面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

エピローグ

2012年09月13日 | 野球
金本、引退「体がしんどいなっていう思い」(読売新聞) - goo ニュース


夕食をとろうと入った店で。
注文を済ませてスマホでタイガース公式サイトにアクセスした。

「金本選手、今季限りで引退」

え!?

一瞬、我が目を疑った。
ファンに応えるように手を挙げた後ろ姿に、明朝体の文字が重ねられた写真は寂寥感を漂わせていたが、同時に清々しい透明感があった。
ようやく言葉が脳裏にたどり着いたとき、「ついにきたか」という思いと「やっぱりな」という気持ちが交錯しつつも、妙に冷めた感覚で冷静に写真を見ていた。
しかし、食事が運ばれてきて、一口食べた瞬間、何故か2003年、2005年の2度の優勝が思い起こされ、その途端に不覚にも涙が込み上げてきた
涙がこぼれそうになるのをなんとかこらえて食事を終えると帰宅し、ナイター中継を見ていたのだが……

2003年、2005年の2度の優勝は、間違いなく金本の功績に他ならない。
彼がチームを引っ張ってくれたからこそ、「暗黒時代」と呼ばれた長年に渡る万年Bクラスの時期に終止符を打つことができた。
真摯に野球に取り組み、ストイックに身体を鍛え上げる姿を見せて手本となるだけでなく、アニキと慕われる人望でリーダーシップを発揮して、Aクラスが当たり前のチームへと、タイガースを生まれ変わらせた。
それができたのは、生え抜きではない金本だったからというのは、タイガースファンにとってみれば凄まじい皮肉だが…

寂しいというよりも、タイガースを建て直してくれたことに対する感謝の念しかない。
タイガースに来てくれて、本当に、ありがとうございました。

これからの20試合あまり。
金本の、現役生活のエピローグが始まった。
これが「暗黒時代」再来のプロローグとならないことを祈るのみ…