面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「餅屋問答」 by紫亭京太郎 in落語Kタイム

2009年02月23日 | 落語
2月23日(月)夜10時(翌朝10時再放送)
インターネットテレビ net channel KYO
「落語Kタイム」

今回は「餅屋問答」にて、ご機嫌を伺います。

仕事もせずブラブラしていた男に、禅寺の住職をあてがってやった餅屋のオヤッサン。
ある日様子を見にいくと、諸国行脚の修行僧が問答を挑んできたとのこと。
寺の住職に就かせたものの、アホで頼りない男ではとても対応できないということで、オヤッサンが亡くなった先代住職の袈裟衣を纏い、雲水の挑戦を受けて立つことに…

いつものように「ほほぉ、こんな噺もあるんや」と興味をもっていただき、プロの話芸へ手を伸ばしていただければ幸いです。
まずはごゆるりと、お付き合いくださいませ。

アクセスはこちらまで!

http://www.nc-kyo.com/

☆ ご覧の際に ☆
アクセスしてしばらく、何も映らない黒い画面が表示されることがありますが、しばらくすると音声と映像が流れますので、そのままお待ちください。

NHKスペシャル「うつ病治療・常識が変わる」

2009年02月23日 | よもやま
「NHKスペシャル」は好きでよく見る番組のひとつだが、今回も見応えがあった。

メンタルクリニックの開業にあたっては、必須資格や開業基準といったようなガイドラインが無いというのには驚き、精神科に専門医制度が無いという事実には愕然とした。
うつ病患者の急増が叫ばれている中、開業医が増えているという事実は理解できる。
しかし、その開業医に十分な専門知識や技量が備わっているとは限らない、「これは儲かる!」とばかりに病院を開設する医師もいるという戦慄の事実。

国を挙げて抗うつ薬中心の治療を改め、認知行動療法を取り入れたイギリスの取組は興味深い。
「心理療法センター」を設置し、心理士を置き、患者の精神的な問題点の根拠を探り当て、更にはその患者が持つ思考特性を患者に気づかせ、「別の見方」というものを患者自身に見つけさせるという。

自分にも、長年うつ症状に苦しみ、ほとんど職場に出られない状態が続いている知り合いがいる。
時間が経つにつれて薬も増え、会ったときには手がブルブルと振るえていた。
薬飲みすぎとちゃうか?と疑問を投げかけても、本人にそれを改めようという意思は観られない。
そして話を聞く度に思うのは、本人の考え方をちょっと変えれば、思い悩むこともないのに…ということ。
しかし本人にそれを伝えても、自分の考え方を変えることなどできないという拒否反応が返ってくるだけ。
もっと早くにこの番組に出てくるような、薬をしっかり調節しながら患者に対応する医師に出会い、そして認知行動療法を受けていれば、今ごろはすっかり改善されていただろうにと思うとやりきれない…

臨床心理士というのが国家資格でないことも初めて知った。
そのために臨床心理士による診療が保険の対象とならないため、日本では認知行動療法が普及しないことのネックのひとつになっているのだとか。
先のイギリスにおける「心理療法センター」の利用は無料だというのに…

「うつを心から治す」
番組の中で掲げられた言葉に、目からウロコが落ちた気がした。
「心の風邪」と呼ばれ、昔に比べればずいぶんと一般化したうつ病だが、心の病であるにも関わらず、いつ頃からか「薬で治る病気です」というコピーとともに、薬物治療にばかり注目が集まっていやしないか。
「心の病」であるはずが、病気の成り立ちについて、脳内における物質のやりとりという科学的な部分にスポットが当たり過ぎ、人の心=心理面からのアプローチがなおざりにされてきたのではないだろうか。

年々増加する一方の自殺者。
そしてその予備軍としてのうつ病患者。
「患者数100万人時代突入」などとマスコミが騒ぐが、ただセンセーショナルに言葉が上滑りしているだけで何も進まない日本の医療行政。
投薬と並行しての認知行動療法は、自殺直前者を背中から抱きかかえて連れ戻すことができる有効な手段であると確信する。

今回のNHKスペシャルは、救国のきっかけとなりうる番組であったと言っても過言ではない。
しかし、ひとりひとりを救うためには、いったい誰に見せるのが一番有効なのだろうか…