今年の2月末に、同僚の柳場から「新火口展望台(三原山を西側から見られる展望台)」のすぐ近くに猿がいたよ。いっぱい写真を撮った」という情報をもらっていました。
大島には、動物園から逃げたタイワンザルが野生化して何匹も暮らしています。
彼らは体が大きく、木の上にいる時は、人間を威嚇することもあります。
柳場が見た時は、5mぐらいしか離れていない藪から2匹同時に現れたようです。

ユッサユッサと木を揺らたり…
上を見たり…
下を見たりしたあと…
ハチジョウイヌツゲの黒い実を、ムシャムシャ食べ始めたそうです。
実をつまんでは…
ムシャムシャ。

ハチジョウイヌツゲの実は甘みも少ないし、お世辞にも美味しいとは言い難い味です。
でも、秋から春まで長い期間実をつけているので、結局様々な鳥に食べられて種子が広がっていくのだろう、と思っていました。

まさか猿がこれほど、良く食べるとは知りませんでした(驚)
やがて日が傾き始め、猿たちは立ち去っていったそうです。

もともとは島にいなかったタイワンザルたち。
彼らは伊豆大島全体の生態系に、どのような影響を及ぼしているのでしょう?
ところで最近、長く小笠原に関わっている友人が本を出しました。
題名は「小笠原が救った鳥」

陸地から遠く隔たった古い火山島で、人間が持ち込んだ猫の影響を受けて絶滅が危惧されていたアカガシラカラスバト。
10年前に推定40羽と言われていたアカガシラカラスバトが、10年間で300〜400羽と言われるほどに数を増やすことができたのは、小笠原に住んでいる沢山の人々の努力と協力があったから…。その「人」の思いや行動が、とても詳しく、わかりやすく、かつ冷静に書かれている本です。
本土に近く度々噴火してダメージを受ける伊豆大島と、本土から遠く、4千万年以上前の噴火でできた古い火山島の小笠原…条件は違いますが、色々と考えさせられました。
人間の影響で変化してしまった自然を以前の状態に戻すのは、ものすご〜く大変なこと。
でもみんなで考えて努力を続ければ、状況は変わってくる可能性があること…等。
リアルな描写に、惹きつけられて読みました。
特に「カラスバトを保護するのではなく、カラスバトのいる環境を保護する、島の未来をみんなで考えるところからスタートする」…というところが、とても素敵でした。
ジワジワ勇気をもらえるような本なので、機会がありましたらぜひ、お読みください😃
(かな)