功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

マーシャルアーツ映画特集・その7『DRIVE/破壊王』

2007-05-29 09:45:50 | マーシャルアーツ映画:上
「DRIVE/破壊王」
DRIVE
1997

●これまでにノリスや最強の51歳、そして三巨頭を紹介してきたが、マーシャルアーツ映画の世界にはまだまだスゴいヤツがいる!…のですが、彼らを全部紹介するとなるとキリがなくなるので、その猛者の中から4人を厳選して紹介したいと思います。
その"マーシャルアーツ四天王"(勝手に命名)トップバッターはマーク・ダカスコスです。ダカスコスは実際に少林拳をマスターした達人でもあり、他のキックボクサーあがりのファイターとは一線を画す実力の持ち主です。近年では『ジェヴォーダンの獣』やブランドン・リーの後を受けて出演した『クロウ』シリーズにも出演していますが、やはり功夫映画ファンとしては『SPY_N』での香港映画参戦や、『ブラック・ダイヤモンド』における李連杰(ジェット・リー)との対決も記憶に新しいことかと思います。
本作は日米合作によるアクション映画で、ある組織によって超人にされたダカスコスが、道中出会った黒人のカディム・ハーディソンと珍道中を繰り広げつつ、組織の追っ手である加藤雅也(!)と戦うという、なんだか『仮面ライダー』チックな話である。
実は、本作はあの『北斗の拳』から流れを継いでいる作品でもあるのだ。『北斗の拳』と言ってもあの有名なアニメや漫画の方ではなく、ゲイリー・ダニエルズ主演で制作されたあのトホホな実写版のことだ(泣
実は東映は『北斗の拳』の失敗にたじろぐこともなく、実写版映画第2弾として池上遼一の漫画が原作の『クライング・フリーマン』という新たな実写版を制作していたのだ。この映画はあまりパッとした出来ではなく、アクション自体もそれほど際立ったものではなかったが、東映はそこで類い希なる才能を持つダカスコスと出会ったのである。
結局、本作はアルファ・スタント(海外を中心に活躍する日本人のアクション集団…『パワーレンジャー』や『人質奪還/アラブテロVSアメリカ特殊部隊』などで素晴らしいワークを披露している)の奮闘も虚しく、次回作を匂わせるオチだったにも関わらずそれが作られることはなかった。
しかし、本作のダカスコスのアクションは素晴らしい!靴や警棒、家具といった道具を使ったアクションをさらりとこなし、滑車を使ったスタントもやってのけ、最後の加藤雅也(本当はそのほとんどがスタントダブル)とのバトルは迫力満点であった。その立ち振る舞いたるや、まさにジャッキーのようにしなやかな動きで、彼のポテンシャルの高さを示して見せている。
この他、ダカスコスは『マーシャル・ロー』でサモハンとも闘い、初主演作の『オンリー・ザ・ストロング』ではトニー・ジャーも舌を巻くようなカポエラアクションを披露している。
こういう人が出てくるから、マーシャルアーツ映画はやめられないのである。

最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ジャッキー映画を観てるようだ (亜州影帝)
2007-05-30 22:38:10
こんばんは。

「破壊王」はかなりカンフーシーンの出来がよくて面白かったです。個人的にもかなり上位に入る作品ですよ。

アクションコーディネーターの方がかなりジャッキー映画の影響を受けてらっしゃるようで、手錠に繋がれた二人が逃げるシーンなどはもろ「プロジェクトA2」のジャッキーとラム・ウェイだし、小道具なんかを使った戦いなども、ジャッキー作品を観ている方なら思わずニヤリとしてしまいますね。(モーテルでのベットの上での戦いが面白かった)
あまり売れてなかった頃(!?)のブリタニー・マーフィが出てたのも意外でした。

マーク・ダカスコスはあまり観た事ないのですが(「SPY-N」は出てたのか覚えてないですねぇ)、「キックボクサー5」では切れのよいアクションを見せていました。ラストバトルがいまいち盛りあがらなかったのが残念でしたが・・・

余談ですが「北斗の拳」は原作のファンなので当時映画を観た時はひどいと思いましたが、この間中古ビデオの吹き替え版を購入して観るとこれが意外やマーシャルアーツ映画として普通に観れましたよ。(特撮のしょぼさとかキャラ設定に難題はありますけど・・)
でもシンの居城でのシンの部下数十人を蹴りや棒術で倒して行くケンシロウ(ゲーリー・ダニエルズ)や、ラストのシンとのバトルも悪くなかったですよ。これは吹き替えで観たほうが面白いかもしれません。(TV版の声優の神谷明さんが吹き替えてますから)
返信する
ダカスコス! (龍争こ門)
2007-05-30 23:01:05
亜州影帝さんこんばんわ!

