フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

山々に霞みがかかる

2012-02-05 | 濫読

 今日も八ヶ岳はいい天気だ。外気温マイナス13度、室温9度、湿度12%。南アルプスも八ヶ岳もよく見える。ゆっくりと部屋を温め、コーヒーを淹れる。今朝はヘンデルフルートソナタを聴こう。ヘンデルは、あくまでも優雅で分かりやすくていい。

窓の外の雪景色を見ながらサンドイッチの朝食を食べる。


午前中は、フルート練習だ。基礎練習の後、アルテ第22課の短いトリルの練習曲を吹く。テンポをぐっと落とすと、なんとか最後まで吹くことができた。ついでに23課の反発トリルの練習曲も吹いた。こちらの方は、細かいトリルが連続するので簡単ではなかった。

昼からは、春のような日差しで、山々が霞がかかったようにぼやけている。ポカポカと22度まで上がった部屋で本を読む。

NHKが年明けからBSで放送した「開拓者たち」の北川恵の原作を読んだ。戦前の国家政策に翻弄されて、宮城県の貧農から「大陸の花嫁」として満蒙開拓団に参加した4人の兄弟の物語である。主人公ハツはまだ16際、結婚する男性は同じ宮城県出身の24歳の浅野速男。行き先は「満州」の「千振」(ちふり)。先に移住したハツに続いて金次、史郎、富枝の兄弟を呼び寄せる。平和な開拓生活は直ぐに終わり、ソ連の参戦、日本の敗戦、中国の国共内戦の渦に巻き込まれる。いつ終わるともしれない「逃避行」が続く。1946年夏、命からがら日本に帰国した。貧窮にあえぐ、ふるさとを後に、今度は栃木県の那須に国の用意した荒れ地の開拓村に行くことになる。そこで第2の開拓が始まった。千振の仲間が集まり、困窮にもめげずに開拓、酪農の新しい村づくりを元気にやり始めたところで物語は終わった。宮城県が出てくることにより、大震災の困苦に立ち向かっている人々の姿と重なった。歴史に翻弄されながら、明るく真剣に生き抜く人々の姿に引き込まれた。

読書に疲れたので、森の中を散歩する。周りの畑にはまだまだ雪が残っているが、森の中の日当たりのいいところは、大分雪が融けてきた。


その間、妻は、暖かい部屋で今日もパン作りをやっていた。

その後、今夜の夕食用に擬製豆腐を作り始めた。

他にちらし寿司。私は汁ものが欲しかったので、にゅう麵を用意した。