フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

林望謹訳源氏物語 第3巻 読み終える

2012-04-16 | 濫読

朝起きてみると、森は一面の霧に覆われている。外気温2度、風はない。

朝食後、読みかけになっている、林望謹訳「源氏物語 3巻」を読み終えた。

「須磨」「明石」、源氏が位爵を剥奪されて「須磨」にわたる。「明石」で明石の入道の娘と親しくなり、「明石の君」との間、娘が生まれる。「澪標」、朱雀帝が譲位することになり、源氏が復権し、内大臣に上り詰める。源氏はまだ28歳だ。そのとき、親しくしていた六条御息所が亡くなった。伊勢の斎宮を務めていた、彼女の娘が、その葬儀に際して、源氏に返した歌。

 「 消えがてにふるぞ悲しきかきくらし
      わが身それとも思えぬ世に 」

(林望訳 この雪の降る日に、わが身だけは霙のように消えはてもせずに、ただ世に古るばかりなのが悲しくて、涙にかきくれて過ごしておりますと、もう私の身ながら、わが身とも思えぬほど、辛い世の中でございます)

「蓬生」、久しぶりに据摘花の荒れ果てた屋敷を訪れる。「関屋」、源氏が、(復権してい)須磨の願立てが叶ったことの礼参りに石山寺を訪れた際、逢坂の関で、かつての空蝉に出会う。夫、常陸の宮が亡くなり空蝉は尼となる。

 「絵合」、朱雀院の上皇御所で、左右二手に分かれて、絵物語を競う、「伊勢物語」なども出てくるが、最後に、源氏が描いた「須磨」の絵巻物が出され、その類まれのない美しさで、他を圧倒し左方が勝つ。
朱雀院(34歳)が、前伊勢の斎宮(22歳)を慕う。時に冷泉帝は13歳。源氏は、その冷泉帝に前伊勢の斎宮を入内させた。

「松風」、源氏は二条に東院を建て、そこに、これまで源氏が情をかけた女性たちを一堂に集めて暮らさせる。まず、花散里を引き移らせる。明石の入道は桂の近くに別邸(大井の邸)を建て、そこに明石の君とその姫君、母親を住まわせ、一人明石に残る。源氏も嵯峨野に御堂を建立し、そこからこの大井の邸に通う。

ここまで読んでくると、源氏物語の世界にかなり入ってきたかな。複雑な人間関係や、源氏の色好みにも、だいぶん慣れてきた感じだ。