確かにこの『破壊王』、道具を駆使したアクロバットな闘いの数々はかなりジャッキー映画を意識したモノになっていましたね~。
ダカスコスはレビュー中に触れた以外の作品ではゲーム原作のキッズ向けアクションムービーである『ダブル・ドラゴン』や下積み時代の出演作『バトルマスターUSAサムライ伝説』といった作品でもなかなかの動きを見せてくれてました。
『キックボクサー5』では往年のアクションスターであるジェームズ・ライアンと夢の対決を演じているとのことですが、残念ながらまだ未見です。

『北斗の拳』は私も最初は「なんじゃこりゃ!?」と思いながら見てた覚えがありますが、ゲイリーのアクションはそんなに酷評に伏されるほどヒドくはなかったですね。でも、ちょっとだけでいいからハート様あたりとかの素敵なキャラは出して欲しかったかも…。
そういえばゲイリーは『シティーハンター』でジャッキーと戦った時にストリートファイターのケンの格好をしていたので、そっちの方面からの縁があったんでしょうか?(爆
返信する
坂本浩一さんはエラぃ!!! (白扇仔)
2007-06-08 15:12:56
龍争こ門様 コニチワ。

この作品は、リリース当時に加藤雅也目あて(どのくらいアクションが出来るか)で見たので、替身使いまくりだったのが残念でしたが、全編のアクションシーンはヒジョーーーに工夫されていて、香港映画でさえ当時、これほど見事な「ガン + クンフー」のアクションは無いんじゃねぇーの? と、地元誌の僕の連載で絶賛しました。それに、適度に笑いもあるし、1本の映画として、もっともっと評価されるべき作品だと思います。
ちなみに、本作の武術指導の坂本さんの本『ハリウッド・アクション』によると、加藤が替身使いまくりだったのは、時間的な問題(彼のスケジュール?)のためなんだそーです。
僕にとってダカスコスの主演作No1がこの作品です。この作品を見て以来、彼に注目するよーになりましたが、本作を上回るアクションを見せる作品が無いのはとても残念でなりません。

あと、アルファ・スタントは JACから派生したアクション集団 と書いてありますが、全員倉田アクション・クラブ出身ですよ。ちなみに坂本さんは谷垣健治さん(は関西支部)と同じ歳でもあります。
返信する
白扇仔さんは詳しい!!! (龍争こ門)
2007-06-08 23:31:22
白扇仔さんこんばんわ。

成る程、加藤雅也があれほど吹き替えを多用していたのは不可抗力だったんですね!確かに功夫の殺陣は振り付けにかなり時間を割きますし、ポテンシャルの問題もあるでしょうからねぇ。
同じ吹き替えといえば、『孔雀王』での三上博史はもうちょっとどうにかなったのでは…(爆
私個人からすると、未だ未見であるダカスコス初主演作『オンリー・ザ・ストロング』に期待が高まっているのですが、現時点で見てきたダカスコス作品の中ではコレが一番だと思います。

それとアルファ・スタントの項について訂正しておきました。
私は本作や『パワーレンジャー』シリーズ等の東映系列作品で仕事をしていたので、JACの関連では?と思っていましたもので…。どこかでそういう内容の記事を見たことがあった気がしたのですが、いやはや目から鱗が出っぱなしです(爆
色々とどうもスミマセン。
返信する
1カットで撮んなきゃ! (白扇仔)
2007-06-12 15:28:55
龍争こ門様 コニチワ。

『オンリー・ザ・ストロング』は、さすがに『破壊王』と比べると負けていると思います。やはり殺陣師が向こうの人なんで、『破壊王』みたいな我々(香港アクション迷)好みのアクションではないですね。けど、ストーリーはとても良く、見終った後爽快感がある作品なんで、1本の映画としては期待していいと思います。

あと、「アルファ・スタント」については、もちろん坂本さんの本からの受け売りですw。ちなみに小池さんは倉田ACCの前にJACにいたそーです。

あと、別スレのレスですが、ここにまとめますね。
『ヒート』にトリンブルが出てるんですよ。映画の方は未見なんですが、某所で知りました(アル・パチーノの部下役だそーです)。まず格闘を見せる事は無い作品なんで、無視していいかとw。

> 『ビバリーヒルズ忍者』のアレはやっぱりキースでしたか!というか、そんな大技も出していたかどうかさえも覚えていません(爆)。

確かに例の技をやっているんですが、寄って撮ってるうえに、左右の相手それぞれに蹴りがヒットするカットを挿入しているんで台無しでした。やはりあの技は、『通天老虎』や、『人質奪還』みたいに、引きの画で1カットで見せなきゃダメっす。
あと、中盤の短いシーンの、電光石火の接近戦も良かったっすよ。
返信する
『ビバリーヒルズ~』で主演したデブは故人 (龍争こ門)
2007-06-12 23:26:04
白扇仔さんこんばんわ。

やはりアクションを熟知しているクルーがいるといないとでは差が生じるのは仕方ありませんね。でも物語としても面白いとのことなので見てみたいと思います。結構レアなタイトルらしいので、まずはビデオ自体を探す所から始めないといけませんが…(爆

『ヒート』は犯罪モノの傑作と聞いてますが、長編の上トリンブル目当てで見るにはどうしようかと思っていたので、情報ほんとにありがとうございました。
そういえばドルフ・ラングレンも007のどれかに端役出演しているらしいですね。

『ビバリーヒルズ・ニンジャ』はヌルい作りでしたがほのぼのとしてて下品な描写もなく、肩の力を抜いて気楽に楽しめる作品でした。しばらく見ていなかったので、そろそろキースの確認も兼ねて見直してみようかな?
それにしても、格闘シーンでのカット割りは多ければ多いほどスピーディな演出になるだろうと思ったら大間違いですね。上記でも少し触れましたが、李連杰の『ブラック・ダイヤモンド』でダカスコスと李連杰が戦った際、他の仲間達の対決をチャカチャカと挟み込む忙しない演出であまり集中して見れませんでした。
これもまた好き嫌いの問題かと思うんですが、やはり功夫映画ファンとしては、大写しの長回しでのアクションも見てみたいですね。
返信する

コメントを投稿