした。

 じっとしてるからさあ、格好良く撮ってよね!

 それなのに、どうしてピントが甘いの(汗)

 幼体や若い時には、尾が青色で体もカラフルに輝いて、よく目立ちます。



 これは、オカダトカゲの成体のフン。
この辺りには、いつも主のように大きなオカダ君が、チョロチョロしていて、
こんな感じのフンがたくさん落ちています。

 それにしても、これ↑は、ちょっと大物。長さ3.3センチ、太さ5ミリ近くあります!!

 成体のオカダトカゲは、25センチくらいあります。
伊豆諸島と伊豆半島の一部に生息する固有種です。

 主に地上で、昆虫、ミミズ、クモなどを捕食します。



 こちら↓は、カナヘビ君。


 こちらは、メードイン大島で、実にかわいいです。

ハチジョウスズタケという笹の葉の上で、じっとしていました。

涼んでいたのか、獲物が来るのを待っていたのか。

昆虫やクモなどを捕食します。




 普段は、素早く逃げて行ってしまうのに、おとなしく撮らせてくれました。

 せっかく被写体がいいのに、接写が苦手なカメラなもので・・・、と言い訳をして。

 オカダトカゲは、トカゲ目トカゲ科。
カナヘビは、トカゲによく似ていますが、トカゲ目カナヘビ科です。

 カナヘビの舌は、ヘビに似て細長く、深く二又状で、口の外へ自由に伸出させることができるようです。

 今回写真には撮れませんでしたが、尾が細長く、オカダ君より一回り小さい全長20センチ弱くらいです。



 お取り込み中↓を、失礼!


 恐竜たちの末裔(まつえい)と言いましょうか。
生き残りであることを感じさせられます。

 体の約3倍ほどある長い尾がよく分かると思います。ボヤケてますけど(涙)。
敵に襲われると尾を切って逃げ、尾はよく再生します。




【おまけの爬虫類】


 出来るだけ自然に近い状態で孵化させ、子ガメたちが海へ出発するのも、自力で行くようにするのが、野生動物の保護をする立場と考えています。
 しかし、今回は失敗して、産卵巣を発掘するタイミングが早すぎました。
 子ガメたちには、砂の中から自力で脱出し、夜の浜を這って、海へ入るという経験が大切です。

 体験が大切なのは、人間の子どもたちも同じですね。

 (なるせ)





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