面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「パラノーマル・アクティビティ」

2010年02月01日 | 映画
ミカとケイティは、一軒家で一緒に住んでいる平凡な若いカップル。
デイ・トレーダーのミカが建てたプール付の瀟洒な家で幸せに暮らす二人だったが、毎夜寝付いた後に家の様子が変わっていることに不審を抱く。
ケイティは、家に心霊現象が起きているとミカに訴えたが、現実主義者の彼はとても彼女の言うことが信じられない。
そこで、自分たちの家に起こっている“何か”を確認するため、生活の一部始終をビデオカメラで撮影することにする。
果たして真夜中、二人が寝静まった後、何が起きるのか。
そしてビデオには、衝撃の映像が記録されていくことになる…

「フォース・カインド」に続く、正に「X-FILE」の1話にありそうな物語。
「フォース…」との決定的な違いは、作品全編がビデオカメラに収められた映像のみで構成されている点。
二人が寝静まった寝室で、固定されたビデオカメラで撮影されたという映像は、映っているものがギリギリ判別できる明るさ。
真夜中に月明かりだけでものを見ているような、青みがかった画面が恐怖心を煽る。
日を追うごとにエスカレートしていく怪奇現象の行き着く先は、きっとイスから飛び上がる観客がいる、衝撃の結末だ。

映画が終了して照明が点いた瞬間、いったい何がどうなったのか?と狐につままれたような空気が劇場に充満した。
「え?これホンマの話?」「え?何?彼女どうなったん??」
終了時に劇場で聞こえてきた観客の声。
「こんな怖い映画、観たことないわ!」とトイレで興奮気味に話す若い男がいたが、自分としては、それほどでもなかった。
かつて劇場で観た「ノロイ」という日本映画の方が怖かったなぁ、と思いながら帰路についたのだが、そんな単純な作品ではないことに後になって気づいた。
夜中に一人部屋にいて本作を思い出すと、居てもたってもいられなくなる怖さが襲ってくるという、時間が経ってから堪えてくる、こみ上げる怖さがあるのだ。

15,000ドル(約135万円)で制作され、米国内で限定12館、しかもレイトショーによる公開でスタート。
噂が噂を呼び、口コミによる評判が広まって、週を重ねるごとに公開館数を増やし、公開3週目には159館にまで拡大、週末だけで790万ドルの興行収入をたたき出して、北米において200館以下で上映された作品で歴代1位となる記録を作った。
そして公開5週目にしてついに全米1位を獲得、翌週にはなんと興行収入1億ドルを突破したという超話題作、いよいよ公開。


パラノーマル・アクティビティ
2009年/アメリカ  監督・脚本:オーレン・ペリ
出演:ケイティ・フェザーストーン、ミカ・スロート