国内居住者全員に一人当たり10万円が支給される。そんな法律が衆議院で全会一致で可決、参議院では、れいわ新選組だけが賛成投票をしなかったのは一抹の救いである。それを賄う資金がすべて国債の発行、そしてその国債はすべて日銀が紙幣印刷機のスイッチを入れてその国債を購入するとか、、、。その後どうなるかは目に見えている。
すべての生命体は、生まれ、育ち、老いて。死ぬという法則が貫徹する。資本主義にもその原則は当てはまる。人類の歴史400万年と言われる中で、その大部分は生きていくのがやっとの差別が生まれようもない社会であった。採取経済から、農牧畜経済に進み人口を飛躍的に増大した。人間労働が富の源泉である、との論理は、ペティに始まりマルクスによって確立した論理だが、奴隷制がなぜ生まれたか、奴隷制が封建制に代わり、そして資本主義が生まれる過渡期に絶対主義、重商主義時代があったのも、”労働価値説”の正しさを顕しているのだろう。
経済的変動は緩やかだが、政治的変動は急速である。その政治的変動の象徴である”革命”は多くの喜悲劇を生み出したのも残念ながら歴史が証明してくれている。資本主義も歴史の中で変遷してきた。商業資本から産業資本へ、そして独占資本、金融資本へと、、、。”利の貫徹”との資本主義の原理は、やがて帝国主義国家を生み出し、二度の世界大戦を起こすこととなってしまった。
サッチャーリズム、レーガノミックスは危機に陥った資本主義の延命策に他ならない。アベのミックスなどはその二番三番煎じに他ならないのだが、高度経済成長の再来となるのではと”大政翼賛”的体質のこの国に10年近くも歓迎されてきた。75年前、こんなはずではなかったのにと思った人も、今では”絶滅危惧種”、どこかでニンマリしているものの存在があるのではと気になるところである。