「ダイナソー・ファイター カンフーVS巨大恐竜」
原題:FUTURE WAR
製作:1997年
●この作品は、かのダニエル・バーンハートが『ブラッド・スポーツ2』の翌年に出演した映画なのだが…私は『ブラッド・スポーツ2』がどれほどのヒットを記録したかまでは知らないが、その後もシリーズは第4弾まで続いたことを考えると、それなりにウケたのだろう。だとすると尚更この作品について疑問が残る。ある程度の成功を得ているというのに、一体ダニエルは何をトチ狂ってこんなクソ映画なんかに出演したんだ!?(爆
ストーリーは深く語るまでもない。簡単に言うと『ターミネーター』的な本筋に、当時大ヒットしていた『ロスト・ワールド』にあやかって恐竜をプラスしただけの物だ。その作りは「雑」という一文字で片付けられない悲惨な代物で、低予算作品というか自主映画以下の恐ろしいブツである。まず本作は圧倒的に物語の描き方が狂っている。映画が始まると最初に世界観が長々と説明されるが、その説明は本編でも繰り返し語られるので全く意味が無い。ま、このへんは『ヒューマノイド』や『ダークブレイド』のような近代の作品にもありがちなパターンだからいいとして、問題なのはここからである。
主人公のダニエルは遙か彼方の惑星から脱走してきた逃亡者で、サイボーグ兵士と恐竜(サイボーグ兵士が飼っている番犬のようなもの。ちなみにハリボテ感丸出しの酷い造形です・苦笑)に追われている。偶然知り合ったヒロインの元に身を寄せたダニエルだったが、そこへダニエルを狙って恐竜が現れた。ダニエルとヒロインは追っ手から逃走を図るが、"突然"警察に身柄を拘束されてしまう。このシーンにこれといった説明はない。警察がダニエルを不審人物と断定して逮捕したとか、そういう描写も一切無い。本当に"突然"ダニエルとヒロインはパトカーに詰め込まれるのだ。
この他にも、恐竜がやって来た時に襲われたデブ黒人はどうやって助かったのか、ヒロインは何故あんなに武器をホイホイと集められたのか等々、とにかく描写不足のカットが多い。こうなると足りない部分は想像で補うほか無く、まるで未公開&字幕無しの功夫片を見ているような錯覚に陥ったが、私が見たのはれっきとした国内で発売された字幕付きのDVDだ。それなのに人間の理解を超越した描写を炸裂させているのだから、いかに本作がとんでもないブツなのか解って頂けただろうか。
格闘シーンはダニエルが主人公なので頑張ってはいるが、敵がお針子の恐竜とロクに動けない木偶の坊サイボーグなので、出来については推して知るべし。このほかにも細かいところをツッコんだらキリがないが、単に「宝の持ち腐れ」では済まされない凄まじい作品。ちなみに製作には『桜NINJA』や『ホワイト・ファントム/霊幻戦士』にも関わったK・Y・リム氏が参加しているようだが、相変わらず元気そうで何よりです(爆
原題:FUTURE WAR
製作:1997年
●この作品は、かのダニエル・バーンハートが『ブラッド・スポーツ2』の翌年に出演した映画なのだが…私は『ブラッド・スポーツ2』がどれほどのヒットを記録したかまでは知らないが、その後もシリーズは第4弾まで続いたことを考えると、それなりにウケたのだろう。だとすると尚更この作品について疑問が残る。ある程度の成功を得ているというのに、一体ダニエルは何をトチ狂ってこんなクソ映画なんかに出演したんだ!?(爆
ストーリーは深く語るまでもない。簡単に言うと『ターミネーター』的な本筋に、当時大ヒットしていた『ロスト・ワールド』にあやかって恐竜をプラスしただけの物だ。その作りは「雑」という一文字で片付けられない悲惨な代物で、低予算作品というか自主映画以下の恐ろしいブツである。まず本作は圧倒的に物語の描き方が狂っている。映画が始まると最初に世界観が長々と説明されるが、その説明は本編でも繰り返し語られるので全く意味が無い。ま、このへんは『ヒューマノイド』や『ダークブレイド』のような近代の作品にもありがちなパターンだからいいとして、問題なのはここからである。
主人公のダニエルは遙か彼方の惑星から脱走してきた逃亡者で、サイボーグ兵士と恐竜(サイボーグ兵士が飼っている番犬のようなもの。ちなみにハリボテ感丸出しの酷い造形です・苦笑)に追われている。偶然知り合ったヒロインの元に身を寄せたダニエルだったが、そこへダニエルを狙って恐竜が現れた。ダニエルとヒロインは追っ手から逃走を図るが、"突然"警察に身柄を拘束されてしまう。このシーンにこれといった説明はない。警察がダニエルを不審人物と断定して逮捕したとか、そういう描写も一切無い。本当に"突然"ダニエルとヒロインはパトカーに詰め込まれるのだ。
この他にも、恐竜がやって来た時に襲われたデブ黒人はどうやって助かったのか、ヒロインは何故あんなに武器をホイホイと集められたのか等々、とにかく描写不足のカットが多い。こうなると足りない部分は想像で補うほか無く、まるで未公開&字幕無しの功夫片を見ているような錯覚に陥ったが、私が見たのはれっきとした国内で発売された字幕付きのDVDだ。それなのに人間の理解を超越した描写を炸裂させているのだから、いかに本作がとんでもないブツなのか解って頂けただろうか。
格闘シーンはダニエルが主人公なので頑張ってはいるが、敵がお針子の恐竜とロクに動けない木偶の坊サイボーグなので、出来については推して知るべし。このほかにも細かいところをツッコんだらキリがないが、単に「宝の持ち腐れ」では済まされない凄まじい作品。ちなみに製作には『桜NINJA』や『ホワイト・ファントム/霊幻戦士』にも関わったK・Y・リム氏が参加しているようだが、相変わらず元気そうで何よりです(爆
>こんなんだから格闘映画の扱いは何時までも……
まぁこればっかりは仕方が無いのかも知れません。どんなジャンルでも必ずこういう底辺の作品が生まれてしまうものですし、マーシャルアーツ映画とは超B級なジャンルでありますから、そういうものだと割り切って楽しむしかないでしょう。
しかし私はそれを不幸とは思っていません。B級はB級で面白いし、一流作品は一流作品で面白い。無闇に底上げをしなくとも、それぞれで楽しめればそれでいいと私は思います。