領土問題は、前のコラムで触れたように、先住権、地勢、植生、実効支配、等を考慮して、武力で解決するのではなく(19世紀~20世紀はそれがまかり通り、実効支配に繋がった)ヒューマニズムの立場で話し合いで解決すべきである。その場合、先住権、地勢は重視されるべきであろう。特に帝国主義時代に多くの先住民(多くは所有権を知らない)は先進国に支配、殲滅された哀しい過去を持っているだけに、人類的立場に立った先住民権利回復が望まれる時代となっている。さりとて、北米大陸は、アパッチやスー族に、オーストラリアはアボリジニーに、ニュージーランドはマオリに、北海道はアイヌ人へ、とまでは言い張ることは難しいが、、、。
第一次世界大戦における大きな犠牲から学んだ人類は、戦争の根絶のために方策として、アメリカの大統領、ウイルソンの提案による、無賠償、無併合、民族自決、等の貴重な呼びかけがあった。中国市場の支配の意志は第一次大戦後イギリスに代わり世界最大の経済大国になったアメリカにはあったが、領土的野心はなかったし、多くの犠牲を払って武力占領した沖縄も領有の意志はありながらも、前に提案した無賠償・無併合の“民主国家、世界のモデル”としてのアメリカを体現すべく、返還に応じた(密約を結び、実利は維持して)。
“戦争によって領土の変更は認めない”がアメリカの国是となっているし、“尖閣問題は安保条約の適用を受ける”などとアメリカに支援を受けようとするのではなく、北方領土の問題でアメリカの支援を受けるべきだ。つまりヤルタ会談で、戦争早期終結のため、ソビエトの参戦を求め、その見返りに、ソビエトに千島列島の領有を密約したことは、戦争による領土変更になるし間違いであったと言うことを、日ロ両国に伝え、ロシアを説得して貰うことだ。確かにサンフランシスコ会議で、当時の吉田首相が“千島列島は放棄する”と述べたため、実効支配のソビエト(現在のロシア)がその正当性を主張しているのだが、、。アメリカからの圧力で言わされた千島列島の放棄、は国際間で表明したことだし、今さら我が国が、領有権は主張できないとしても、放棄した千島列島の帰属はロシアにあるとは言えない。返還を強く求めるべきは、歯舞・色丹諸島である。これらは地勢的に根室半島に続きであり、千島列島には入らないことを主張すべきである。江戸時代の日ロ和親条約で、樺太を混在地、千島列島の択捉以南を南千島として、国境を定めたのだが、これこそ北方少数民族(自然の厳しさの中で人類の生活の場を広めた)にとっては勝手すぎる列強の取り決めだし、先住権を盾に生活権を主張できる地域である。千島列島はカムチャッカ半島から北海道間に繋がる島々だし、サンフランシスコ会議で放棄したのは、ウルップ以北であるとの主張は正当性を欠く。これからのロシアとの交渉で、日ロが協力して、千島列島に北方少数先住民の楽園を作り、支援する人類的課題を実現すべきだと思う。
第一次世界大戦における大きな犠牲から学んだ人類は、戦争の根絶のために方策として、アメリカの大統領、ウイルソンの提案による、無賠償、無併合、民族自決、等の貴重な呼びかけがあった。中国市場の支配の意志は第一次大戦後イギリスに代わり世界最大の経済大国になったアメリカにはあったが、領土的野心はなかったし、多くの犠牲を払って武力占領した沖縄も領有の意志はありながらも、前に提案した無賠償・無併合の“民主国家、世界のモデル”としてのアメリカを体現すべく、返還に応じた(密約を結び、実利は維持して)。
“戦争によって領土の変更は認めない”がアメリカの国是となっているし、“尖閣問題は安保条約の適用を受ける”などとアメリカに支援を受けようとするのではなく、北方領土の問題でアメリカの支援を受けるべきだ。つまりヤルタ会談で、戦争早期終結のため、ソビエトの参戦を求め、その見返りに、ソビエトに千島列島の領有を密約したことは、戦争による領土変更になるし間違いであったと言うことを、日ロ両国に伝え、ロシアを説得して貰うことだ。確かにサンフランシスコ会議で、当時の吉田首相が“千島列島は放棄する”と述べたため、実効支配のソビエト(現在のロシア)がその正当性を主張しているのだが、、。アメリカからの圧力で言わされた千島列島の放棄、は国際間で表明したことだし、今さら我が国が、領有権は主張できないとしても、放棄した千島列島の帰属はロシアにあるとは言えない。返還を強く求めるべきは、歯舞・色丹諸島である。これらは地勢的に根室半島に続きであり、千島列島には入らないことを主張すべきである。江戸時代の日ロ和親条約で、樺太を混在地、千島列島の択捉以南を南千島として、国境を定めたのだが、これこそ北方少数民族(自然の厳しさの中で人類の生活の場を広めた)にとっては勝手すぎる列強の取り決めだし、先住権を盾に生活権を主張できる地域である。千島列島はカムチャッカ半島から北海道間に繋がる島々だし、サンフランシスコ会議で放棄したのは、ウルップ以北であるとの主張は正当性を欠く。これからのロシアとの交渉で、日ロが協力して、千島列島に北方少数先住民の楽園を作り、支援する人類的課題を実現すべきだと思う。